10月から公開される映画『彼女がその名を知らない鳥たち』の追加キャストが発表された。
『彼女がその名を知らない鳥たち』は、同居する男・陣治を嫌悪してなじり、妻子ある別の男とも関係を持つ無職の女・十和子と、15歳歳下の十和子に異様な執着を見せる陣治との関係を軸に、失踪事件を巡る疑惑を描いた作品。十和子役を蒼井優、陣治役を阿部サダヲが演じ、監督を白石和彌が務めることがこれまでにわかっていた。
今回出演が発表されたのは、自らの性欲のためだけに行動し、妻子がありながらも十和子と不倫関係になる男・水島役の松坂桃李、十和子をひどく傷つけて別れ、その8年後に失踪する元恋人・黒崎役の竹野内豊。また村川絵梨、赤堀雅秋、赤澤ムック、中嶋しゅうが共演者に名を連ねている。
松坂は自身の役柄を、「水島真と書いて、ペラペラぺラ男と読む。薄っぺらい男だと思いました」と表現しているほか、「僕は映像作品で初めての濡れ場だったのですが、相手が蒼井さんというのはとても光栄でした」とコメント。竹野内は黒崎役について「救いようのない人物でしたので、役柄に対し共感出来る要素は一つもなかったです」としながら、「救いようのない役に挑む事で、白石監督に私が救ってもらいたかったのかも知れません(笑)」と述べている。
松坂桃李のコメント
自身の役柄について
水島真と書いて、ペラペラぺラ男と読む。薄っぺらい男だと思いました。白石組初参加の感想
油断のできない現場でした。台本を読んだだけでは想像ができないことが現場で次々と襲い掛かってくる。巻き起こるんじゃなくて襲い掛かって来るんです。すごく面白い体験でした。蒼井優との初共演について
蒼井さんは「すごい」の一言。数々の作品の先頭に立って、走って、何かを残して続けてきた人のすごさを、お芝居を通して体感できました。とても貴重で有難かったです。僕は映像作品で初めての濡れ場だったのですが、相手が蒼井さんというのはとても光栄でした。竹野内豊のコメント
自身の役柄について
救いようのない人物でしたので、役柄に対し共感出来る要素は一つもなかったです。黒崎を演じるにあたり、この人は幼少期からどの様な人間関係の中で、どんな人生を辿って生きて来たのか、時折ふと思い浮かべていました。そして、初めて白石監督とお会いした時、役柄について相談した所「黒崎は最低で最高です!!」と意味不明な事を仰っていて、この人面白いなーと思いチャレンジしてみたくなったんです。救いようのない役に挑む事で、白石監督に私が救ってもらいたかったのかも知れません(笑)蒼井優との初共演について
僭越ながら、表現の場は様々な誘惑も多く、自意識過剰になって必要以上な欲をつい出したくなりがちで、私自身、大切な事を見失った苦い経験が幾度となくありました。蒼井さんは役者である前に、人として生きて行く指針をご自身の中にしっかり持っていらっしゃる方。だからこそスクリーンの中に映る蒼井さんは偽りが見えない…そう思います。近い未来で、また別の役柄を演じる蒼井さんをぜひ目の前で拝見したいです。白石和彌監督のコメント
今ノリに乗ってる松坂さんにこれ以上ない軽薄な男の役をお願いしました。とても誠実に演じて頂き、薄っぺらい男が不思議と奥深く魅力的な人間になりました。クズはクズなんですが。松坂桃李、さすがです。
竹野内さんもいつもとは真逆な男の役でしたが、これほど最低なクズが似合うとは思いませんでした。編集で何度も見ながらニヤついてしまいました。私の映画に出てくるクズなキャラクターの中でも断トツの酷い男です。それでもカッコイイ竹野内豊をスクリーンで見て頂けると嬉しいです。
- 作品情報
-
『彼女がその名を知らない鳥たち』
2017年10月から新宿バルト9ほか全国で公開監督:白石和彌 原作:沼田まほかる『彼女がその名を知らない鳥たち』(幻冬舎文庫) 出演: 蒼井優 阿部サダヲ 松坂桃李 村川絵梨 赤堀雅秋 赤澤ムック 中嶋しゅう 竹野内豊 上映時間:123分 配給:クロックワークス
Special Feature
Crossing??
CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?