NHK土曜ドラマ『パーセント』の新キャスト、主題歌が発表された。
同作は「障害のある俳優を起用する」という局の方針に悩むローカルテレビ局「Pテレ」の若手プロデューサー・未来と、未来と出会いドラマ出演に挑戦する車椅子の高校生・ハルが、性別や障害で語られる自らの「価値」に悩み、傷つきながらも互いの存在に力をもらって前に進んでいく姿を描いた作品。未来役を伊藤万理華、ハル役を東京2020パラリンピック開会式の「片翼の小さな飛行機」役として主役を務めた和合由依が演じる。5月11日9:25からBSP4K、22:00から総合で放送。
新キャストは岡山天音、結木滉星、山中崇、小松利昌、橋本さとし、水野美紀、菊池亜希子、山下桐里、菅生新樹、余貴美子、河合美智子、水口ミライ、成木冬威。
岡山が演じるのは未来を支える恋人の町田龍太郎役。未来のドラマ制作に関わるPテレ局員の面々として、結木が蘆田孝雄役、山中が植草秀樹役、小松が羽座丘卓役、橋本が藤谷光彦役、水野が長谷部由美役にキャスティングされたほか、ハルの母親・宮島さくら役で菊池、ハルの幼なじみ・加藤珠役で山下、人気俳優の小早川新太郎役で菅生、大御所脚本家の宇佐美のどか役で余、ハルが所属する劇団Sのメンバーとして野々村輝子役で河合、河上由里子役で水口、高木圭介役で成木が出演する。水口と成木はオーディションにより選出。
主題歌はインナージャーニーの“きらめき”。ボーカルのカモシタサラが作詞と作曲を担当した。
【岡山天音のコメント】
今作を経て、人と対面することの困難と、その後に射すまぶしい光を垣間見た気がします。伊藤さんの作品に対する熱のこもった愚直さや、和合さんから発せられる華やかなエネルギーにも多くを学ばせていただきました。そしてプロデューサーの南野さんを始め、スタッフの皆様の作品に対する想いと愛情に包まれた現場でした。
絶え間なく流動していくそれぞれの人間模様が、視聴者の皆様と響き合ってくれる日を心待ちにしています。
【結木滉星のコメント】
今回の「パーセント」というドラマは本当にチャレンジングな企画でドラマの内容のような事が常に現場では起こっていて、ノンフィクションの要素が沢山詰まっていると思います。蘆田は吉澤に対しての嫉妬だったり自分自身のプライドだったり常に細かく感情が動いていて、そういう部分もよりリアルに演じることが出来たと思っています。健常者だから、障害者だから、ではなく人と人がぶつかることの大変さ大切さ、何よりぶつかることを諦めないことの素晴らしさをこのドラマを通して伝えられたらなと思っています。
より沢山の人に届きますように。是非「パーセント」ご覧ください。
【山中崇のコメント】
『共に生きる』ということについての新しい基準を見つけていく作品です。
いつか振り返る時、この作品がはじまりだった。そう思えるような気がします。ご覧いただけたら嬉しいです。
【小松利昌のコメント】
日常の景色が変わった。見えていなかったものが、いや、見ようともしていなかったものが、すぐ身近にある事に気付かされた撮影期間であった。この作品のような創(つく)り方がもっとスタンダードになっていけたなら、僕たちの創作物はもっと、純度の高いものになり得ると思う。回を追うごとに少しずつ、私の役(羽座丘)の思考がアップデートされていく。役としても俳優としても、視界を広げることが出来たと思う。
自分の今の考えと向き合いながら視聴出来るドラマです。一緒に体験しましょう。
【橋本さとしのコメント】
まずこの画期的なドラマに参加させていただいた事を嬉しく思います。私たちが視聴するドラマの裏にはドラマがあります。作品を企画する、キャスティングをする、様々な段階を経て多くの人に視聴していただける。
そこには単に数字を取る事だけが目的ではなく、何らかのテーマや主張がなくてはならない厳しい選択があると思います。このドラマでは偏見を超えたものづくりに励む人々が奮闘し、壁を乗り越えた所に未来があると教えてくれます。現場ではスタッフ陣と演者が物語とリンクして作品をリアルに仕上げていました。
どのように仕上がっているのか、私も視聴するのが楽しみでなりません。
【水野美紀のコメント】
「多様性」が叫ばれる時代、そこに真っ向から向き合うドラマです。このドラマの企画を通した若きプロデューサーの熱意と誠意が、そのままストーリーにふんだんに盛り込まれ、リアルに伝わって来ます。私は主人公である若きプロデューサーの前に立ちはだかる壁。上司の編成部長を演じます。ドラマ作りの現場のリアルがそこにはあります。今、向き合うべきテーマと、お仕事モノとしての面白さを、ぜひ受け取っていただきたいです。そして、障害者(この呼び方を含め)の方々と共生できるテレビの未来、社会のより良い未来を考えるきっかけになればと願っております。
【菊池亜希子のコメント】
ドラマでありながら限りなくドキュメンタリーのような作品だと、撮影中ずっと思っていました。和気あいあいな現場でありつつも、関わる人みんなが考え続けている雰囲気がありました。“障害”という名の目に見えない障壁を前にしたときの葛藤や気付き、後悔、喜びが、現在進行形で描かれていて、その物語はドラマが最終回を迎えた後も続いていく。世の中には目に見えない枠組みや境界線がいっぱいあって、私たち自身その窮屈なフレームの中にいることに慣れているなと感じることが多々ありますが、そういうものを取っ払い、お互いに光を当て合えるような関係を築けるって素敵だなと、ハルと未来を見つめながらそんなことを考えていました。
ハルの母を演じる中で、役をこえて、由依ちゃんとそのお母さんと友達になれたことが嬉しかったです。
【山下桐里のコメント】
自分も相手も、そのまま受け入れる。言葉にするのは簡単ですが、実際におこなうことは難しいと思います。でも、それを自然とできてしまうのが珠でした。そんな珠と私の考え方の違いから、珠を演じる中で葛藤や不安もありましたが、温かい現場の皆さんや、珠の素直な言葉に支えられて、最後にはそんな葛藤する自分も含めた「私」を認めてあげられた気がします。「パーセント」が、自分にも相手にも今より少し温かい気持ちになれる、そんなきっかけになることを願っています。
【菅生新樹のコメント】
対"人"として心と心で向かい合うことができたら、障害のあるなし分け隔てなく、優しい世の中になれるんだろうなと思いました。僕の演じる小早川は障害者に対して壁を感じていた人物で、ハルちゃんと接していく上で様々なことに気づき成長していく1人です。そのハルを演じた和合由依ちゃんは今作が初めてのドラマ撮影と思えないほどパワフルでかつ素直で、とても刺激的でした。その上どっしりとした存在感もあり、そのお陰でこのドラマのテーマ性を理解し、小早川と向き合うことができたと思っています。
様々な視点から楽しめる作品だと思いますので、是非ご覧ください!
