2016年の幕開けを飾るにふさわしい傑作が完成した。高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井によるスーパーグループ、METAFIVEの1stアルバム『META』である。結成のきっかけは2014年1月、1980年代テクノ期のYMOの楽曲を、YMOチルドレンであるメンバーと共に再現するイベント『テクノリサイタル』だった。そのときは「高橋幸宏&METAFIVE」名義だったが、その後『WORLD HAPPINESS』や、テーマ曲“Split Spirit”を提供した『攻殻機動隊』のイベントなどへの出演を経て、高橋もあくまでメンバーの一員である「METAFIVE」へと発展。昨年8月にリリースがアナウンスされていたオリジナルアルバムが、遂にお披露目となる。
それにしても、すごいアルバムだ。各メンバーが2曲ずつ持ち寄った全12曲は、「これだけのメンバーが集まってるんだからすごくて当然」という安易な想像を軽々と上回ってくる。もちろん、高橋が中心で、復活以降のYMOのサポートメンバーでもある小山田とゴンドウをはじめとしたYMOチルドレンが顔を揃えているのだから、YMOとの比較は避けられないだろう。しかし、そこを出発点としながらも、それぞれが音楽家として、プロデューサーとして研ぎ澄ませてきた音楽的な蓄積を集結させた本作は、あくまでMETAFIVEとしてのオリジナリティーを獲得している。最新型にして普遍的。音楽の興奮がここにある。
才能のある人の塊なので、そんじょそこらのクオリティーじゃダメ。そのさらに上のクオリティーをキープしたいし、責任重大だと思ってやってます。(砂原)
―METAFIVEはそもそも2014年に高橋幸宏&METAFIVEとしてスタートし、昨年改名されたわけですが、それは自然な流れだったのでしょうか?
高橋(Vo,Dr,Syn,Rhythm Sequence):どこがターニングポイントだったのかを考えてみると、『攻殻機動隊』のイベント(2014年11月24日に開催された『SPACE SHOWER TV 開局25周年×攻殻機動隊25周年×日本科学未来館』)ですね。それまで数回ライブをやった中でも、あの日は一番手応えがあって、「これだったらアルバム作れるかもね」くらいは内心思ってました。ただ、いつMETAFIVEとしてアルバムを出そうってなったのかは……。
左から:小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、高橋幸宏、LEO今井、ゴンドウトモヒコ
砂原(Syn,Programming):誰が言い出したのかはよくわからないんですよね(笑)。
高橋:2月頃になんとなく全員集められて、お好み焼きを食べながら話して……まあ、そのライブがすごくバンドっぽかったから、もう「高橋幸宏&METAFIVE」ではないなという感じはしました。
―幸宏さんと小山田さんには“Split Spirit”が出たときに一度お話をお伺いしているので、他のみなさんに改めてMETAFIVEへの参加について話していただければと思います。まず、まりんさん(砂原)にとっては、そもそもこのバンドがスタートするきっかけが、趣味で作っていたYMOのトラックだったりもしますし、幸宏さんと一緒にバンドをやるということが非常に大きなことなのは間違いないですよね。
砂原:もちろん、すごい大事件なんですけど、実際に現場に出たらそんなことは言っていられないというか、やることやらなきゃいけないんで、とにかく失敗しないように、判断を誤らないようにと、常に思いながらやってますね。才能のある人の塊なので、そんじょそこらのクオリティーじゃダメというか、そのさらに上のクオリティーをキープしたいし、責任重大だと思ってやってます。それは僕だけじゃないと思うし。
―TEIさんにとっては、Deee-Lite以来のバンド活動になりますね。
TEI(Syn,Noises,Programming):1993年にライブが嫌で脱退して、バンドはもう二度とやらないと思ってたんですけど、今は楽しくやってます。
砂原:僕が作ってたトラックも、METAFIVEとしてアルバムを作るきっかけのひとつにはなってたけど、TEIさんが幸宏さんをボーカルに呼んでソロで何曲か作ってたから、それも大きかったと思う。
TEI:“Radio”(作詞・作曲:TOWA TEI)は、“Split Spirit”と一緒に『攻殻機動隊』のイベントでやってたので、その頃からすでにこのバンドの持ち曲になっていました。
小山田(Gt,Cho):いろいろなつながりがあるんだよね。O/S/T(小山田+砂原+TEI)という三人で幸宏さんのトリビュートをやったり、LEOくんはIn Phaseで幸宏さんとやってたりとか。
TEI:ゴンちゃん(ゴンドウ)は幸宏さんとずっと一緒だし。
―LEOさんはMETAFIVEへの参加についてどんな感想をお持ちですか?
