市民のクリエイティビティを最大化。アーティストと共創する『CCBT COMPASS 2024』レポ

最先端のテクノロジーとアートを原動力に、東京からイノベーションを生み出していくための活動拠点「シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT](以下、CCBT)」。これまでさまざまなアーティストとともに、アート、テクノロジー、デザインの分野をまたいでプロジェクトを展開してきた。

そんなCCBTアーティスト・フェローの活動を中心に、参加者とともにクリエイティブ×テクノロジーをつくり、体験し、考えることを目的にしたプログラム『CCBT COMPASS 2024』が、渋谷のCCBTと有楽町の「SusHi Tech Square(STS)」の2会場で5月3日から19日まで開催された。

市民との共創を掲げるCCBT。CCBTクリエイティブディレクターの小川秀明はその活動を「ART for ART(芸術のための芸術)」ではなく「ART for Society(社会のための芸術)」と位置付ける。今回のイベントを通して、参加者にはどんな変化があったのだろう? 15日間にわたって開かれた『CCBT COMPASS 2024』から、展示やワークショップ、そして『未来のCCBTの運動会』をピックアップしてレポートする。

自分たちでモノをつくるというスタンスを実装する「社会のためのアート」

2022年10月、人々の創造性を社会に発揮する活動拠点として渋谷に開所したCCBTは、最先端のテクノロジーとアートを原動力に、東京からイノベーションを生み出していくことを目指している。では、そもそもCCBTの名称にも掲げられている「シビック・クリエイティブ」とはどういったものなのか。

CCBT設立に携わったキーパーソンの一人であるパノラマティクス主宰の齋藤精一は、『CCBT COMPASS 2024』の一環で開かれたトークイベント「創造的な都市づくりとアート・デザイン・文化・経済の新たな関係性」において、次のように語っている。

齋藤:シビック・クリエイティブという名前のとおり、CCBTは、市民の方々に「自分たちでモノをつくることができる」というきっかけを提供したいんです。誰かがつくったモノを消費するだけではなく、自ら考えてつくり、使っていくという発想そのものを実装してもらいたいんですよ。そのためにアートやテクノロジーと行政の中間に位置しながら、市民のクリエイティビティを最大化することがCCBTの役目だと考えています。

また、CCBTクリエイティブディレクターで、アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ共同代表を務める小川秀明は、トークイベント「クリエイティブ×テクノロジーとシビック・クリエイティブを考える」でこう論じる。

小川:シビック・クリエイティブ・ベースとは、新しいテクノロジーを媒介にして市民に創造性を発揮してもらう拠点を指します。ポイントは、ギャラリーや美術館のように一種の完成形を提示するのではなく、制作のプロセスを公開して市民の参加を促したり、アーティストが開発したツールやキットを提供したりすることで、教育や社会の変容を起こしていこうという狙いです。

都市に関して言えば、東京を舞台空間として設定しながら、アーティストや市民と一緒に社会実験を繰り返していくことで、みんなが使う公共空間をアップデートする。そうしたアートを介した市民自治も僕らのミッションの一つです。つまりCCBTの活動は、「ART for ART」(芸術のための芸術)ではなく「ART for Society」(社会のための芸術)なんですよ。

市民自らの手によって未来の「道しるべ=コンパス」を獲得する

今回、そうしたビジョンを掲げるCCBTが開催した『CCBT COMPASS 2024』は、これまで迎えた10組のアーティスト・フェローが一堂に会するイベントだ。

アーティスト・フェローとは、CCBTのコアプログラムに位置付けられるアート・インキュベーションにおいて、公募によって選ばれたクリエイターやアーティストたちを指す。これまでのインキュベーションプログラムでは、アート、テクノロジー、デザインによるさまざまなプロジェクトをCCBTのバックアップのもとで展開してきた。

2022年度のフェローは、浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山、Tomo Kihara + Playfool、SIDE CORE、犬飼博士とデベロップレイヤーたち、野老朝雄+平本知樹+井口皓太。2023年度が、ELECTRONICOS FANTASTICOS!、contact Gonzo、SnoezeLab.、TMPR、Synflux。

