三上博史の約8年ぶり舞台、寺山修司作品の心髄を紐解く『三上博史 歌劇』が来年1月開催

『三上博史 歌劇 ―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―』が来年1月9日から14日まで東京・新宿の紀伊國屋ホールで開催される。

三上博史にとって約8年ぶりの舞台となる同公演は寺山修司没後40年を記念したもの。寺山監督の映画『草迷宮』で俳優デビューし、寺山から大きな影響を受けてきた三上博史が、演劇実験室◉万有引力とタッグを組み、ゆかりの紀伊國屋ホールで公演を行なう。

演出はJ・A・シーザー、上演台本に高田恵篤、寺山偏陸。生前の寺山と協働した人々を迎え、寺山作品の膨大なテキストからその心髄を紐解く。生演奏を務めるのは横山英規(Ba)、エミ・エレオノーラ(Pf)、近田潔人(Gt)、ASA-CHANG(Dr)。歌や詩の朗読のほか演劇シーンを盛り込み、『レミング-壁抜け男』の影山影子役をはじめ、寺山作品の多種多様な登場人物を三上が早替わりで演じ分ける。

サブタイトル「私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない」は、寺山の自伝的映画『田園に死す』の主人公のセリフに由来。チケット発売は11月を予定している。

【三上博史のコメント】
寺山さんは僕が育っていくことのすべての種になっていた方です。その種は15歳で出会ったときに植え付けられていて、寺山さんの呪いがかかっているものでした。どんなことにチャレンジしても、どこかで寺山修司や天井桟敷に辿り着いてしまうんです。親離れする、乗り越えていくと思っても、やっぱり影響のある人に辿り着いてしまう。結局はお釈迦様の手のひらの上なんですよ。寺山さんの呪縛は一生ついて回るんでしょうかね、嫌だな(笑)。
この舞台は、寺山修司記念館で続けてきたライブ、一方で地方の民話や古事記を朗読してきた僕自身の活動の流れの上にありますが、会場が、『レミング-壁抜け男』という天井桟敷が最後の公演をしたのが紀伊國屋ホールで、僕の中では大事な思い出の場所であり、敷居が高い劇場でもあります。そこで僕ができることを考えるとやっぱり演劇なのかなと思ったんです。でもライブは外せない。その合わせ技で『三上博史 歌劇』となりました。そして公演のサブタイトルは本当にいい寺山さんの言葉で、俳優として、一人の虚像として生きてきた僕にピッタリだと思っています。そんな僕の中の要素を総動員してお届けするものになるのは間違いありません。寺山さんのテキストで構成されることは決まっていて、誰も見たことのないものを目指します。比較されたり分析されても仕方のないものなので、肌感覚でガツンと楽しんでもらいたいですし、できるだけ先入観なく見てもらえたらと思っています。

『三上博史 歌劇』公式サイト|寺山修司没後40年記念公演


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