メイン画像:2022年「今年の漢字(R)」第1位「戦」主催・写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会
「今年の漢字(R)」が本日12月12日「漢字の日」に発表された。
日本漢字能力検定協会は、漢字の奥深さと意義を再認識するための活動の一環として、毎年年末に今年1年の世相を表す漢字一字とその理由を全国から募集。最も応募数の多かった漢字を、京都・清水寺の森清範貫主の揮毫により発表し、奉納の儀式を行なっている。
今年は11月1日から12月5日までの期間、2022年の世相を表す漢字一字とその理由を全国から募集。223,768票(※昨年2021年は223,773票)の応募があり、「戦」が10,804票(4.83%)を集めて、2001年以来2度目の第1位となった。
戦(セン/いくさ・たたかう・おののく・そよぐ)
意味
①たたかう。たたかい。(ア)いくさ。「戦争」「戦闘」(イ)試合。競争。「舌戦」「熱戦」
②おそれおののく。ふるえる。そよぐ。「戦慄(センリツ)」
((公財)日本漢字能力検定協会発行『漢検 漢字辞典 第二版』・Webサイト「漢字ペディア(R)」より)
ロシアによるウクライナ侵攻や、安倍元首相銃撃事件、円安や物価高の影響など、多くの人に不安を与えた出来事により、1位「戦」、2位「安」に多くの票が集まり、上位もそれに関連する「高」「争」「命」「悲」などの漢字が並んだ。過去2年と比べるとコロナ禍を象徴する漢字は減少し、「楽」「幸」「旅」といった漢字もランクインした。
応募者が「戦」を選んだ理由の概要
◆ウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などにより「戦」争を意識した年
2月から現在まで続く、ロシアによるウクライナへの侵攻は、世界に大きな衝撃を与えた。さらに北朝鮮による相次ぐミサイル発射などにより、多くの人が「戦」争への恐怖や不安を感じた。
◆円安・物価高・電力不足や感染症など、生活の中で起きている身近な「戦」い
記録的な円安、原油などの価格も高騰。それに伴った急激な物価高や電力不足との「戦」いを、多くの人が日々の生活の中で体感した。また、新型コロナウイルスとの「戦」いも、今なお続いている。
◆サッカーW杯や北京冬季五輪での熱「戦」、野球界での記録への挑「戦」に関心が集まる
サッカーワールドカップでは日本代表が強豪国を撃破。北京五輪では、冬季歴代最多の18個のメダルを獲得するなど、世界的な大会で熱「戦」が繰り広げられ、日本中が沸いた。野球界では、村上宗隆選手の日本人最多本塁打や、佐々木朗希投手の最年少完全試合、大谷翔平選手の2桁勝利2桁本塁打など、記録への挑「戦」も注目を浴びた。
2022年「今年の漢字(R)」トップ20
1位「戦」(セン/いくさ・たたかう・おののく・そよぐ)10,804票(4.83%)
2位「安」(アン/やすい・やすんじる・いずくんぞ)10,616票(4.74%)
3位「楽」(ガク・ラク・ゴウ・ギョウ/たのしい・たのしむ・かなでる・このむ)7,999票(3.57%)
4位「高」(コウ/たかい・たか・たかまる・たかめる)3,779票(1.69%)
5位「争」(ソウ/あらそう・いさめる)3,661票(1.64%)
6位「命」(メイ・ミョウ/いのち・おおせ・みこと)3,512票(1.57%)
7位「悲」(ヒ/かなしい・かなしむ)3,465票(1.55%)
8位「新」(シン/あたらしい・あらた・にい・さら)3,070票(1.37%)
9位「変」(ヘン/かわる・かえる)3,026票(1.35%)
10位「和」(ワ・オ・カ/やわらぐ・やわらげる・なごむ・なごやか・なぐ・あえる)2,751票(1.23%)
11位「円」(エン/まるい・まどか・つぶらか・まろやか)2,739票(1.22%)
12位「幸」(コウ/さいわい・さち・しあわせ・みゆき)2,410票(1.08%)
13位「勝」(ショウ/かつ・まさる・すぐれる・たえる)2,394票(1.07%)
14位「平」(ヘイ・ビョウ・ヒョウ/たいら・ひら)2,275票(1.02%)
15位「壺」(コ/つぼ)2,262票(1.01%)
16位「二」(二・ジ/ふた・ふたつ)2,236票(1.00%)
17位「金」(キン・コン/かね・かな・こがね)2,021票(0.90%)
18位「乱」(ラン・ロン/みだれる・みだす・みだりに)1,969票(0.88%)
19位「死」(シ/しぬ)1,923票(0.86%)
20位「旅」(リョ・ロ/たび・いくさ)1,787票(0.80%)
揮毫により発表された「今年の漢字」第1位の「戦」は12月21日18:00まで清水寺本堂に展示。12月22日から京都の漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)1階正面に展示される。
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