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10月27日は、第50回衆議院選挙の投開票日だ。
石破茂首相が就任前に解散方針を示し、就任からわずか8日後に解散するという「異例のスピード」で突入した今回の選挙戦。
裏金問題を端緒にした「政治とカネ」問題という争点から、政治の信頼回復を訴える声が大きく聞こえてくる。しかし一方で、そのほかの争点が見えづらく、どの政党、どの候補者に投票するか悩んでいる人も多いのではないだろうか。
何を見て、何を軸に、この一票の行き先を決断しよう? 今回は、政党と候補者を多角的に知ることができるWEBサイトやアンケートをピックアップしたい。
報道各社の情報を整理。「ボートマッチ」という手段も
10月15日に公示された今回の衆議院選挙には、小選挙区で1,113人、比例代表単独で231人のあわせて1,344人が立候補している。衆議院議員の定数は465人で、うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出議員だ。女性の立候補者は314人で、現制度になってからは過去最多という。
新聞社やテレビ局など、多くの報道機関が「衆院選2024」の特設サイトを立ち上げ、政党と候補者へのアンケート結果を公開している。
例えばNHKの候補者アンケートは、「政治とカネ」の問題をはじめ、経済対策、少子化対策などのトピックから、選挙区によっては各地域の課題まで、30問ほどを聞いている。
各社の質問は大きなテーマこそ共通するが、もちろんそれぞれ違った質問を投げかける。例えば、日本テレビ(日テレ)の政党別アンケートでは「ChatGPTなどの生成AI規制の是非」や「選挙のインターネット投票の賛否」、「緊急避妊薬(アフターピル)を入手しやすくすることへの賛否」といった設問もあった。
さらに昨今では、主に報道機関が「ボートマッチ」を展開。これは、ユーザーがいくつかの質問に答えると、自分の考え方と近い候補者を知ることができるシステムだ。メディアによって質問の量も内容も、結果の表示様式もそれぞれなので、複数試してみるという手もある。
報道各社のほかにも、NPO法人Mielkaが運営する「JAPAN CHOICE」というサイトも。「初心者向け」「2回目以降向け」「エキスパート」という3段階で表示され、自分の状態に合わせて選択できる。なかでもボートマッチと同じ形式の「投票ナビ」では、質問項目ごとに解説もあり、争点についていちから知ることができる。
同性婚、子育て、AI——テーマを絞ったアンケートも参考に
政党や候補者にアンケートを行ない、その結果を公開しているのはメディアだけではない。それぞれの社会課題に特化して、例えばNPOなどの団体が独自の調査を公開しているケースもある。
一般社団法人の「性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会 (略称:LGBT 法連合会)」は、LGBT(SOGI)をめぐる課題に関して、各党と候補者に政策と考え方について調査を行ない、結果を公表している。
特に政党アンケートでは、選択制の回答だけではなく、補足や自由記述欄も設けられており、考え方を詳しく知ることができる。
アンケートではないが、婚姻の平等(同性婚)を目指して活動している公益社団法人「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」は、街頭に掲示される選挙ポスターにスマートフォンをかざすと、同性婚の法制化に賛成している候補者を一目で見分けることができるARカメラ「PRIDE VISION」を展開。今回の衆院選にも対応し、全国35都道府県・200選挙区以上で利用可能だという。
子育て政策の提言などをしている市民団体「みらい子育て全国ネットワーク(miraco)」は、子育てに特化した調査を各政党へ実施。miracoは子育ての当事者として必要とする政策を独自に「子育て八策」としてまとめており、その項目についてどう考えるかを問うている。
生成AIの規制をテーマに独自に公開質問状を投げかけたのは、協同組合日本俳優連合だ。例えば「権利者に無断で生成されるAI音声/映像/画像をどう思いますか」といった質問をし、自由記述で回答を得ていた。
以上のように、それぞれの団体が直面している課題について各党、各候補者の姿勢を明らかにしようとしていた。今回ピックアップしたのはほんの一部。自らの生活と照らし合わせながら、多様な判断軸を持ったうえで、投票に臨みたい。
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