ピクシブ、「ハラスメント撲滅宣言」を発表。トランスジェンダー女性の社員が5月に提訴

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」を運営するピクシブは8月29日、「ハラスメント撲滅宣言」を出し、社内でのハラスメントをなくすための方針や取り組みを発表した。同社をめぐっては、5月にトランスジェンダーの女性社員が男性上司から性自認に関するハラスメントやセクハラを受けたとして損害賠償を求める訴訟を起こしており、同社は事実を認めたうえで謝罪していた。

「ハラスメント撲滅宣言」、どんな内容なのか

同社は声明で、「安心して働くことのできる健全な職場環境を守るため『ハラスメントの撲滅』を会社として真剣に取り組んでいくことを宣言します」と表明。

「職場におけるハラスメントは、個人の人格や尊厳を傷つけるとともに、個人の能力の発揮を妨げ、また、会社にとっても職場全体の秩序や業務の遂行を阻害し、社会からの信頼をも失う重大な問題であると捉えます」とつづり、職場環境を改善していくことを強調した。

ハラスメントを撲滅するための取り組みとして、具体的には、ハラスメント行為に対する処分の厳格化や、相談窓口の充実化、ハラスメント行為があった場合に昇進・昇格、昇給などの人事評価に反映される仕組みの明確化のほか、ハラスメント防止に関する取り組みの周知徹底や研修の実施などを挙げている。

また、全社でダイバーシティ&インクルージョンを推進するとして、同日「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」も発表している。

ピクシブをめぐっては、2022年5月、同社に勤める社員が上司から「ハラスメントを受けた」として同社を提訴した。原告は男性として出生し、現在は女性として社会生活を送るトランスジェンダーの社員で、「NHKニュース」によると、女性は男性上司から性自認に関する「SOGIハラスメント」(※)やセクシュアルハラスメントを受けたと主張。男性上司とピクシブに対し、あわせて慰謝料約555万円の賠償を求めている。

ピクシブは従業員によるハラスメント行為があったことを事実と認め、謝罪していた。

(※)恋愛感情や性的な関心がどの性別に向いているか、向いていないかという「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう認識しているかという「性自認(Gender Identity)」へのハラスメントのこと。



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