映画やドラマなどの撮影現場で、露出や身体的接触を伴うシーンを安全に撮影するために役者・監督のあいだで調整を務めるインティマシー・コーディネーター。近年映画業界などで注目が集まる職種だが、アメリカの労働組合SAG-AFTRA理事会は、インティマシー・コーディネーターを同組合加入の対象とする方針を全会一致で決議した。
インティマシー・コーディネーターは、「#MeToo」運動をきっかけにアメリカで広がった職種だ。性的描写を伴うシーンの撮影を安全に撮影するために俳優のサポートを務め、2018年にHBOが性的シーンがあるすべての番組にインティマシー・コーディネーターを導入することを発表(*1)。
日本でも2021年4月にNetflixで配信された水原希子、さとうほなみ出演の『彼女』でインティマシー・コーディネーターが起用され、大きな注目を集めた(*2)。
7月23日に行なわれたSAG-AFTRA理事会のビデオ会議では、インティマシー・コーディネーターを組合の会員資格の承認対象とする方針が全会一致で決まったという。
同組合会長のフラン・ドレシャー氏は、「インティマシー・コーディネーターの役割は、性的なシーンが必要とされる撮影現場を健全化し、安全性を大幅に向上させる」とコメント。「インティマシー・コーディネーターの価値は計り知れず、すでに理事会はSAG-AFTRAの会員に迎え入れ、ほかの会員が享受している保障を受けられるように取り組んでいます」と補足した。
なお同組合は6月から、実務経験が60日以上あるなどの審査基準を満たしたインティマシー・コーディネーターの登録を受け付けており、リストを公開している。
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