コロナ禍におけるライブ市場の損失
9月30日に緊急事態宣言とまん延防止等重点措置がすべて解除された。各地域で異なるが、少しずつ行動制限が緩和され、飲酒や大人数を収容するイベントなどもふたたび開催が可能になる。
コロナ禍におけるライブ市場の損失は大きく、9月27日にぴあ総研から発表された見通しによると早ければ2023年にコロナ禍前の水準に戻る可能性があるという。
同発表によると、2020年のライブエンターテイメント市場規模は、前年比82.4%減の1,106億円。ここ数年、盛り上がりを見せていた市場だけに、落ち幅が目立った。2021年は回復の兆しが見られるものの、低空飛行が続くと分析している。
フェス市場に絞ると状況はもっと悪い。2020年の音楽ポップスフェス市場規模は、前年比97.9%減の6.9億円へと激減。動員数も、9.3万人(前年比96.8%減)と大きく落ち込んだという。
2021年になって、『FUJI ROCK FESTIVAL』や『SUPERSONIC』などが復活を遂げたが、中止となったフェスも多い。一部のフェスではモラルが問われる事態も発生し、感染者を出す結果となったものもあった。
そんななか、9月30日に解除された緊急事態宣言。東京都では10月1日以降、イベントに関して最大10,000人の収容が認められるようになり、大声での歓声、声援等がないことを前提としたイベントに関しては収容定員100%以内での開催が認められる。
この発表に合わせて9月28日には、東京都から新しくイベントガイドラインが公開され、それによると観客の常時マスクの着用や40%以上の湿度の維持を推奨など、細やかな感染防止策が提示されている。
また、スポーツ観戦を中心に実証実験も各地で行なわれる予定で、その結果次第ではさらなる行動制限の緩和も期待できる。
ニューヨーク、ミラノ、パリ、ロンドンなど海外の状況は?
ひと足先に行動制限が緩和されたロンドンでは、7月19日にナイトクラブが営業を再開。制限が解除された午前0時にはクラブの前で歓声がわいた。
ニューヨークでは9月14日から人数制限を設けないかたちでブロードウェイの公演が再開した。昨年3月から一斉休演していた劇場の幕がふたたび上がった。
また、9月8日からは『ニューヨークファッションウィーク』も盛り上がりを見せ、その後ミラノ、パリでも有観客でのランウェイが復活した。
日常が復活するなか、変異株によってふたたび感染が拡大する可能性はゼロではない。そのリスクに備え、2022年2月に開催予定の『北京オリンピック』は、中国本土の居住者に限定してチケットを販売することが決定したばかりだ。有観客で開催するとはいえ、海外からの観客は受け入れないという。
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