古川豪の長編初監督映画『金子差入店』が2025年に公開される。
オリジナル脚本も手がけた古川監督が完成までに構想から11年の歳月をかけたという同作は、刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」を営む家族の絆を描くヒューマンサスペンス。東京の下町で「差入店」を営む金子真司の過去が、ある2つの事件の謎と向き合ううちに露となり、家族の絆を揺るがしていくというあらすじだ。
人に言えない過去を抱え、息子のために生き直そうとする金子役を『泥棒役者』以来8年ぶりに主役を務める丸山隆平が演じるほか、金子の妻・美和子役に真木よう子、2人の息子・和真役に三浦綺羅、3人と暮らす金子の叔父・星田役に寺尾聰がキャスティング。
【丸山隆平のコメント】
僕が演じた金子は、真っ直ぐな男です。それゆえに、自分で制御できない危うさも抱えています。家族に対する愛情はとてつもなく大きくて、差入屋という自分の職業と家族の間で揺れながら生きている人間です。古川監督とはクランクイン前に何度もお会いして、生い立ちなど個人的な話もたくさんさせていただき、互いの人間性を深く知った上での撮影となりました。監督の中に眠るマグマのような熱量を受け止めて、嘘なく演じることができたのではないかと思います。登場するすべての人たちとの人間関係を、どんどん掘り下げていく物語なので、自分自身がこれまで歩んできた人生を見つめ直すという貴重な作品にもなりました。ひと言で言えばいくつもの家族の物語なのですが、ひと言では簡単に言えない愛おしさや怒り、苦しさや喜びなどの想いが詰まっています。その中から宝探しをするような気持ちで観に来ていただければ、きっと何か大切なものを見つけてもらえるのではないかと思っています。
【古川豪監督のコメント】
助監督として参加する撮影の最中、拘置所の近くでポツリと構える差入店に目が留まりました。調べるうち、差入れ代行業の必要性を知るに至りました。昨今のセカンドチャンスに寛容になれない世間の風潮に一石投じられるのでは? とも思ったのですが、なかなか納得いくものが書けず、時間は過ぎていきました。11年。その間私自身結婚し、子を授かり、変わっていく価値観とともにストーリーも変化していきました。
差入店やそれにまつわる人々を通して、家族とは? 血とは? 家庭環境とは? を問うています。
丸山隆平さんをはじめ素晴らしい俳優陣や愛すべきスタッフたちとともに作りあげました。どうか一人でも多くの方に観ていただけますように。
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