©桜井美奈/小学館 ©2025 WOWOW/FCC
『連続ドラマW-30「殺した夫が帰ってきました」』が7月からWOWOWで放送・配信される。
原作は桜井美奈の同名小説。殺したはずのDV夫が記憶をなくした状態で現れ、共同生活を送ることになり、やがてかつて知ることのなかった夫の温かな一面、衝撃の真実が明らかになるというあらすじだ。全6話。
主人公・鈴倉茉菜役を演じるのは、連続ドラマ単独初主演となる山下美月。アパレル会社でデザイナーを志す茉菜は、入社して1年半、アシスタントとして努力を重ね、デザイナーデビューも射程圏内におさめて希望に胸を躍らせるが、日常的に暴力をふるう夫をある出来事を機に殺害し、過去を隠して平穏に暮らしているという秘密を抱えている。
脚本は『イチケイのカラス』シリーズの浜田秀哉と、『ライオンの隠れ家』の一戸慶乃が担当。監督は『オールドファッションカップケーキ』などの加藤綾佳が務める。
【山下美月のコメント】
・オファーを受けた際の気持ち
WOWOWのドラマ作品は、とても丁寧に作られている印象で、初出演することができてとてもうれしかったです。
頼りない主演だったと思いますが、自分の未熟さをスタッフの皆様が映像を通して素敵に活かしてくださったと感じております。
・原作・ドラマの脚本を読んだ感想
原作を読ませていただいた時は、二転三転する展開に静かに感情を揺さぶられつつ、これを希望と呼ぶのか絶望と呼ぶのか?考え続けていました。ドラマは全6話で、より展開が分かりやすく進んでいくので、毎話登場人物たちの印象が変わっていくと思います。
・“夫を殺した”という壮絶な秘密を抱えているヒロイン・茉菜をどんな人物だととらえているか。また、演じる上で心掛けたこと、難しかったこと、悩んだこと
「SOSを出せない人間」だと思っています。監督に現場やモノローグ収録でよく言われたのが、“感情をなるべく出さないでほしい”ということでした。茉菜はストーカーに襲われた時ですら、大きな声で助けを求めることが出来ません。一度も泣き喚いたり、叫んで取り乱したりしないんです。ただ、生きているだけ。人生をつまらないと思っている訳ではなく、自分のような人間が存在していてはいけないと信じているからです。幼い頃から常に諦め続けなければいけない道を歩んできたが故の、哀しさだと思います。
・印象的な撮影時のエピソード
このまま息ができなくなってしまうのではないかと思う程、寒さが厳しい日に泥の上に這いつくばっていた時は、意識が遠のいていくのがすごくリアルでした。
最後の大事なシーンの時に、あまりに風が強くてほぼ声が聞こえない状態でやっていたのも、印象深いです。
・視聴者、ファンの皆様へのメッセージ
観てくださる方それぞれの受け取り方があると思います。
茉菜の味方になってほしいというわけではなく、この作品を通して自分がこの世に存在しているという認識が、より濃くなるような作品になってほしいです。
闇の中にある光を是非この作品から見つけていただけますと幸いです。
【桜井美奈のコメント】
映像化のお話をいただいたとき、文字だから表現できたと思っていた物語が映像でどう再現されるのか、正直なところ不安と期待が入りまじった気持ちでした。しかし脚本を読んだ今、その不安は楽しみに変わりました。
主役の『鈴倉茉菜』は、「これでもか!」と思うほどの苦境に追い込まれます。それでも、前へ進もうとする彼女には、芯の強さを感じさせる方に演じていただきたいと思っていました。主演の山下美月さんには、以前ドラマで拝見した際からその芯の強さを感じており、茉菜の持つ弱さと強さの両面を見事に表現してくださると確信しています。彼女が演じる茉菜に、大きな期待を抱いています。
【加藤綾佳監督のコメント】
最初に原作を開いた際、時間を忘れて一気読みするほどストーリーに引き込まれました。最後のページを閉じ、イチ読者として余韻に浸ってから数分後、ふと我に返り、この作品のメガホンを私がとるのか…、と気合いと緊張が入り混じった気持ちになったことを今でも覚えています。
常に張り詰め続ける緊迫感やいくつもの予想外の展開をいかにして描いていくか。脚本をいただいてから完成を迎えるまでひたすら考え続ける毎日でしたが、自身と同じくらい熱量を込めて茉菜を演じ切ってくださった山下美月さんと共に、作りあげることができたかなと思っています。
ぜひ、お楽しみいただけますと幸いです。

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