LEO(Vo,Syn,Gt,Programming):僕はバンドを正式にやったことがなくて、憧れがあったので、バンドの一員になれたことがすごく嬉しいです。こうやって六人でインタビューを受けるのも新鮮だし。
―年齢は関係ないとは思いますが、とはいえキャリアが上の先輩方の中に入っていくのはどんな気持ちなのでしょう?
LEO:それはもう、仲間に入れてくれたことを光栄に思っております(笑)。
高橋:LEOくんがいてくれて助かりますよ。英詞については正確に指摘してくれるので、これでピーター・バラカンに文句言われなくて済む(笑)。
小山田:LEOくん、うちらの中では若いけど、言っても35歳だからね(笑)。
―二十歳そこそこで参加するのとは違いますよね(笑)。ゴンドウさんはMETAFIVEにどんな印象をお持ちですか?
ゴンドウ(Flugelhorn,Euphonium,Syns,Cho,Programming):今までいろいろバンドやりましたけど……。
高橋:いろいろって、全部一緒じゃない?
ゴンドウ:ほぼ一緒ですね(笑)。まあ、個々のメンバーが素晴らしい作品を作ってるのは知ってるし、似てる部分も結構あるから、すごく楽しいですね。
TEI:役割で言うと、ゴンちゃんと僕とまりんが後ろで……。
砂原:黒子ですね。
TEI:黒子チームというか……ひな壇芸人的な(笑)。で、フロントには三人歌える人たちがいて、上手いバランスになってるんです。
突然変異のようなことが起きるのが、バンドの醍醐味なんじゃないですかね。(高橋)
―そもそもは1980年代のYMOの曲を今に再現する『テクノリサイタル』からスタートしているわけですが、アルバムは完全にMETAFIVEとしてのオリジナルになっていますね。
高橋:スタート当初は、半分YMOのパロディーですからね。アルバムを作ろうとなった段階では、1人2曲ずつ作ろうって自ずと決まっていきました。僕はこれまでいろんなバンドを組んできましたけど、こんなに他のメンバーに任せっぱなしにしたのは初めてです。YMOのときだって、こんなに任せられなかった。若い頃は「こういう風にやりたいんだよ」というエゴがあったんですけど、今はそれが全然なくなって、これまでになかった経験ができました。それって、すごい楽なんですよね。
―つまりは、METAFIVEの中では幸宏さんも1/6だと。
高橋:完全にそうですね。
TEI:まあ、幸宏さんがいなかったらこのメンバーは集まってないですけどね。
高橋:でも、今は吸収合併されちゃいましたから(笑)。
―1人2曲ずつ作ったということですが、何か方向性の共有はあったのでしょうか?
高橋:それはなかったよね。
砂原:TEIさんは、12曲揃った段階で「これは濃いね」って言ってましたよね。
高橋:それ、小山田くんも言ってたよ(笑)。
小山田:1人2曲作ることになって、みんなわりと力入れて作ったから、結果濃いものになっちゃったんですよね(笑)。まりんはわりと全体を俯瞰で見て、足りない要素として最後の方に曲を出してくれたんですけど。
―個人的には、1980年代YMOのテクノ感と、それ以前、もしくは2010年代YMOの生演奏のファンク感が同居しつつ、そこにメンバーそれぞれが持っている記名性の強い音色やリズムなどが加わることで、まったく新しいMETAFIVEとしてのオリジナリティーが生まれているように感じました。
高橋:どうなのかな……細野(晴臣)さんに聴かせたときは、そういう感想はなかったですね。
TEI:なんておっしゃってました?
高橋:「かっこいい」とか、「いいなあ」って言ってた。自分ではやらないでしょうけど(笑)。
―アルバムとして明確な方向性はなかったとのことですが、メンバー個々でYMOとの距離感を意識するような部分はあったのでしょうか?