『CCBT COMPASS 2024』では、フェローたちの成果発表をメインに、CCBTと協働してきたアートユニット・明和電機とメディアアーティスト・岩井俊雄を加えた計12組によって、展示、パフォーマンス、ワークショップ、トークという4つのプログラムを展開。CCBTとSusHi Tech Square(STS)の2会場で、参加者とともにテクノロジー×クリエイティブによって、体験し、考える15日間のプロジェクトだった。

「タイトルにはイベントのコンセプトが込められています」と小川秀明が解説する。

小川:重要なのは「マップ(地図)」ではなく「コンパス(羅針盤)」であること。マップは誰かがつくった過去の資料ですが、コンパスはこれからの未来の指針となるものです。何か新しいことを起こすには、自分たちで決断し、自分たちで始めるしかありません。それが自由ということでもあります。だからこそ、時代によってズレたり壊れたりするマップを教科書にするのではなく、自分の指針となるコンパスを持って、定期的に磨いておく。それを目印に進めば、その先に地図には書かれていない地名を発見することもできるはずです。そんなコンパスが、次の時代を生きていくためのリテラシーになるのだと思います。

そうしたコンセプトのもとに開かれた『CCBT COMPASS 2024』の各プログラムを概観しよう。

CCBTとSTSで開かれた展示では、これまでCCBTを拠点に開発されたプロジェクトから全6作品と1展覧会が発表され、ARやVRを用いたものから、AIと人間の関係性、都市空間のあり方、インクルーシブな環境設計、デジタルファッションの探求といったテーマを扱った作品まで、多様なアウトプットが並んだ。(※)

さらに、ワークショップやパフォーマンス、トークイベントも多数開催された。ワークショップは、ARを使った創作、AIを用いたプログラミング、電子工作など多岐にわたり、デザインや映像制作、メディアアートの基礎を学べる企画が充実。親子でデジタルクリエイティブを楽しむ姿が見られた。

こうしたアーティストたちの創意工夫を体験することで、参加者たちは実際に手を動かしながら、テクノロジーとクリエイティブに対する考えを育むことが促される。その経験こそが、市民が自発的に未来を切り拓いて創造性を発揮するための貴重な道しるべ=コンパスとなっていくはずだ。

※各作家・作品の詳細は過去のCINRAのレポート記事を参照。
「渋谷にあるよ、アート×テックの最前線。CCBT「アート・インキュベーション・プログラム」をレポ」

「いま、この世界で他者と共創する喜び。CCBTアート・インキュベーション・プログラムをレポ」

参加者が「デベロップレイヤー」となり、アーティストと共につくりあげる『未来のCCBTの運動会』

『CCBT COMPASS 2024』のなかでも象徴的なプログラムだったのが、『未来のCCBTの運動会』だ。

『未来の運動会』とは、テクノロジーを用いた新たなアプローチの「運動会」を自分たちでつくりあげる、運動会協会によるプロジェクト。参加者がアイデアを出し合って新しいスポーツの競技をつくり、その競技で実際に「運動会」を行なうという、誰もが参加できるタイプのイベントとなっている。

2014年から山口情報芸術センター[YCAM]など日本各地で実施され、2022年10月にはCCBTのオープニングイベントとして開催された『未来の運動会』が、今回再び登場する格好だ。とはいえ『未来のCCBTの運動会』が前回と異なるのは、参加者であるデベロップレイヤー(「デベロップ=開発」と「プレイ=あそぶ」を組み合わせた造語)が、CCBTアーティスト・フェローをはじめとするクリエイターと共創する点にある。

CCBTフェローで、運動会協会の理事を務める犬飼博士は、『未来のCCBTの運動会』への想いを述べる。

犬飼:『未来の運動会』は、「文化って自分たちでつくれるんだ」という気づきを与えてくれる絶好の機会です。運動会という誰もがイメージしやすいフレームのなかで、みんなで独自の競技やルールをつくり、自由にシェアして遊んでもらう。さらに、そこにデジタルテクノロジーも関与してくる。だから主役は市民のみなさんです。そうした営みがいつか地域に根ざした文化になっちゃえばいいな、と僕は考えています。

本記事では、CCBTアーティスト・フェローの木原共による「AI審判員と作る23世紀のためのスポーツ」をクローズアップ。ワークショップの現場から運動会の様子までを見ていこう。

