急激な再開発が進み、様々な国籍の人々が共存する渋谷。そのど真ん中で開催される「国際音楽祭」
来春4月に渋谷ストリームホールで開催される国際音楽祭『SOMEWHERE,』。5日間の公演を行うPhoenixや、先日の『グラミー賞』で『Woman Worldwide』が「Best Dance/Electronic Album」に選ばれたJusticeなど、世界のトップアクトが連日ライブを行い、さらには、アラン・マッギーらが登場するDJパーティー、映画の上映、アートインスタレーションなど、様々なプログラムが予定されているという。「国際音楽祭」と銘打たれているように、いわゆるフェスやイベントとは異なる視点を持っているであろう『SOMEWHERE,』の主催者であるECSに、その開催意図を伺うべくメールインタビューを行った。
ECS:『SOMEWHERE,』は渋谷のど真ん中で開催される国際音楽祭です。特別な文化的体験を求めるコスモポリタン(世界的視野と行動力を持つ人)が、渋谷を一選択肢として、世界中から訪れる。そんな国際的な音楽祭となるようにプログラムし、キャスティングしました。
2020年の東京オリンピックに向けて急激な再開発が進み、様々な国籍の人々が共存する現在の渋谷で開催することは、「国際音楽祭」と銘打つ『SOMEWHERE,』にとって大きな意味がある。会場となる渋谷ストリームホールは渋谷駅直結の多目的ホールで、昨年9月にオープンしたばかりの最新スポットだ。
ECS:渋谷ストリームホールを会場に選んだのは、渋谷のど真ん中、都心でのコミュニケーションが気持ち良いと考えたのが1つの理由です。2つめの理由は、わずか700名収容の会場ですから、アーティストの生の佇まいやエネルギーが間近で感じられる特別なセットを実現出来ると考えたからです。
アーティストを間近で感じるライブはもちろん。その日中を楽しめるようなフードやアートも
『SOMEWHERE,』はフェスやイベントのように1日に沢山のアーティストが出演するというわけではない。前述の通り5公演を行うPhoenix、Justice(DJセット)をはじめ、The Libertines / Dirty Pretty Thingsのカール・バラーや、Friendly Firesが2公演を行い、さらに、6月にはBasement Jaxx(DJセット)が3公演を行うことも決定している。どれも700名というキャパではなかなか見ることのできないアクトばかりだ。
ECS:昨年、ニューヨークのブロードウェイで、ブルース・スプリングスティーンのロングラン公演が絶賛され『トニー賞』(アメリカの演劇やミュージカルに与えられる賞)を受賞しました。すぐそこでブルースの生の声を聴いたオーディエンスはとても貴重な体験だったと思います。ロンドンのウエストエンドのシアターでも毎日上質なプログラムが上演されています。
世界の主要都市には、常に国際的なエンターテイメントとアートが溢れています。東京でも、できることなら毎日、渋谷で上質な文化的体験が楽しめるよう、キャスティングに努めています。
公演のチケット代は9900円から12900円と、通常のライブよりはやや高め。しかし、「わずか700名収容の会場で、アーティストのエネルギーが間近で感じられる特別なセットをお届けするために、最善を尽くしている」との言葉通り、アーティストと協力しながら、ライブはもちろんフードやアートインスタレーションなどによって、その日1日を楽しめるようなプログラムを考案しているとのことだ。
ECS : アーティスト自身が持ち込むスペシャルなワインやお酒、アーティスト自身が提供するジェラートやonigiri、アートやエンターテイメントを用意して、一日中そこに居て楽しめるように、アーティストと共に様々なメニューを準備して昼間からのオープンを予定しています。
いままで日本にはなかった、真にボーダーレスなイベントとなり得るか?
『SOMEWHERE,』は「国際音楽祭」というだけあって、世界中の都市をツアーする計画があり、年内にはロンドンのシアターにてロングラン公演を行う予定。2010年代のフレッシュなアーティストからレジェンドまでをキャスティングしていくという。
ECS:1994年から数年間の当時のロンドンは、保守党から労働党へ大きな政権交代が行われ、クール・ブリタニアが流行語でした。スカイTVが強引にプレミアリーグを作り、OasisやMassive AttackやTomatoがクールな英国を体現していました。「僕たちの世代ならなんでもできる」「とにかくやってみよう」、そんな空気が溢れていました。若き日本人のボヘミアンが当時のロンドンやニューヨークには沢山いましたし、その時代から、アラン・マッギーをはじめ様々な同胞と、今も変わらず至近距離で同時代を生きているんです。
現在、ニューヨークもロンドンも、若者の時代になりました。人口的にも若者の有権者が多数派で、日本の現状とは、かなりの温度差がある。でも、東京もニューヨークやロンドンと同様、独自の文化を持つ地方都市です。窮屈なローカルに固執しない僕たちの視点で、世界中でプレイするプログラム、それが『SOMEWHERE,』の本質であり、これから都市とプレイヤーとオーディエンスに最善のプラットフォームを提供していきます。
4月の開催に向け、今後も様々な発表が予定されているという『SOMEWHERE,』。これまでの日本にはなかった、真にボーダーレスなプログラムとなり得るのか、その動向を注視していきたい。
- イベント情報
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- 『SOMEWHERE,』
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2019年4月19日(金)、4月20日(土)、4月22日(月)~4月24日(水)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:Phoenix
料金:12,900円(5Fパーティーエリアでのウェルカムスパークリングサケ付)2019年4月21日(日)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:アラン・マッギー and more
料金:9,800円(ウェルカムスパークリングサケ付)2019年4月26日(金)、4月27日(土)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:カール・バラー
料金:12,900円(5Fパーティーエリアでのウェルカムスパークリングサケ付)2019年4月26日(金)、4月27日(土)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:Justice
料金:10,000円(5Fパーティーエリアでのウェルカムスパークリングサケ付)2019年4月28日(日)、4月29日(月・祝)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:Friendly Fires
料金:9,900円(5Fパーティーエリアでのウェルカムスパークリングサケ付)2019年6月5日(水)~6月7日(木)
会場:東京都 渋谷ストリームホール
出演:Basement Jaxx
料金:9,900円(5Fパーティーエリアでのウェルカムスパークリングサケ付)
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