TEI:まあ、小山田くんもゴンちゃんも今のYMOのサポートメンバーだし、幸宏さんはYMOの1/3なわけで、そこは自然と関係してきますよね。ただ、まりんが「動きたくなる感じがいい」っていうのは言ってましたね。細野さんがYMOを始めたときに言ってた「下半身モヤモヤ、みぞおちワクワク、頭クラクラ」とはまた違う意味で、踊りたくなる感じって。
高橋:ああ、そういえば言ってたね。体が動くようなって。
砂原:そもそもライブをやることから始まったので、ライブで演奏したいっていうのがまずあったんですよね。あとはライブに出て行くと、YMOの代用品として考えられているんじゃないかというのはちょっと気にしていて、それはあんまり気持ちよくないなと思って。METAFIVEとしての名刺が欲しかったので、それらしいものができあがってよかったです。
高橋:じゃあ、いい意味でYMOは意識しなかったってことだね。
砂原:そうですね。もちろん歴史を否定しているわけではなくて、そこは自然でいいと思って。
―血肉になっているものは、自然と出ているでしょうしね。
砂原:僕は普通に作っても、かなりYMOの引用が入ってきちゃうので(笑)。
―砂原さんがメインで作曲された“Luv U Tokio”という曲もありますもんね。じゃあ、一応「体が動くような」というのが始まりとしてはあったものの、それが明確なコンセプトになっているわけではないと。
高橋:1曲目“Don't Move”で始まってますからね(笑)。
TEI:YMOはもっとアルバムごとにコンセプトがあったんじゃないですか?
高橋:あった。最初の頃は三人で話して、『BGM』(1981年発売、4thアルバム)とか『テクノデリック』(同年発売、5thアルバム)の頃は細野さんと僕が毎晩夜中まで話してた。
―幸宏さんはソロ作もコンセプトがはっきりした作品が多いように思いますし、やはり今回はあくまで1/6なんでしょうね。
高橋:そうですね。まあ、コンセプトって、後からこじつけでどうにでもなるものなんですよ。ソロは自分の思い通りにいったりいかなかったりするけど、バンドっていうのは、やってるうちに「そういうことだったのか」って気づくことが多いように思います。そういう突然変異のような、メタモルフォーゼ的なことが起きるのが、バンドの醍醐味なんじゃないですかね。
メンバーの個性が万遍なく発揮されればいいなっていうのが狙いとしてはあったんですけど、それがわりと上手くハマった。(小山田)
―アルバムからは先ほどチラッと話に出た1曲目の“Don't Move”のスタジオライブが先行で公開されていましたね。
TEI:“Don't Move”は比較的早い段階で小山田くんが作ってきて。
高橋:いきなり恐ろしいのができてきたと思ったよね。あれは譜面に起こすと大変ですよ。変拍子だらけで。
小山田:最初、僕は比較的薄いオケを作ったんです。リズムとベースとギターくらいで、うわものもあんまり入れてないし、メロディーはまったくなくて、構成とキメだけ。みんなに好きに要素を入れてもらえるように、器っぽいオケを作って。
砂原:土台と柱だけできてる感じだったよね。
小山田:そういう感じ。そこにLEOくんとTEIさんがメロディーをつけてくれた段階で曲としての形が見えてきて。メンバーの個性が万遍なく発揮されればいいなっていうのが狙いとしてはあったんですけど、それがわりと上手くハマったというか。
TEI:結果は見えてなかったけど、プロセスとしては見えていたと。でも、構成はみんな気を使ってか、全然変えなかったよね。
小山田:変えてもよかったんだけどね(笑)。
TEI:こんなに複雑なのは考えに考えた意味があるんだろうっていう、リスペクトで変えなかったんです。
小山田:実はね、僕、あの曲最初自分でメロディーを入れてたんですよ。だけど、すごい自分っぽい感じになっちゃったから外したんです。
TEI:違うメロディーになった?
小山田:僕が全く予想してなかったメロディーになった。
TEI:最初に入れた歌を外したり、音数少なめに作ってみんなに回したりとか、すごいプロデューサーっぽいよね……オヤPだ。
小山田:それを言ったら、このバンドはみんなP(プロデューサー)だから(笑)。でもホントに、幸宏さんのドラムソロが入ったのもよかったし、あとまりんのオケヒ(オーケストラルヒット。サンプリング音源の一種)も。
高橋:「今どき?」って思ったけど、ハマったよね。
小山田:たった一音なんだけど、バシッと印象付けるもので。ダビングを2周してるんですけど、2周目にまりんがオケヒと、あとYMOの“ABSOLUTE EGO DANCE”の「ピーピー」っていう笛みたいな音を入れてくれて。
―そうやって、オマージュも含めたいろんなアイデアが加わっていったと。
高橋:横で見てて、それが最高に楽しいですね。
小山田:自分一人であの曲を作ったら、あんな派手な曲には絶対なってない。
砂原:誰かっぽいかというとそうじゃない、誰の顔でもない曲になってると思いますね。
エゴはないんで、やっぱりアイデアがどんどん変わっていくのが面白かったですね。(TEI)
―“Don't Move”のイントロというか、アルバムのオープニングに入っている声は、ゴンドウさんのお子さんの声なんですよね?
