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空音央監督・脚本の映画『HAPPYEND』が10月4日に新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開される。
コンサートドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』で知られる空音央監督の長編劇映画デビュー作となる同作は、幼なじみで大親友のユウタとコウが高校卒業を控え自分自身と向き合うようになり、少しずつ変化していく友情の揺れ動きや葛藤を描いた青春映画。
主人公のユウタ役とコウ役を演じたのは栗原颯人と日高由起刀。ともにオーディションで選ばれスクリーンデビューを果たした。2人の同級生役を林裕太、シナ・ペン、ARAZI、正義感が強くコウと関わるようになるフミ役を祷キララ、担任・岡田役を中島歩、校長秘書・平役を矢作マサル、ユウタの母役を渡辺真起子、コウの母役をPUSHIM、長井校長役を佐野史郎が演じる。
※作品タイトルの表記が『Happyend』から『HAPPYEND』となりました。(2024年7月11日追記)
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【空音央監督のコメント】
友情とは曖昧なもので、恋人や家族のような規範がありません。人によっては、いつもの風景に溶け込んで、たまたま同じような音楽を好み、お酒を介して理解し合える相手もいれば、真剣な話だけをする相手もいます。しかし、どんな形であれ、友人に対する愛や信頼が深いほど、その相手に落胆した時に湧き上がる怒りや悲しみは凄まじいものです。勢い余って関係を断ち切ることもあれば、知らず知らずのうちに断ち切られることもあります。そうなると、自分が乗っかっていた地盤がガラガラと崩れ落ちるような感覚に陥ることがあります。
そんなことを考えながら、この映画を思い立ったのだろうと思います。メモを見返すと、記録として残っている中で最も古いものが2017年でした。つまり、7年かそれ以上前からこの映画の構想を練り始めたようです。その時の社会や世界が変わらず、そのまま進んだ少し先の未来を想像しました。恐怖を煽り、軍国主義的な独裁国家へと着実に向かってゆく日本を舞台に、それまで自分の中に蓄積されていた危機感や揺らぎ、そして自分にとってなくてはならない、地盤ともいえる友人たちに対する愛を投影しました。
自分が想像した近未来像が間違っているといいなと願いながら脚本を書いていましたが、出来上がった映画を見てみると、なんだかどんどん現実味を帯びてきているようで、すこし残念です。同時に、そのような状況だからこそ、素晴らしいキャストとスタッフと一緒に、色んな人にいま見てほしい映画に仕上げることができたと思っています。劇場公開できることを本当に嬉しく思います。
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