ジュリア・ブライアン=ウィルソンの著書『アートワーカーズ 制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』が3月26日に刊行される。
同書は、ベトナム反戦運動、フェミニズム運動、ブラックパワー運動、ゲイ解放運動、大規模なストライキなど、政治的・社会的な運動が巻き起こった1960年代から70年代のアメリカで自らを「芸術労働者(アートワーカー)」と定義することでアクションを起こしたアーティスト、批評家たちの試みの実相を描きながら、今日的意義を問い直すもの。
ミニマルな作品によって「水平化」を目論んだカール・アンドレ、ブルーカラー労働者との同一化を夢想したロバート・モリス、批評や小説の執筆、キュレーションという「労働」を通してフェミニズムに接近したルーシー・リパード、情報を提示する作品によって制度批判を行なったハンス・ハーケの作品や活動を掘り下げるケーススタディから、アートワーカーたちによる社会への関与の実相を明らかにする。
日本語版では読者に現代の問題として議論してもらえるきっかけとなるよう、各章に専門家による解題が追加されている。訳は高橋沙也葉、長谷川新、松本理沙、武澤里映。
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