フィオナ・タンの個展『フィオナ・タン アセント』が、7月18日から静岡・IZU PHOTO MUSEUMで開催される。
フィオナ・タンは、1966年に中国系の父とオーストラリア人の母の元にインドネシアで生まれ、現在はドイツのカッセル美術大学で教授を務める映像作家。アイデンティティー、記憶、歴史をテーマに据え、視線そのものについての問いを内包する作品を発表している。
同展では、映像と写真の2パートから構成されるインスタレーション作品『Ascent』を中心に、初公開作を含む音声作品、写真作品、ビデオインスタレーション作品を展示。同展のタイトルにもなっている『Ascent』は、富士山を被写体に一般から投稿された約4千枚の写真や、同館のコレクションを元に制作されているという。
『Ascent』で描いた世界について、タンは「雲がときに富士山の姿をその合間から現したり、またときにその姿を覆い隠したりするように、数千ものイメージが雲のように山を取り巻く」世界と語っている。なお会期中にはタンが監督したドキュメンタリー映像作品『Kingdom of Shadows』の上映会や、ギャラリートークが開催される。詳細はIZU PHOTO MUSEUMのオフィシャルサイトで確認しよう。