実際の殺人事件を題材にした映画『凶悪』が、9月21日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。
『新潮45』編集部による犯罪ドキュメント『凶悪 ―ある死刑囚の告発』をもとにした同作は、雑誌『明朝24』編集部に届けられた死刑囚からの告発の手紙をもとに、数々の殺人事件を操っている首謀者を追う雑誌記者の姿を描いた作品。主人公の雑誌記者・藤井役を山田孝之が演じるほか、数々の殺人事件の実行犯であり、獄中から真実を明かす死刑囚の須藤役をピエール瀧、殺人事件の首謀者と目される通称「先生」こと木村役をリリー・フランキーが演じる。さらに共演者には池脇千鶴も名を連ねている。なお、メガホンをとった若松プロダクション出身の白石和彌監督は、同作が長編デビュー作となる。
同作について主演の山田孝之は、「脚本を読ませていただいたときに、是非この作品に参加したいと思いました。タイトルの通り『凶悪』な内容ですが、雑誌記者である藤井が、須藤と木村の狂気、事件の異常さに触れて変わっていくところに面白さを感じました」とコメント。
ピエール瀧は、「暴力シーンを初めて演じた時は嫌な気持ちでしたが、お芝居を重ねるうちに徐々にその気持ちが薄れていく感覚がありました。それが、暴力が持つ魔力であり、暴力の本質なのではないかと思います」と、同作のテーマのひとつである「暴力」についての考えを明かしている。
リリー・フランキーは、「劇中でピエール瀧さん演じる須藤に睨まれた時、役を越えて本当に悲しい気分になりましたが、昔からよく知っている彼との関係が、木村と須藤の関係性にも反映され、芝居によりリアリティを持たせることができたと感じています」と作品への手応えを語っている。
『凶悪』
2013年9月21日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:白石和彌
脚本:高橋泉、白石和彌
原作:新潮45編集部編『凶悪 ―ある死刑囚の告発』(新潮文庫刊)
出演:
山田孝之
ピエール瀧
池脇千鶴
リリー・フランキー
配給:日活
(画像:©2013「凶悪」製作委員会)