宮部みゆき原作のドラマ『模倣犯』が年内にテレビ東京系で放送される。
原作小説は、「劇場型犯罪」をモチーフに連続誘拐殺人事件を被害者家族、加害者家族、警察、マスコミ、犯人自身などの多角的な視点から描いたサスペンス。2002年に中居正広主演で映画化されており、今回が約14年ぶりの映像化、初のドラマ化となる。
主演を務めるのは中谷美紀。事件を追うルポライター・前畑滋子を演じる。滋子は連続誘拐殺人事件の第一発見者や被害者家族と関わりながら事件の全貌に迫る一方で、自分にこの事件のルポを書く資格があるのか苦悩するという役どころだ。
中谷は同作について「壮大なスケールのミステリーであり、人の心に届く温かい物語でもあるので、スリルも味わっていただけると同時に犯罪に巻き込まれた人々のやりきれない思いに胸を打たれるのではないでしょうか。最後には心にじんわりとあたたかく、切ないものがこみあげてくるような作品になるはずです」とコメントしている。
なお同作はテレビ東京が今年に新本社を移転することを記念した「六本木3丁目移転プロジェクト」のドラマスペシャル第1弾作品となる。
中谷美紀のコメント
宮部みゆきさんの作品に出演することは今回が初めてで、大変光栄に思っております。
十数年前に読んだ作品で、一度映画化されていますが、意外にもテレビドラマ化がまだだったと...スケールの大きな物語なので、映像化は大変だろうなと思っていました。
そこでこのお話をいただけたことを大変嬉しく思っています。
宮部さんは、人間の美しい部分も醜い部分も見事に表現されるので、読んでいて、連続殺人事件の真相をのぞき見したくなるような自分の嫌な部分を突きつけられる気がします。
虐げられた人間の心を徹底的に描いた原作が素晴らしいので、原作の世界観を大切にしつつ、松田監督はじめ、素晴らしいスタッフの皆さん、キャストの皆さんと、より豊かな物語となるように、大切に演じていきたいと思っています。
前畑滋子という役は、事件が起こったときのテレビの視聴者だったり、新聞や雑誌の読者の方々に一番目線が近い存在なのだと思います。滋子自身も、一流のライターではなくて、半ばアルバイト感覚でライターをしているのですが、一念発起して(映画化もされた)『エリン・ブロコビッチ』のように、いち主婦が何かを覆してみるというところが、視聴者の皆さんも共感しやすいキャラクターではないかと...夫と共に婚家の工場に住んでいますし、思いっきり庶民派です。そして、この作品のもっとも愛すべきところは、凄惨な事件が繰り広げられるけれど、その一方で、市井のこつこつと生きている人々の日常をものすごくいとおしく描いているところ。そんな日常の尊さをお伝えできたらいいなと思っています。
壮大なスケールのミステリーであり、人の心に届く温かい物語でもあるので、スリルも味わっていただけると同時に犯罪に巻き込まれた人々のやりきれない思いに胸を打たれるのではないでしょうか。最後には心にじんわりとあたたかく、切ないものがこみあげてくるような作品になるはずです。
ご覧になる視聴者の皆さまに、強く訴えかける極上のエンターテインメントになるのではないかと思います。ぜひご期待くださいませ。