ゴンドウ:そうですね。頭に何か入れようっていうのは、TEI PとオヤPの発案で(笑)。
高橋:あの曲で始まるといきなりすごく熱いから、軽いインストみたいなのをつけようかって話してたんだけど、TEIくんが「いや、こんなに暑苦しいのができたんだから、あえてインストとかはナシにして、ほんのちょっとだけ何かを入れましょう」って言って、「声とかいいかもね」って小山田くんと話していて。そのやり取りも僕は横で見ていただけなんですけど、声が送られてきて、かわいいなって。
ゴンドウ:最初iPhoneで録って送ったら、「いいじゃん」ってなって、その後マイクで録り直しました。
高橋:LEOママの声はiPhoneで録ったものをそのまま使ってるよね?
LEO:あれはiPhoneです。
―“Luv U Tokio”の途中に入ってる声ですね。
TEI:制作途中で「せっかくだから、ゲストミュージシャンとかいれずに、できるだけメンバーだけで完結させよう」ってなったんです。僕は“Luv U Tokio”は勝手にHUMAN LEAGUE(1978年デビュー、イギリスのテクノポップグループ)の“Don't You Want Me”をイメージしてて、あの曲は男女のデュエットだから、この曲もそうしたいと思ったんですけど、まりんが……砂原Pから「メンバー以外はやめましょう」ってNGが出て。
砂原:極力身内で完結させようって(笑)。
TEI:幸宏さんもおっしゃってたように、エゴはないんで、やっぱりアイデアがどんどん変わっていくのが面白かったですね。
―予測不可能だからこそ面白いと。
LEO:僕は歌詞をこんなに書くとは思ってなかったです(笑)。
―歌詞に関しては、全体で何かイメージを共有していたのでしょうか?
LEO:それもなくて、曲ごとですね。曲を作った人からキーワード的なことを聞いたぐらい。例えば、砂原さんが作った“Whiteout”は「これは立ちくらみの曲」とか(笑)。
―誰とは明言されていないけど、対象となる女性に向けて歌っている曲が多い気がして、それがアートワークともリンクしているように感じました。
TEI:アートワークは僕の最近のアルバム(2014発売『94-14 COVERS』、2015年発売『CUTE』)にも参加してもらった五木田(智央)くんにお願いして、何曲か聴いてもらったら、幸宏さんとLEOくんのボーカルに共通してるのが、ROXY MUSICのブライアン・フェリー(1971年デビュー、イギリスのロックバンド。ボーカルのブライアン・フェリーを中心に、幾度のメンバーチェンジを経ている)だっていう話になったんです。幸宏さんもロキシー好きだと思うし、僕も昔ロキシーの中でのブライアン・イーノ(シンセサイザー、キーボードを担当。1973年に脱退)の立ち位置をリスペクトしてたんですよ。途中でバンドを抜けちゃう感じとか、僕もDeee-Liteでそうだったから。
小山田:METAFIVEからも抜けちゃうの?(笑)
TEI:いやいや(笑)。まあ、そういうことで、アートワークもロキシーっぽい感じがいいかなって。五木田くんはすごい音楽好きで、YMOに関しては僕よりマニアだし、アバンギャルドからジャズまでレンジがすごく広いんですよ。今は画家一本ですけど、もともとデザイナーとしてやってた人なので、ディレクター的な視点で、このバンドの最初のアルバムには1人の女の子の絵がいいんじゃないかと思ったみたいですね。
TEIくんは「トレンドなんかどうでもいいんじゃない?」って言ってたよね。(高橋)
―アルバムとしての明確なコンセプトはなかったとのことですが、結果的に完成したアルバムは非常に現代的で、時代性を内包した作品になっているように思います。
高橋:それは絶対あるはずです。大げさに言えば、宗教観から人生観からすべて、個人のイデオロギーは全然違うだろうけど、でもみんなのやり取りを見てると、明らかに時代との関わりを意識してるのはわかります。「時代に合わせる」ということではなくてね。それはTEIくんと話しててもそう思うし、LEOくんはLEOくんで考えてるから、ああいう詞が出てくるんだと思うし。
―“Don't Move”では「トレンドに乗っかるな」ということが歌われていますね。
LEO:書いていくうちに、そこにたどり着きました。トレンドに媚びずに、構えていようというか。
高橋:TEIくんは「トレンドなんかどうでもいいんじゃない?」って言ってたよね。
TEI:ここ2年くらい、DJとしての営業を減らしてるんですよ。今EDMが営業としては稼ぎやすいので、多くのDJがEDMをかけるけど、僕はEDMをかけたくないから。そういうマインドも影響してるかも。
LEO:最初は小山田さんのトラックが動き回ってたから、“Don't Move”ってつけると逆説的で面白いっていうアイデアだったんですけど、TEIさんと話をしてるうちにそこからアイデアが広がって、今みたいな形になったんです。
TEI:(音楽)ジャーナリストの方は自分が好きじゃないのも含めていろいろ聴いてらっしゃると思うんですけど、僕は最近好きじゃないのは聴かなくていいやと思ってきていて。
