GANG PARADEの現在地と、未来に懸ける想い。「最強の遊び場をつくりたい」

GANG PARADEの7thシングル『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』が12月25日にリリースされた。

BiSHを輩出した事務所・WACKに所属するGANG PARADEは、2014年結成のプラニメを前身とし、POP、GANG PARADEと名を変えて活動してきたアイドルグループだ。

『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』はダブルAサイドとなるシングルで、“Sparkling Moon”をボカロPの不眠症、“グッドラック・マイフューチャー”をLiSAやA.B.C-Z、結束バンドなどへの楽曲提供も⾏なう草野華余⼦が書き下ろした。

11月30日には、LINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブ『TO BE BORN』をもってテラシマユウカが脱退して11人体制となったが、ファンを「遊び人」、ライブを「遊び場」と呼ぶGANG PARADEの楽しさは、歳月を経ても変わることがない。

『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』のリリース、そしてCINRA初登場を機に、メンバーのユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キャ・ノン、チャンベイビー、アイナスターにGANG PARADEの現在地を聞いた。

「また新しい法則を見つけて、ルールをつくってやっていこう」11人でリスタートするGANG PARADEの現在地

―7月にカ能セイさん、11月にはテラシマユウカさんが脱退して、グループ内はいまどんな雰囲気でしょうか?

月ノウサギLINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブを自信を持って良いものにできた感覚は、メンバー全員にあるのかなと思っています。それをこれから超えていけるように新体制でがんばっていこうね、っていうやる気に満ちた雰囲気です。

―月ノウサギさんは2018年加入ですが、いまはどんな感覚でしょうか?

月ノウサギ:WACKって、別れも出会いも突然にやってくる事務所だし、1秒1秒無駄にしないでGANG PARADEとして過ごしたいなと思います。

―2016年に加入したユイ・ガ・ドクソンさんは、いまどんな雰囲気だと考えてますか?

ユイ・ガ・ドクソン:GANG PARADEとしての空気感とか根本的なモードは、一貫して前のめり(笑)。ハングリーでイケイケっていう勝気な姿勢は、どの時代も感じますが、前に比べて世間にも少し溶けこみやすくなった感じがします。

月ノウサギ:私が入ったときは殺気立ってるぐらいの負けん気がありました(笑)。

ユイ・ガ・ドクソン:時代に沿いつつも、どういう状況でも何かしらの方法を探して「やってやるぜ、まだまだ行くぜ!」みたいな空気はずっと感じます。

―キャ・ノンさん、チャンベイビーさん、アイナスターさんは2022年に加入されましたが、いまどう感じていますか?

チャンベイビー:予期せずふたりがいなくなっちゃったんですが、それによって自分もGANG PARADEについて改めて考える機会になったし、誰かが「ウーッ」てなるわけではなく、いつも一致団結してやってきている雰囲気です。

アイナスター:いま11人体制の準備を進めていて、全部フォーメーションをつくり直して、みんなで毎日のように2、3曲ずつ地道に変化に対応していってる感じがGANG PARADEらしいと実感しています。「また新しい法則を見つけて、ルールをつくってやっていこう」っていう前向きな気持ちはずっと変わらずあります。

キャ・ノン:2年間13人でやってきて、メンバーが変わったことによってまた変化することもあるなって。11人になって、どうしたらフォーメーションがもっと良く見えるかをみんなで考えているときに、いまのGANG PARADEをすごく前向きにつくれてるなって思います。

メンバーが語る、それぞれの強み。「GANG PARADEは訓練所です」

―みなさんの個々人の強みとはどんなところだと思いますか?

ユイ・ガ・ドクソン:私は4コマ漫画を描いています。そして、私は体が誰よりも丈夫で病気にはほとんどなりませんし、いままで一度もお休みしたこともありません。

―健康法で荒稼ぎできそうですね。

ユイ・ガ・ドクソン:私のなかに肌のマニュアルがあって、基礎を鍛えるためにあえてお化粧を落とさずに寝て、次の日に落とす。ジャンクフードばっかり食べてるから体もつらい思いをしてるんですけど、厳しくすることで、基礎が上がってめっちゃ丈夫になるんです。

―元から丈夫なだけなのでは……? 月ノウサギさんはいかがでしょうか?

月ノウサギ:メイクやコスメが好きなので、NEUFILさんにご協力いただいて、ソロでメイクのイベントをやりました。ほとんど女性の方が来てくださって。「ライブは勇気が出なくて行けないんだけど、メイクのイベントだから来てみました」という人もいて、色々なかたちでアプローチできるのはすごく嬉しいなと思いました。

チャンベイビー:私はだいたいのことはつらくないです。楽しめます。

月ノウサギ:ドM!

―チャンベイビーさんはアパレルのプロデュースもしてますよね。

チャンベイビー:今年からアパレルのプロデュースを何回かさせてもらってて、自分の「HAPPY BABY CLUB」っていう洋服屋さんをやりました。

アイナスター:私は見た目よりかはタフです。GANG PARADEに入ってから強くなりました。東京マラソンも完走しました。

―トレーニングはしたんですか?

