神宮外苑再開発の見直しを亡くなる直前まで訴えていた坂本龍一の意志を引き継ぎ、アーティストらが4月22日午後、聖徳記念絵画館前の西側通路でデモを行なう。坂本龍一やGotch(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、永井玲衣(哲学研究者)が中心となって、過去と向き合い未来を志向するムーブメントとして始動したプロジェクト「D2021」が主催。
坂本は亡くなる1か月前、東京都の小池百合子知事に手紙を送り、大量の樹木を伐採する神宮外苑の再開発計画を中断するよう求めていた。NHKによると、新宿区内だけで、低木も含めて約3000本の木が伐採の対象となるという。
D2021はステートメントで、「ひとりの人間として社会に対し発信を続けた坂本龍一さんの生き方に、私『たち』もひとりの人間として、意志を引き継ぎます」とコメント。「坂本さんの死をもって集まることに、抵抗がないといえば嘘になります。でも何もしないで終わることを彼が望まないことも知っています。天国から『何かしないの?』と急かされている気もします」と綴ったうえで、「社会に対する憂いと愛を持って、彼の姿勢と意志に連なるように、神宮外苑の伐採が予定される樹々の前に集まりましょう」と呼びかけている。
デモは4月22日(土)16:00〜20:00にかけて実施。当日は以下のアーティストらがアピールを行なうという。
後藤正文
マヒトゥ・ザ・ピーポー
篠田ミル + 大井一彌
寺尾紗穂
The Sacred Murmurs (ermhoi & Utena Kobayashi)
butaji
蓮沼執太
いとうせいこう(メッセージ代読)
U-zhaan
COMPUMA
eri
永井玲衣
ロッシェル・カップ
楠本夏花(学生団体Amamo代表)
金平茂紀
and more…
「Demonstration with Ryuichi Sakamoto」ステートメント全文
ひとりの人間として社会に対し発信を続けた坂本龍一さんの生き方に、私「たち」もひとりの人間として、意志を引き継ぎます。
「D2021」は、まだ見ぬ理想の社会とは何かを考え、坂本さんと共に行動してきました。一緒にやってきて気がついたことは、有名なひとりが発信しても、有名/無名の隔たりない「みんな」で課題を引き受けなければ社会が変わることは決してないということです。
坂本さんは亡くなる1ヶ月前に、神宮外苑の樹々を伐採しないで欲しいという趣旨の手紙を東京都知事、新宿区長、港区 長、文部科学相、文化庁に宛てて書きました。「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません。これらの樹々はどんな人にも恩恵をもたらしますが、開発によって恩恵を得るのは一握りの富裕層にしかすぎません」と。
坂本さんの死をもって集まることに、抵抗がないといえば嘘になります。でも何もしないで終わることを彼が望まないことも知っています。天国から「何かしないの?」と急かされている気もします。
社会に対する憂いと愛を持って、彼の姿勢と意志に連なるように、神宮外苑の伐採が予定される樹々の前に集まりましょう。
続けます。繋げます。
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