トライ・アンド・エラーをくり返し、主体的に進めるワークショップ

ワークショップ当日、STSに特設された運動会グラウンドには、フェローやデベロップレイヤーが集まった。

『未来のCCBTの運動会』の基本的な立て付けは、明和電機、Playfool、Augmented Situation D、contact Gonzo、そして木原共の5組による各ワークショップで種目をつくり、運動会本番に赤組白組にわかれて競い合うというものだ。遊び方はもちろん、ネーミングから使用する道具、ルール説明に至るまで、すべて参加者が自分たちで考案。それを実現するために、デザイナーやエンジニアといった専門性を有するスタッフが、彼らを支援していくかたちとなる。

ワークショップは、まずは簡単な自己紹介から始まった。木原チームの参加者は、ゲーム好きな人やクリエイティブに興味がある人などさまざま。過去に『未来の運動会』に参加したことがある人もいれば、たまたま企画を知って訪れた人もいるようだ。

さっそく競技のプロトタイプを木原が発表する。最新のAIをゲームに取り込む研究と開発を行ってきた木原が準備してきたのは、AIが審判員となって勝敗をジャッジするシステムだ。参加者は2つのチームに分かれ、それぞれがスーパーヒーローになりきって写真を撮影し、名前と必殺技を入力する。与えられた情報からAIが大規模言語モデルによってそれぞれのヒーローの特徴や弱点を表したカードを生成し、勝敗を決定する。さっそく参加者が加わって実演してみると、格闘ゲームのような攻防の展開に歓声が上がった。

とはいえ、以上はあくまで下敷きだ。これをどうアップデートするか、参加者みんなでアイデアを出し合うディスカッションが、いわば本番にあたる。「大勢で参加するから、戦隊ものをモデルにするのはどうだろう」「運動会の要素として組体操を取り入れるのは?」など、活発に議論がなされ、そうした提案を木原が随時プログラミングしながら種目に取り入れていく。

対話の結果、ヒーローたちの「決めゼリフ」「特殊能力」「来歴」の明記が追加ルールとしてセットされた。すぐにみんなでプレイしてみると、たしかにおもしろいが、要素があまりに盛りだくさんで「時間内におさまる?」「見ている人は楽しいだろうか」と、より具体的な疑問が生じてくる。そこで、今度は情報量を減らすため一種の引き算をする段階に入った。それらの推移を進行スタッフが徹底してサポートするが、何度も言うように、最終的な決定権はデベロップレイヤーに委ねられている。

やがてタイムリミットが訪れた。チームからプレゼンターが選出され、ルール説明をしてから、シミュレーションとして全体で競技をプレイしてみる。新種目について初見の人たちと実際に体を動かしてみると、楽しさが増幅される反面、多くの課題が浮かび上がった。まだまだ新種目完成までの道のりは遠い。この日あがった課題を抱えながら、これから1週間のあいだチームで議論を深め、手を動かし、ハッカソンでの総仕上げをもって運動会に臨むことになる。

木原チームのプレゼンターを務めた参加者にワークショップの感想を尋ねてみた。これまでにCCBTの展覧会は見たことがあるが、『未来の運動会』に参加するのは初めてだというその人は、「ドキドキしながら参加しましたが、アーティストさんとチームを組んで一緒に競技をつくる環境は、頭がワーッとなってすごくおもしろかったです。テストプレイでは、『あれ、この部分はどう伝えたらいいんだっけ?』と、競技の説明をすることで課題が見つかっていく実感がありましたね」と笑顔がこぼれる。

また『未来の東京の運動会』に参加経験のある鈴木椋大さんは、「前回は一般の参加者みんなでアイデアを出し合い競技をつくっていったけれど、今回はフェローの方が土台を用意してくれていたから、その上に要素を組み立てていく感じで具体的に進めることができました」と分析。「まだ競技が煮え切っていないのはわかっているので、これからハッカソンや本番まで細部を詰めて、もっと完成度を高めたいですね」と熱意を見せた。