アイナスター:前日に2キロだけ走りました。

―それだけですか。

アイナスター:学生時代は、マラソン大会もずっとビリでした。GANG PARADEは訓練所です。

キャ・ノン:私は文章を書くのが好きで、いまはコラムもやらせていただいてます。

―ラジオ番組(interfm『キャ・ノンのESCAPE!』)も持っていますよね。

キャ・ノン:そうです、連載つながりでやらせていただいた感じなんです。

―番組にはメンバーも出演されていて、素晴らしいと思います。

WACKのなかでのGANG PARADE

―最近のWACKは、渡辺淳之介さん(編註:WACKの創業者であり、BiS、BiSHなどのプロデュースを務めた)の代表退任、ASPの日本武道館公演などもありましたが、WACKのなかでのGANG PARADEの現在の立ち位置はどんなものだと考えていますか?

チャンベイビー:BiSHに迫る勢いになりたいです。でも、『WACK TOUR』(編註:WACK所属アーティストたちによる恒例のライブツアー企画)で回ってて思うのは「みんな違って、みんないい」。争うよりみんなでのし上がれたらいいなと思います。

ユイ・ガ・ドクソン:WACKでの立ち位置は「戦士」ですね。ほかのグループは武道館や幕張メッセでライブをやっていて、私たちもやったことがないところでは全部やってみたいし、やったことがないことは全部してみたいんですけど、一番はお茶の間に近づきたい。お願いします!

―こっちに頼むんですか!?(笑)

月ノウサギ:こんなに個性豊かな人がたくさん集まってるのもなかなかないですし、この大人数で見せるパフォーマンスは唯一無二だなって思ってるので、そういう意味では誰にも負けないぞっていう気持ちがあります。でも、やっぱりASPの武道館を見に行ったときは「悔しいな」って気持ちがありました。ASPもめっちゃ良かったけど、私たちも絶対いいライブを武道館でできるって思いました。

キャ・ノン:GANG PARADEは実家みたいな感じ(笑)。前からいるメンバーがほとんど残ってるのがすごいと思います。対バンで「GANG PARADEってまだあったんだ」「よく見たらメンバーも半分くらい残ってる」と言われることもあって。そうやって続けてきてくれたメンバーがいるから、私たちも新メンバーとして入ってから一緒に活動できていて、安心できる存在だと思います。

アイナスター:WACKってめっちゃ仲いいと思うんですよ。WACK全体の撮影になると、ココ(ココ・パーティン・ココ)とドク(ユイ・ガ・ドクソン)が盛りあげたり、そういう空気感をGANG PARADEが率先してつくっていて。私は、GANG PARADEが一番WACKっぽいなって思うので、そこはアイデンティティかなと思ってます。

「音楽は言葉を越えるって、マジだなと思ったんですよ」

―3月にはWACKのロンドン公演『WACK in the UK vol.2』にGANG PARADEが出演しましたが、海外での手応えはいかがでしたか?

アイナスター:こんな遠いところに待っててくれる人がいるんだ、って感動しました。ステッカーを手づくりしてきてくれたり、「ずっと待ってたよ」って泣いてくれたりするのを見て、すごく熱い気持ちで待っててくれたんだなっていう感動がありました。ライブのノリも全然違いました。

月ノウサギ:現地の方もコールを言ってくれて。ライブの前に、チケットを買ってくれた方と交流する時間があったんですよ。日本語を勉強してきてくれた方もいて、海を越えてこんなに好きでいてくれる人がいるんだっていうのは本当に感じました。

キャ・ノン:ライブ中も、1曲1曲「これ聴きたかったやつ!」っていう反応をしてくれたり、涙を流しながら見てくれたりするのを見て、自分たちの知らないところでもこうやって知ってくれてる人がいるんだなって思って、今後ももっと広げていきたいなって思いました。

ユイ・ガ・ドクソン:私はめちゃくちゃ最高にハッピーでした。もう想像以上に音楽の自由さが素晴らしくて、自分も初めての感覚でした。「音楽は言葉を越える」って、マジだなと思ったんです。アイドル文化って、イギリスにないものだから、それがもしイギリスでメジャーになったらどうなるんだろうとワクワクしたし、新たな自分が生まれました。

チャンベイビー:日本でライブしてて、固定観念が自分のなかでできていたところもあったと感じました。海外でライブをしてみたら、ノリ方が違ったり、でもコールを覚えてきてくれたり、本当に全部自分の想像と違くて、新しい世界って感じでした。

ニューシングルでの挑戦と、2025年のGANG PARADEに懸ける想い

―ニューシングル『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』の“Sparkling Moon”の作詞作曲は不眠症さんです。ジャジーなナンバーで驚きましたが、どう歌いこなしましたか?

