展覧会『石川九楊大全』が6月8日から上野の森美術館で開催される。
同展は現代における書の美を追究し、言葉と格闘し続けてきた石川九楊の大規模展覧会。石川の書作品2000点から選ばれた300点余を前期・後期ですべて掛け替えて展示する。
6月8日から始まる「前期【古典篇】遠くまで行くんだ」では、『歎異抄』『源氏物語』『李賀詩』『徒然草』『方丈記』『良寛詩』など日本と中国の古典文学を題材にした作品を展示。
7月3日からの「後期【状況篇】言葉は雨のように降りそそいだ」では、聖書の言葉を題材にした若き日の代表作『エロイ・エロイ・ラマ・サバクタニ』、その続編となる85メートルにおよぶ『エロイエロイラマサバクタニ又は死篇』、日本の現代詩、河東碧梧桐の句、最新の自作詩など、九楊にとって不変のテーマである「言葉の表現」としての作品群を一挙公開する。
関連イベントとして6月14日に「書は音楽である」を立証するために企画されたコンサートを上野・旧東京音楽学校奏楽堂で開催。書の美を形成する「筆蝕」を計測・解析・データ化し楽曲とした2曲を「電子音楽奏」と「弦楽四重奏」で演奏する。
7月7日には講演会を上野精養軒 桜の間で開催。川端康成、太宰治、三島由紀夫などの揮毫や原稿の書きぶりが、その文学作品をいかに雄弁に物語るのか、その秘密を解き明かす。
夏には全作品を収録したカタログレゾネ『石川九楊全作品集』が刊行。
- フィードバック 1
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-