『夜明けのすべて』©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
映画『夜明けのすべて』が2024年2月に公開される。
原作は『そして、バトンは渡された』で『2019年本屋大賞』を受賞した瀬尾まいこの同名小説。月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗と、パニック障害を患い、様々なことをあきらめて生きがいも気力も失っている同僚・山添孝俊が、遠慮のない素の自分で関わり合うことで、少しずつ希望を見出していく姿を描く。16ミリフィルムで撮影。
パニック障害を患ったことで人生が一変し、電車や美容室など逃げ場がない場所に行けなくなってしまった山添孝俊役に松村北斗(SixTONES)、山添孝俊の小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう藤沢美紗役に上白石萌音がキャスティング。NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた2人がダブル主演を務める。
2人の起用理由について井上竜太プロデューサーは「山添くんは一見クールで繊細、心根は優しいキャラクターで、まさに松村さんだと思いお願いしました。藤沢さんを演じた上白石さんは、原作の優しい世界を体現出来る人。ご本人も原作の大ファンで快諾頂きました。お二人とも原作小説から抜け出したかの様にリアルに魅力的に演じてくれました」とコメント。
監督は『ケイコ 目を澄ませて』が『第72回ベルリン国際映画祭』など21の映画祭に出品された三宅唱。和田清人と共に脚本を手掛ける。配給はバンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース。
【松村北斗(SixTONES)のコメント】
実はお話をいただいたのは結構前だったので、やっと動きだした今、とても嬉しく思っています。まず原作を読ませていただいた時に、素敵な物語と文章の面白さであっという間に読み終えてしまったのですが、脚本では新たな要素が加わり、でも本作の持つ温かさはもちろん変わらずにそこにあって、改めてすごい脚本だなと感じながら演じました。そして今回、藤沢さんを演じられた上白石さんとは再共演となります。山添くんと藤沢さんは、形容しがたい特別な関係性で難しい部分もありましたが、上白石さん演じる藤沢さんの存在があったからこそ、とても自然に山添くんの日常に溶け込むことができました。三宅監督とは沢山会話させていただいたことが印象に残っています。とても心地の良い距離感で接して下さるので、毎日現場に行って撮影するのが本当に楽しみで撮影が終わる時は寂しい気持ちでいっぱいでした。未来に希望が持てるような作品をお届けしたいと思いますので楽しみにしていてください。
【上白石萌音のコメント】
「夜明けのすべて」は元から大好きな小説でしたが、撮影現場は小説がそのまま現実になったかのような空気感でした。三宅監督の深く心強い全方位への愛、松村さんの悔しいくらい素敵なお芝居、隅々までこだわり抜かれた現場。これ以上ないほど贅沢な環境で、緻密な会話を重ねながら藤沢さんを演じた日々でした。できることならタイムスリップしたいくらいです。公開を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。
【三宅唱監督のコメント】
この場を借りて、かけがえのない小説の映画化を許可していただいた瀬尾まいこさんに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。撮影現場では、山添くんと藤沢さんを演じる二人の真摯な姿から、生きることの切なさや可笑しさやまだ言葉にならないものを受け取り、いつしか気持ちのいいエネルギーまでもらいました。それらは必ずや映画館のスクリーンを通して多くの方にも伝わるはずだと信じています。幅広い年代の、ユニークという言葉には収まらない役者たちとともに、またタフで軽やかなスタッフたちとともに、真剣に悩みながら、時にはなんとか笑いを堪えながら、この時代に新たな挑戦ができたことを光栄に思います。この物語を必要としているはずのさまざまな方たちに届けられるよう、スタッフ一同、完成に向けて大切に進めていきます。
【瀬尾まいこのコメント】
数年前突然パニック障害になり、楽しみが不安に変わる日々がやってきました。うまくいかないことが多い中、それでも、助けてくれる誰かがいて、明日を待ち遠しく感じることができています。
「夜明けのすべて」は、そんな中できあがった作品で、楽しんで書いている普段とは違い、ゆっくりと立ち止まりながらも書き進めていった物語です。
映画化され、物語の世界に触れられることをうれしく思います。また、見ていただいた方にとってほのかな光がちりばめられた温かいものになればいいなと楽しみです。
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