運動会の祝祭性に包まれながら、自らの手でダイナミックに文化をつくりあげる

世間でも運動会シーズン真っ盛りの5月半ば、ついに迎えた『未来のCCBTの運動会』当日は五月晴れに恵まれた。会場いっぱいに老若男女が集結しており、特に子どもたちの姿が目立つ。みんなそれぞれ赤組白組にわかれ、ゼッケンにはちまき姿。一般的な運動会と変わらない装いだ。

万国旗さながらに張りめぐらされた装飾には、CCBTの初代フェローである野老朝雄がデザインしたピクトグラムが施されている。レオナルド・ダ・ヴィンチの人体図から着想を得て、オリンピックにおける平和の理念が込められた、運動会のシンボルマークである。

第1種目は、明和電機チームによる「ひらけ!シャッター大作戦‼︎」。動くシャッターにマグネットを投げてくっつけるというルールで、「ショッカー」ならぬ「シャッター」と歌う、明和電機による『仮面ライダー』のパロディソングが可笑しい。途中で「コラおじさん」が邪魔に入るなどゲーム性も高い。続く第2種目はAugmented Situation Dによる「もしも、他のいきものになったら」。VRゴーグルを装着し、ネコ、ヘビ、ハチ、トリの視点で世界を眺めながら、それぞれの生きものになりきり、自分のチームの色のボールを持って帰るというゲームだ。見映えもふくめ、まさにデジタルテクノロジーを駆使した『未来の運動会』にふさわしい種目かもしれない。

なるほど、オリジナル種目による運動会、これは楽しい!

「ひらけ!シャッター大作戦‼︎」(撮影:丸尾隆一)
邪魔に入る「コラおじさん」(撮影:丸尾隆一)
「もしも、他のいきものになったら」(撮影:丸尾隆一)

そうこうするうちに、第3種目として木原共チームの順番が回ってきた。ワークショップとハッカソンを経て、果たしてどんな競技が完成したのだろうか?

タイトルは「AIが決める⁉︎ それっぽい写真バトル」。みんなで出されたお題の写真を撮影し、AI審判がお題により近いと判断したチームが勝利するというルールだ。ワークショップではバトルものだったから、ずいぶん内容が進化している。

お題は「風がヤバい!」「未来の乗り物」「最強のヒーローチーム」の3つ。それぞれ「からだ」「どうぐ」「チーム名」と設定を絞ることで、運動会らしい身体性の要素をうまく取り込んだ。やはりチーム内での試行錯誤を経て、完成した種目は以前と様変わりしている。それはすなわち、フェローの用意したフォーマットが市民たちによって共創的にアップデートされたということだ。このダイナミズムこそ、『未来のCCBTの運動会』の骨子だと言っていい。

AIによるジャッジのくだりも見やすくシンプルになり、木原チームの新種目は大盛況に終わった。デベロップレイヤー一同の満足気な表情からは、たしかな手応えが伝わってくる。

お昼休憩をはさんで、第4種目はcontact Gonzoチームの「いっぱいつながれ‼︎ 我らエダジン(超絶コミュニケーション術)」。体験を重視するため勝敗は決めない。会場の全員が参加して、自分と隣人の体を使い無数の木の枝を支え合う。その純粋なボディランゲージに文字通り会場が一体となった。第5種目のPlayfoolチームによる「未確認生命体と巡る『リレー借り物×人競争』」は、頭に箱を被った「未確認生命体」を各種センサーによって誘導し、「借り人」カードをゲットしていく競技。テクノロジーを媒介にしたデジタルな要素と、観客席を巻き込んだフィジカルな現場感覚の共存に、この大会の醍醐味が詰まっている。

とうとう最後の種目だ。その競技とは「つなアンドピープル」、要するに綱引きである。ここにきて端的に肉体の力をぶつけ合う。赤組白組の決着がかかっていることもあり、会場は大熱狂。運動会という仕組みそのものが持っているポテンシャルを、ラストにまざまざと見せつけられた。

「積極的にクリエイティブに関わった」としてCCBT賞を受賞した小学6年生のウィリアムス頼人さんが、インタビューに答えてくれた。

頼人:僕はPlayfoolチームに参加しました。最初は難しいところもあったんですが、箱とセンサーの仕組みがわかってくると、どんどんおもしろくなっていって。ワークショップではいろんなアイデアが出たし、そのあともZoomで話し合ったり、ハッカソンでリハーサルをやったりして、みんなで時間をかけて種目をつくってきました。だから今日の本番で大成功して、本当に嬉しかったです。

