THE NOVEMBERSと志磨遼平によるコラボ、ふたたび
4月22日に開催されるCINRA.NET主催の音楽イベント『CROSSING CARNIVAL』。すでに出演アーティストが発表されているが、そこには、普通のライブイベントともフェスとも違う、『CROSSING CARNIVAL』ならではの魅力がある。それは、「コラボレーション」。この日、この場所でしか見られない、世代もジャンルも超えたアーティスト同士の貴重なコラボレーションが展開される。
数あるコラボレーションのなか、この記事でピックアップするのは「THE NOVEMBERS×志磨遼平(ドレスコーズ)」。いまの日本のバンドシーンのなか、特異な活動を続ける2組の競演だ。
実は、この2組がともにステージに立つのは、今回が初めてではない。2014年に志磨以外のメンバー3人が脱退して以降、ライブやレコーディングのメンバーを流動的に変えながら活動を行っているドレスコーズだが、2015年10月に開催された『MEGA☆ROCKS'15』と、Plastic Tree主催のイベント『虚を捨てよ、町へ出よう』に出演した際、志磨のバックバンドを務めたのが、THE NOBEMBERSだった。
ちなみに、このときのドレスコーズの通称は「the dresscodes noir(ノアール)」。今回の『CROSSING CARNIVAL』では、逆に、THE NOVEMBERSのステージに志磨がゲスト参加する形となる。
豊洲PIT終了。これがわたし×THE NOVEMBERS、名付けて the dresscodes noir(ノアール)でした。 pic.twitter.com/onXSGnB9zG
— 志磨遼平(ドレスコーズ) (@thedresscodes) 2015年10月12日
この日、2組が交わるステージでは音楽以上の「何か」を目撃することとなる
既に交流があり、世代も近しい2組。彼らのこれまでの歩みは、表面的に違う部分もあるが、奥底では繋がっているという印象を受ける。
2000年代後半にギターロックシーンの新鋭としてデビューしながらも、徐々にその活動を独創化させていき、自主レーベルの設立や「MAGNIPH/HOSTESS」から初の日本人アーティストとして作品をリリースするなど、作品性も活動も、日本のバンドシーンから逸脱した存在感を放ってきたTHE NOVEMBERS(参考記事:THE NOVEMBERSが勝負の時 成功を求めるまでの10年には何が?)。
毛皮のマリーズとして地下ロックシーンで凶暴な存在感を放ちながら、メジャーデビュー以降は世の中を翻弄するような作品を連発。さらにマリーズを唐突に解散させドレスコーズを結成してからは、世を翻弄するだけでなく、まるで自己破壊すら繰り返すかのような活動を繰り広げてきた志磨遼平(参考記事:ドレスコーズ志磨遼平が、長髪に別れを告げた理由を語る)。
この数年間における2組の歩みは、大型フェスが勃興し、もはや「形骸化した」といっても過言ではない日本のロックシーンに対するオルタナティブの提示であり、「アーティストとはなにか?」「ロックンロールとはなにか?」と問いかけるような批評でもあったとも言える。この2組の間にシンパシーがあるとすれば、音楽性以上に、唯我独尊な表現者としての生き様そのものにあるのではないだろうか。
THE NOVEMBERSと志磨遼平、リリースされる作品1作1作が常に「実験」であり、紛れもない「表現」であり続けている2組だ。他の何者でもない、あくまで自分自身の内面性に忠実にあり続けるがゆえに生まれる「歪さ」を、恐れることなく音楽に昇華してきた彼らが邂逅を果たす。この日は、ステージ上にいる5人の、その内側に煮えたぎるマグマのようなロックンロールを目撃してほしい。
『CROSSING CARNIVAL』タイムテーブル(サイトを見る)
- イベント情報
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- 『CROSSING CARNIVAL'18』
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2018年4月22日(日)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest、duo MUSIC EXCHANGE
出演:
KOHH
Chara×韻シストBAND
GRAPEVINE(ゲスト:康本雅子)
大森靖子(Crossing:world's end girlfriend)
藤井隆
おとぎ話(新作の完全再現ライブ)
前野健太
Awesome City Club feat. Jiro Endo
world's end girlfriend × Have a Nice Day!
THE NOVEMBERS(ゲスト:志磨遼平(ドレスコーズ))
GAGLE(ゲスト:鎮座DOPENESS、KGE THE SHADOWMEN)
DADARAY(ゲスト:藤井隆)
WONK
Tempalay
King Gnu
LILI LIMIT(Crossing:牧野正幸)
Emerald(ゲスト:環ROY)
料金:前売6,000円 当日6,500円(共にドリンク別)
- プロフィール
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- THE NOVEMBERS (ざ のーべんばーず)
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2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP「THE NOVEMBERS」でデビュー。様々な国内フェスティバルに出演。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には「FUJI ROCK FESTIVAL」に初出演。海外ミュージシャン来日公演の出演も多く、RIDE, TELEVISION, NO AGE, Mystery Jets, Wild Nothing, Thee Oh Sees, Dot Hacker, ASTROBRIGHT, YUCK等とも共演。小林祐介(Vo/Gt)はソロプロジェクト「Pale im Pelz」や、CHARA, yukihiro(L'Arc~en~Ciel), Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO`s bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画「ラブ&ピース」にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsをはじめ数多くのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2015年10月にはBlankey Jet CityやGLAYなどのプロデュースを手掛けた土屋昌巳を迎え、5th EP「Elegance」をリリース。2016年は結成11周年ということで精力的な活動を行い、Boris,Klan Aileen,MONO,ROTH BART BARON,ART-SCHOOL,polly,Burgh,acid android,石野卓球,The Birthday等錚々たるアーティストを次々に自主企画「首」に迎える。2016年9月に6枚目のアルバム「Hallelujah」をMAGNIPH/HOSTESSからの日本人第一弾作品としてリリース。11周年の11月11日新木場スタジオコーストワンマン公演を実施し過去最高の動員を記録。2017年FUJI ROCK FESTIVAL WHITE STAGE出演。
- 志磨遼平 (しま りょうへい)
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1982年、和歌山県出身。ミュージシャン・文筆家・俳優。2006年「毛皮のマリーズ」としてデビュー。6枚のオリジナル・アルバムを残し2011年、日本武道館公演をもって解散。翌年「ドレスコーズ」結成。シングル「Trash」(映画『苦役列車』主題歌)でデビュー。アルバム2枚、E.P.1枚を発表後、志磨遼平のソロプロジェクトとなる。その後3枚のアルバム、3枚のライブ映像作品を発表。シングルに「トートロジー」(アニメ「トリコ」ED主題歌)、「人間ビデオ」(フル3DCG映画『GANTZ:O』主題歌)、「コミック・ジェネレイション」(映画『溺れるナイフ』主題歌)がある。コラム等の文筆活動のほか、近年は俳優としてWOWOW連続ドラマW『グーグーだって猫である2 -good good the fortune cat-』、映画『溺れるナイフ』にも出演。2018年、初の音楽監督作品『三文オペラ』(ブレヒト原作・KAAT)上演。5/9、おもに志磨が歌唱の全21曲収録『ドレスコーズの《三文オペラ》』発売。
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