【余貴美子のコメント】
私は宇佐美という、売れっ子脚本家のお役です。古くさいとかあれやこれや言われながらの産みの苦しみ。実人生では作家になれそうもない。
結局、物語を作るという事は、多様性を知るために外に出て沢山の人に出会う事でしか何かに気づく事もないし、人の思いに対して想像力も持てない。主人公の未来のように、人と関わる事でしか意識改革はできないかもしれませんね。「パーセント」で初めて、アファーマティブアクションという言葉を知りました。
【河合美智子のコメント】
久しぶりのNHK大阪で、また「輝子さん」を演じさせてもらっています。今回の役は、劇団Sの創立メンバーで劇団員たちの母親的存在。「締めるところは締めつつ、心優しく包み込む」というイメージで撮影に臨みました。
私は2016年に発症した脳出血の後遺症で右片麻痺があります。今回このドラマに参加させてもらって、障害は何も特別なことではなく、お互いほんの少しの思いやりがあれば分かり合えることなのだと強く感じました。
【水口ミライのコメント】
2024年、昔と比べてマイノリティの声が届きやすい社会になってきていると感じます。ですがその裏には、当事者たちの見えない本音がたくさんあります。「パーセント」は今までのドラマにはない、様々な障害当事者の声が込められた作品だと思います。私は河上由里子を演じさせていただく中で、「言語の孤独」を強く感じました。由里子は手話が第一言語です。社会の第一言語(発話)と自身の第一言語が異なることで、伝えたいことが上手く伝わらない、伝えられないというのが現実です。そんなモヤモヤした気持ちを抱えながらも、夢を追いかけ聴者と共生していく「葛藤」や「挑戦」を、皆さんに伝えたいと思いながら演じました。
是非、そんな部分にも注目していただけると嬉しいです。
【成木冬威のコメント】
この度、色々な人の支えのおかげで「パーセント」に高木圭介役として出演させていただきました。曲がったことが許せない芯の部分が僕と似ている高木という重要な役を頂き、支えてくれた一人一人に本当に感謝しかありません。高木は、信念と自尊心を高く持つ、繊細な男なのですが、劇団S、そしてハルとの関係性の変化の中でどのように成長していくのかを見ていただけたら嬉しく思います。素敵な演者・スタッフの皆さんに恵まれ、視聴者さんの人生の大切な時間にこのドラマを、胸を張って勧められる僕の人生においても大きな作品となりました。
【カモシタサラ(インナージャーニー)のコメント】
主人公 未来ちゃんの想像力(イメージ)をもって、"障害があるから"とか、"女性だから"という社会の枠(フレーム)に囚われることなく、もがきながらも何度も挑戦してほしいという願いを込めました。
また、すれ違いながらも、ただひとり光っている君のことを見つけたい!という想いから"きらめき"というタイトルをつけました。
数字や肩書きより大切なものに気づかせてくれた素晴らしいドラマ。
今からとても楽しみです。
【大嶋慧介(演出)のコメント】
「こうあるべき」という価値観は私たちを苦しめてきます。また「自分らしくあればいい」と言われつつも、自分だけでなく他者の「その人らしさ」を認めるのって難しいな、と感じます。考え方が違えば特にです。このドラマに出てくる人々は、それぞれが抱える「べき」に対してもがき続けます。みんなバラバラです。でも、人と人はそれだけじゃないと信じたい。番組を観てくださる方が、心を寄せられる登場人物を一人でも見つけて結末まで見届けてほしいな、と願っています。
【南野彩子プロデューサーのコメント】
パーセントは、テレビ局で働く制作者や俳優たちが「多様な社会の中で、表現すること」に向き合う物語です。すべての出演者が、物語と地続きである「表現の世界に生きる当事者」だからこそ、熱い思いを持ってテーマと真摯に向き合い、物語に命を吹き込んでくださいました。
主人公の未来(みく)は、未熟で失敗も多く、テレビマンとしては発展途上な人物です。でも様々な人との出会いが、彼女の宝物になります。魅力的なキャストの皆さんによる素敵なコラボレーションの中で、未来が歩み続ける「軌跡」と「出会い」をお楽しみいただければ幸いです。また、そんな人と人との出会いの尊さがぎゅっと詰まっているのが、インナージャーニーさんがこのドラマのために書き下ろしてくださった主題歌『きらめき』です。タイトルの通り、心がきらきらとした思いでいっぱいになる曲です。物語と合わせて、誰かの心に届くことを祈ります。
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