様々な黒人クリエイターに光当てる。彼らの物語が語られることの重要性
Netflixが『A Great Day in Hollywood』と題された映像を公開。俳優や監督、プロデューサーら47人の黒人のクリエイターと共に力強いメッセージを発信した。
『A Great Day in Hollywood』は、現地時間の6月24日に行なわれた『BET Awards』の授賞式で初公開されたもの。Netflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス』のルーカス役で知られるカレブ・マクラフリンのナレーションによって「This is not a MOMENT. This is a MOVEMENT.(これは一時的なものではない。これはムーブメントだ)」といったステートメントが語られている。
マクラフリンを中心に建物の階段に47人のクリエイターたちが集っている構図は、1958年にニューヨークのハーレムで写真家のアート・ケインによって撮影された、57人のジャズミュージシャンの集合写真『A Great Day in Harlem』にインスピレーションを受けている。『エスクァイア』誌の「ジャズ黄金時代」特集に掲載された57人のレジェンドの集合写真にオマージュを捧げながら、ハリウッドにおいて黒人の人々の物語が語られることの重要性をアピールし、Netflix作品に携わる様々な黒人クリエイターの才能に光を当てる内容になっている。
写真撮影はクワク・アルストン、映像はThe InternetのPVなどを手掛けているレイシー・デュークが監督した。
『A Great Day in Hollywood』の映像を監督したレイシー・デュークと、ナレーションを務めたカレブ・マクラフリン
スパイク・リーやエヴァ・デュヴァネイ、『13の理由』キャストも参加
映像に登場するのは約20以上のNetflixオリジナルの作品に携わる47人。先述のカレブ・マクラフリンをはじめ、スパイク・リー(『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』)、リナ・ウェイス(『マスター・オブ・ゼロ』『親愛なる白人様』『ステップ・シスターズ』)、エヴァ・デュヴァネイ(『13th ―憲法修正第13条―』)、ラバーン・コックス(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』)らが参加している。
さらに『ストレンジャー・シングス』からルーカスの妹エリカ役の子役パライア・ファーガソンも参加。また日本でも人気の高い『13の理由』からはジェシカ役のアリーシャ・ボー、シェリ役のエイジオナ・アレクサス、ポーター先生役のデレク・ルーク、マーカス役のスティーヴン・シルバー、ニーナ役のサマンサ・ローガンが登場している。また『GLOW』『リバーデイル』『Marvel ルーク・ケイジ』といった作品のキャストやクリエイターの姿も確認できる。
右から『ストレンジャー・シングス』のサマンサ・ローガン、スティーヴン・シルバー、アリーシャ・ボー、デレク・ルーク、エイジオナ・アレクサス『リバーデイル』『オルタード・カーボン』に出演しているヘイレイ・ローのTwitterより
ヘイレイ・ローのTwitterより。左は『ストレンジャー・シングス』エリカ役のパライア・ファーガソン
多様なバックグラウンドの人々の物語を伝えてきたNetflixのコンテンツ
「Strong Black Lead」というNetflixのキャンペーンが主導したこのプロジェクトは、Netflixがこれまで多くの黒人の人々の物語を伝えてきたということに光を当てる一方、今後もオリジナルコンテンツなどを通してその取り組みを続けていくということの宣言とも受け取れる。事実、この映像に参加している顔ぶれとその作品を見ると、白人だけでなく多様な人種、性別、性的指向の人々の物語がNetflix作品では描かれていることがわかる。
映画やドラマの制作に携わる人々、そしてそこで語られる物語の多様性の問題については、Netflixのような新たなプラットフォームの努力もあって以前よりも状況は良くなっているだろう。しかしまだまだ改善の余地があるからこそ、このようなキャンペーンが必要とされたのだとも言える。Netflixと47人のクリエイターによる『A Great Day in Hollywood』は「This is not a MOMENT. This is a MOVEMENT.」の言葉通り、さらなる大きなうねりとなってより多くの人々の声を与えてくれる力強いステートメントだ。
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