松村雄策の著作『ハウリングの音が聴こえる』が3月22日に刊行される。
同書は2022年3月に亡くなった『ロッキング・オン』創刊メンバー松村雄策が文芸誌『小説すばる』の2014年4月号から2018年3月号まで、約4年にわたって連載したエッセイ全44回を1冊にしたもの。
中年の健康管理、減量方法についての述懐に始まり、現在も過酷なステージングをこなすミック・ジャガーへと話が移る「我らはヘルス・エンジェルス(HEALTH ANGELS)」や、2015年末にヤクルトスワローズの奮闘とリーグ優勝を振り返りながら、ジョン・レノンが凶弾に倒れた1980年12月8日への回顧が始まる「三十五年目の十二月八日(上)」が収録される。編集は米田郷之(ストランド・ブックス)、装丁は渡辺光子、装画は市村ゆりが担当。
【米田郷之(ストランド・ブックス)のコメント】
松村雄策という人は、自分で論理を積み重ねながら、対象の核をぐっとつかんで表現するのがとてもうまい書き手です。
この連載でもそれは十二分に発揮され、冒頭からいつものように(?)ゆるゆるっと引き込まれて読み進めるうちにそのミュージシャンの本質が端的に表現されていく後半へと移り、読み終えて唸る――この繰り返しでした。
松村さんはこれまで多くのミュージシャンと作品を扱ってきました。この連載でも、もちろん独特の手グセというか松村雄策的表現というのが散見されますが、媒体が音楽専門誌ではないことを意識してか、一般の読者向けにもわかりやすくミュージシャンを、音楽を、曲を、そして松村さん自身を伝えようと配慮しているように感じられます。
(巻末収録「本書について 松村雄策の十一冊目」より)
【大槻ケンヂのコメント】
心に沁みました。
世代が違ってもロック好きの通る道はきっとみんな同じなのだろうなぁ、と。
その晩年の一つに、音楽が寄り添って、なんだろう、自分に照らし合わせて読んでしまう。何度も。
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