焚きびびの旗揚げ公演『溶けたアイスのひとしずくの中にだって踊る私はいる』が9月13日から北参道のJINNAN HOUSE B1F diggin studioで開催される。
焚きびびは、2022年に解散した劇団子供鉅人の代表・座付き脚本家・演出家だった益山貴司が新たに立ち上げた劇団。ダンサーで俳優の実弟・益山寛司、モデルや舞踏家、俳優として活動する高田静流を中心とする旗揚げ公演には、エチオピアと日本のミックスでモデルのISANA、自身のブランドを展開する台湾出身のモデルBEBEがゲスト出演する。音楽をイガキアキコが担当。チケット販売中。
旗揚げ公演は、1人の若い女性が「かつての自分」について語る物語。恋人との生活を楽しむ私、水の中の1匹の魚としての私、ケーキ皿に残されたイチゴとしての私など、彼女が語る登場人物が新たにかつての自分の登場人物を生み出し、連鎖していきながら、モザイク画のように「彼女の世界」が立ち上がっていくという。
【益山貴司のコメント】
「もう一度、焚き火を起こす」
劇団をやめて3年、最後にオリジナルの戯曲を書いて上演してから5年。
そろそろ、体が冷えてきたので、劇団という焚き火をもう一度、起こすことにしました。
まずは弟の寛司と女優・高田静流の3人で火を熾します。ぜひ、僕らの焚き火にあたりに来てください。
旗揚げ公演は、「かつての自分」について語るお話です。
それは、過去と一直線に結びついた、例えば、「私は昔、子供だった」というようなものでもあり、例えば、本作のモティーフの一つである複式夢幻能のように、草刈り男が実は平敦盛だったようなものでもあり、例えば、見知らぬ廃屋に巡り合って、かつて私はそこに住んでいたかもしれないと感じるあの感覚でもあり、いわば、マルチバースのように、「かつての自分」が増殖していくような、そんな、「自分への解像度を下げる」物語です。
主人公の女性は、他者との「分かり合えなさ」に行きあたりますが、それはつまり、「私はあなたじゃない」からであって、本作では、そんな状況に「だからこそ、私、無限大」と腹をくくれるような、あるいは首をくくるような、楽観と絶望が入り混じった物語を書きたいと思います。
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