木原チームのワークショップでも話を伺った鈴木さんは、興奮冷めやらぬ様子でこう語る。

鈴木:ワークショップではヒーロー戦隊のバトルものがコンセプトでしたが、実装してみて感じたのは、観客目線ではあまりおもしろくないんじゃないかということでした。ワークショップ後もLINEで議論を続け、もっとシンプルになるよう改善していきました。前々日にも有志で集まって、昨日のハッカソンで木原さんの助けを借りながら、ようやく一つの競技を完成させることができたんです。なんというか、AIとともにつくりあげたような感覚がありますね。

「AIとともにつくりあげた」とは、この運動会らしい魅力的な表現だ。『未来の運動会』への参加経験がある鈴木さんは、今回のイベントの特徴についても言及する。

鈴木:やっぱりアーティストさんのアイデアのもとに集まってできたチームなので、その土台をみんなでブラッシュアップしていく過程が新鮮でしたね。制作しながらアーティストさんと話し合える時間もよかったです。アーティストさんって普段は遠い存在に感じるじゃないですか。でも喋ってみると、意外と普通の良いお兄さん(笑)。木原さんがプログラミングにてんてこ舞いになるくらい、たくさんの意見が出て。最初の土台とはかなり違ったかたちになったけど、柱は崩れていない……そんな種目をみんなで完成させることができたと思います。

リアルとデジタルの往来が導く未来

以上のように『CCBT COMPASS 2024』の輪郭をたどってきたが、上述のデベロップレイヤーの方の言葉に象徴されるように、重要なのはアーティストやクリエイターと市民がごく自然に向き合えていたことではないか。そうしたフラットな関係から立ち上がるものこそが、クリエイティビティあふれる共創であるはずだ。

CCBTにおいて両者のあいだを取り持つものはテクノロジーである。ただ、テクノロジーも液晶画面のなかだけで完結するのでは不十分だろう。やはり外部にモノとしての作品や身体が伴ってはじめて、リアルとデジタルの健全な往来が実現する。『CCBT COMPASS 2024』では、その媒介=メディアとなったのが、展覧会であり、トークイベントであり、ワークショップであり、何より『未来のCCBTの運動会』だった。

どんなかたちであれ、今回のプログラムを通じて何らかの経験を持ち帰った市民の人たちは、これから自分自身のコンパスをより強くして世の中を歩んでいくに違いない。ひいてはその歩み一つひとつが、この世界を少しずつ変えていく原動力になるのだと思う。

サイト情報
プロフィール
齋藤精一 (さいとう せいいち)

1975年生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。2006年株式会社ライゾマティクス(現:株式会社アブストラクトエンジン)を設立。 社内アーキテクチャ部門を率いた後、2020年に「CREATIVE ACTION」をテーマに、行政や企業、個人を繋ぎ、地域デザイン、観光、DXなど分野横断的に携わりながら課題解決に向けて企画から実装まで手がける「パノラマティクス」を結成。2022年度シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]コラボレーションメンバー。

プロフィール
小川秀明 (おがわ ひであき)

2007年からオーストリア・リンツ市を拠点に活動。アートとテクノロジーの世界的文化機関として知られるアルスエレクトロニカにて、アーティスト、キュレーター、リサーチャーとして活躍。現在は、同機関の研究開発部門であるアルスエレクトロニカ・フューチャーラボの共同代表を務めている。アートを触媒に、未来をプロトタイプするイノベーションプロジェクトや、市民参加型コミュニティーの創造、次世代の文化・教育プログラムの実践など、領域横断型の国際プロジェクトを数多く手掛けている。2023年よりCCBTクリエイティブディレクターに就任。

プロフィール
木原共 (きはら とも)

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、オランダのデルフト工科大学院のインタラクションデザイン科を修了。その後、アムステルダムに拠点を置く研究機関Waag Futurelabや米国のMozilla FoundationとAIの社会的影響に焦点を当てたプロジェクトを行う。新たな問いを人々から引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームやインスタレーションの開発を行う。



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