点との新作長編映画『わたのはらぞこ』製作支援クラウドファンディングが6月14日まで行なわれている。
点とは、振付師で俳優の加藤紗希と俳優の豊島晴香による創作ユニット。初の長編映画『距ててて』が2021年の『第43回ぴあフィルムフェスティバル』で観客賞を受賞した。
長編第2作となる『わたのはらぞこ』は、長野県上田市との縁から同地に実在する上田映劇、犀の角や、住民が協力し作り上げるフィクション映画。東京での日々に苦しさを感じ、犀の角で「休憩」するために上田を訪れたヨシノが不思議な出来事に次々と巻き込まれていくというあらすじだ。ヨシノ役は神田朱未。加藤紗希、豊島晴香、本荘澪、湯川紋子、髙羽快が共演する。音楽と音響デザインは三浦康嗣(□□□)が担当。
クラウドファンディングの目標金額は2,800,000円。3,000円~500,000円の18の支援コースがあり、試写会への参加権、脚本のPDF、『距ててて』の非売品DVD、ロゴ入りのTシャツとサコッシュ、エンドロールへの名前の掲載などのリターンが用意されている。詳細はプロジェクトページを確認しよう。
【三浦康嗣(□□□)のコメント】
映画音楽を担当するのは、振り返ってみると、自分でも意外と今回が初めてでした。
「地味ミュージカル」監督の加藤さんからそのキーワードを聞いた際、音、すなわち現実はもちろん、空想、回想、を含めた様々なレイヤーで鳴った喋り声や自然音や物音たち。それらと意図して設計され鳴った音楽との隔たりについて思いを巡らせました。
先ほど映画「音楽」と書きましたが、今作に関しては、そんなふうに音と音楽の境目を曖昧にする係として、いわゆる音楽に限らず、音声、音効も含めた音全般を担当する予定です。
【神田朱未のコメント】
上田には2回足を運びました。
1回目は『距ててて』の上映の時。2回目は上田で映画を撮るためのリサーチで。
加藤さん、豊島さんの作る作品と、上田で出会った皆さん(そして場そのもの)の共通する所、そして深く混じり合っているところは、どこまでも「その人がその人らしく、ただそこに存在すること」にあるような気がします。
豊島さんの脚本は無理がありません。
それと同時に自分がちょっと「ここダメだよなぁ」なんて思っているところを、すっと掬い上げて「そこが愛おしいポイントだよー」と、光を当ててくれます。そして加藤さんがすっごい笑顔で「それ最高~」と言ってくれます。
2人のその軽やかで優しい目線が私は大好きです。上田で出会った皆さんからも同じものを感じました。そしてその目線や空気が、今回の作品にもたっぷり反映されていると思います。それは少し疲れていた私の心もひっそりと癒してくれました。
数日前、久しぶりにみんなと会って読み合わせをした時、『距ててて』の撮影から3年ほどの月日を経て、共有していない各々の経験を、映画を共に創作することで持ちよることができる幸せを感じました。
今回はどんな役でみんなが登場するのか、上田という街が点との2人によってどう描かれるのか、撮影がとても楽しみです。皆様もどうぞ楽しみにしていてください!
【荒井洋文(犀の角)のコメント】
上田でアカボウクジラの化石が発見されたというニュースは、人類の歴史を超えて、宇宙や地球の成り立ちのレベルから物事を見つめ直していくことを、まさに上田から始めるように私たちに示唆しているように思います。
このトピックをなんとか作品に昇華したいと思っていたので、「点と」のお二人からこの映画の企画を聞いたとき、心の底から嬉しかったです。
さらには化石のモチーフが今まさに上田の街で起きていることとリンクしていく設定が最高すぎてたまりません。
上映が今から楽しみです。応援しています!
【直井恵(上田映劇、うえだ子どもシネマクラブ)のコメント】
この街で起きている非日常的な日常や、言葉にならない感情を抱えて映画館や劇場に集まる子どもたちや私たちの姿を誰かに記憶しておいてもらいたいといつも思っていました。
そんな簡単にうまくいくとは思ってないけれど、でも大丈夫だよと言ってもらいたい。わかりやすい結末とかじゃなくていいから、このごちゃごちゃのままの私を受け止めてほしい。
いま上田で「映画を撮る」ということは、そんな感情を丸ごと受け止めてもらうことのような気がしてます。
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