高橋:聴いていて、2曲もたないアルバムもありますからね。でも、それを悪い音楽だとは決して言えなくて、それは好き嫌いでしかない。でも、このメンバーに関しては、作ってもらった曲とか、ダビングした音に関して、「これ違うんじゃない?」っていうのが一個もなかった。
TEI:世の中で何が流行ってるのかわからなくなってきてるし、もはやわかりたくもないと思ってるんだけど、たぶんそんなにピントは外れてないんじゃないかな。日本とか世界とか関係なく、きっと新しい音になってると思う。
砂原:トレンドを気にするっていうことが、今っぽくないのかもしれないですね。そこを吹っ切ってやるのが今っぽいのかもしれなくて、結果的に、今回の作品はそういうものになったと思います。若い子がどういうことをやってるのかリサーチしたわけじゃないし、そこも自然でよくて、その方が僕には今っぽく見える。
―小山田さんはいかがですか?
小山田:うーん……何も考えてないです(笑)。
砂原:そう、意識しないのがよかったんだと思いますね。
ゴンドウ:僕もそこは昔からずっとニュートラルな感じです。ただ、ずっと聴いてたアーティストが最近出したアルバムとかを聴いて、新しいことをやってたら、自分も新しいことをやろうとかは思います。世の中とのリンクは気にしないですけど。
高橋:好きなものは好きで置いておけばいいんですよ。ただ、昔はそういうのを聴くと、「こういうのをやりたい」と思ったけど、今はもうそうじゃない。今回は曲を投げっぱなしにもしたけど、それがどうなっていくのかを横で見てるのが最高に楽しかったです。この人たちとだったら、そういう風になるだろうっていうのは思ってましたけどね。
TEI:コンセプトなしに進んでいったわりには、上手く着地できてよかったなって思ってましたけど、幸宏さんはなんとなくそれを予感してたんですね……さすがはユキP(笑)。
- リリース情報
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- METAFIVE
『META』(CD) -
2016年1月13日(水)発売
価格:3,024円(税込)
WPCL-122941. Don't Move
2. Luv U Tokio
3. Maisie's Avenue
4. Albore
5. Gravetrippin'
6. Anodyne
7. Disaster Baby
8. Radio(META Version)
9. W.G.S.F.
10. Split Spirit(META Version)
11. Whiteout
12. Threads
- METAFIVE
- イベント情報
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- 『METAFIVE “pre-METALIVE 2016 ~「META」RELEASE party”』
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2016年1月14日(木)OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
料金:5,800円(ドリンク別) - 『METAFIVE “METALIVE 2016”』
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2016年1月21日(木)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:東京都 六本木 EX THEATER ROPPONGI
料金:7,800円(ドリンク別)
- プロフィール
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- METAFIVE (めたふぁいぶ)
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高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井。それぞれが日本の音楽シーンに特別で、独特な存在を築いてきたレジェンドの集合体である、まさに夢のバンド。2014年1月に六本木EX THEATERのオープニング企画として行われた、「高橋幸宏&METAFIVE」としての一夜限りのスーパー企画として結成され、その後不定期に活動を続行。同年の『TAICOCLUB'14』『WORLD HAPPINESS 2014』『SPACE SHOWER TV 開局25周年×攻殻機動隊25周年×日本科学未来館』、2015年の『WORLD HAPPINESS 2015』『OTODAMA'15~音泉魂~』に出演。圧倒的な存在感を示し、大きな賞賛を得る。2016年1月13日、遂にオリジナルアルバム『META』をリリース。
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