吉沢亮が稀代の女方歌舞伎役者を演じる。吉田修一×李相日監督『国宝』2025年公開

李相日監督の映画『国宝』が2025年に公開される。

原作は吉田修一が2017年から朝日新聞にて連載した同名長編小説。戦後から高度経済成長期の日本を舞台に、任侠の家に生まれた喜久雄が数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引きとられ、激動の人生の中でやがて稀代の女方歌舞伎役者としての才能を開花させていくさまを描く。李監督が吉田の原作に取り組むのは『悪人』『怒り』に続いて3作目。

喜久雄役を演じるのは吉沢亮。脚本は奥寺佐渡子が務める。

これまで踊りの経験がなかった吉沢はまずはまっすぐ歩くことから始め、すり足で歩く、正座の仕方、扇子の持ち方、取り方など基本動作からスタート。稽古初日はまっすぐ歩くことだけで終わったという。撮影は今月スタートし、6月にクランクアップ予定。

【吉田修一のコメント】
「悪人」「怒り」、そして「国宝」へ。
夢が叶う。三たび、信頼する李相日監督に自作を預けられる喜びにあふれている。
そしてもう一つ、夢が叶う。「国宝」執筆中も書き終えてからも、ずっとあることを夢見ていた。無理は承知ながら、この稀代の女方・立花喜久雄の舞台を一度でいいからこの目で見てみたいと。
その夢が叶う。吉沢亮という稀代の役者を迎えて。

【李相日監督のコメント】
芸に身を捧げ、人生を翻弄される多彩な登場人物たちが織りなす豪華絢爛な歌舞伎の世界観。吉田さん渾身の作品を担う重圧に慄えが止まりません。小説刊行からの構想6年。言い換えれば、“覚悟“に要した年月です。決め手は、吉沢亮の存在。美しさと虚しさを併せ持つ妖艶なその存在感。役者として着実に成長し進化を遂げた今、まさに機が熟した宿命の出会いです。数多ある困難を超えた先に拡がる未知の世界に、関係者一同胸昂る思いです。

【吉沢亮のコメント】
吉田修一先生×李相日監督の3作目。
『悪人』ではただただ視聴者として感嘆し、『怒り』ではオーディションの参加者として、何も出来なかった自分への苛立ち、完成を観てのどうしようも無い昂まりと悔しさ。
そして『国宝』では当事者としてなにを思うのでしょう。
稀代の女方を演じると言う、途方もない挑戦ではございますが、その挑戦の先に見える景色が何よりも美しいものである事を信じて。日々精進です。



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