チャンベイビー:ジャジーな大人っぽい感じのおしゃれな曲で、私の中のテーマは「夜を楽しむ無邪気なガール」みたいな感じでレコーディングしました。

ユイ・ガ・ドクソン:私はジャズシンガーになりきってやってみました。私はまっすぐ歌う癖もあって、そっちのほうが得意なんですけど、ちょっと音を揺らすのにも挑戦して、「ジャズシンガーの私がバーで歌っちゃってる」みたいなテーマでやりました。

月ノウサギ:レコーディングのときにスタッフさんに「月ノの声に合わないね」って言われて。私は真っ直ぐ歌うし、声量も大きいし、「たしかにな」と思ったんですよ(笑)。

だから、自分的にも挑戦するような感じで、ちょっと鼻にかけてみたり、あえて「大丈夫かな?」ってくらい力を抜いてみたり、けっこういままでにない挑戦を個人的にしてみました。「合わないね」って言われたときはどうしようかと思いましたけど(笑)。

キャ・ノン:すごく難しい曲調で、ミキユア(ヤママチミキ&ユメノユア)が不眠症さんに『トーナリティ』をつくってもらってすごく苦戦してたのも見ていたので恐怖を抱えて挑んだんですけど、スウィング感を持って歌ってみました。

アイナスター:私はディレクションで「癖を自由にやっていいよ」って言っていただいて、同じフレーズで3回くらい、全部パターンを変えて録ってみたんです。癖強で歌うシンガーやアイドルが好きなので、自由にやらせてもらえてめっちゃ楽しかったです。

―“グッドラック・マイフューチャー”の作詞作曲は草野華余子さんです。痛みがありつつも未来へと向かうロックナンバーですが、どう歌いこなしましたか?

月ノウサギ:この曲では、本当にド直球で自分らしさを込めて歌ってみようっていう気持ちで。草野さんご本人にレコーディングを見ていただいて、みんな順番に録ったんですけど、一発目に録らせていただいたんですよ。

一発目だったのでほぼほぼフル尺で歌わせていただいて、細かくディレクションをしていただきました。草野さんが私たちの思いを汲んで歌詞に込めてくださった意味を改めて草野さん自身から聞いて、やっぱり気持ちがこもったし、久しぶりにレコーディングが終わって足に力が入らなくなりました。そのぐらい自分のなかでも魂を込めて歌えたなっていう曲になったので、ライブでも変わらずに歌っていきたいなと思ってます。

アイナスター:私も草野さんにディレクションしていただいたんです。最初はめっちゃ緊張してたんですけど、「一回、歌詞をセリフだと思って言葉だけで言ってみて、メロディーなしで」と言われて。それを2、3回やってから歌ったら、自分でも全然変わった感覚があったんです。ボイトレみたいに、全部根っこから変わって歌えました。

レコーディングって、いままでは準備してきたものを歌うような感覚だったんですが、その場で全部が変わるぐらいのディレクションで、草野さんってすごいと思いました。あと、レコーディングした数日後に草野さんがテレビに出ててさらにすごいって思いました(笑)。

キャ・ノン:この曲をつくってくださるときに、メンバー全員に草野さんが質問を送ってくださって、自分にとってのGANG PARADEだったり、メンバーの脱退についてだったりをいろいろ聞いてくださって、それを元にこの歌詞を書いてくださったんです。自分が歌ってないパートでも、すべての歌詞が自分たちの言葉の感じがして、自分たちが伝えたいメッセージをずっと歌っている感じなので、それを意識しながらライブでも歌っています。

ユイ・ガ・ドクソン:「なんで」って悔しい気持ちとか、寂しい気持ちとか、ちょっと怒りもあったり、それでも「ありがとう」って思ったり、未来を祈る気持ちもあったりして、本当に言い表せない全部の気持ちが歌詞に入ってるんです。

だから、もどかしい思いが綴られている歌詞もあって、でも聴き終わったあとに晴れやかな気持ちになるんです。別れがつらいというだけじゃない、前を向ける歌詞で、すごいって思いました。だから、何かを隠したりとか抑えたりとかしようとせずに、ありのままに全部出せると思って歌ってます。

チャンベイビー:サビは草野さんから「一音一音殴るように」っていう感じでディレクションしてもらって。悔しさだったり、寂しさだったり、いろんな感情が歌詞にあると思うんですけど、全部の気持ちを込めて、殴るように歌おうって思いました。

―最後に、2025年のGANG PARADEに懸ける想いを聞かせてください。

アイナスター:2024年は変化が多い年だったのですが、それをバネにしてすべてをものにします。

キャ・ノン:2025年は「遊び場」をつくり続けていく。その場所が、いろんな人にとっての「どんなときも笑顔になれる場所」になれるようにがんばります。

チャンベイビー:今年はGANG PARADEとしていろいろ変化もありましたが、思い返せば新しく挑戦させてもらったことがたくさんあった年だったので、もっといろんなことに挑戦して、何事もみんなで楽しんでいけたらいいなと思います。

ユイ・ガ・ドクソン:最高の遊び場はつくったから、来年はそれを超えていく最強の遊び場をつくりたいです。あと、みんなの走馬灯に出てくるようなものを3つぐらいやりたいです。

月ノウサギ:もっと大きな場所に立ちます。想像を超えるGANG PARADEになれるようにがんばります!

リリース情報
『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』

リリース日:12月25日(水)
価格:1200円(税込)
プロフィール
GANG PARADE

ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスターの11人からなるアイドルグループ。コンセプトは「みんなの遊び場」。



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