異端のアイドルグループBiSのマスコットにして悩み多き20歳の女子、のぞしゃんことヒラノノゾミが各界の著名人に人生相談して回る本連載。第1回目のゲストは『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』や『ピューと吹く!ジャガー』などの代表作を持つ漫画家・うすた京介さんです。BiSのファンであることを公言しているうすた氏が、のぞしゃんの悩みを一刀両断……してくれる!?
誕生日/1992年5月15日
愛 称/「のんちゃん」
マイペース担当。座右の銘は「きりたんぽうめぇよ?みんな、秋田のことなめたらのんのんのん!のんちゃんこと、ヒラノノゾミです。」
1974年生まれ。漫画家。主に『週刊少年ジャンプ』でギャグ漫画を発表。1996年に『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』でデビュー。その他、代表作に『ピューと吹く!ジャガー』がある。
インタビュー・テキスト:南波一海 撮影:菱沼勇夫
ヒラノ:うすた先生が最初にTwitterで私たちのことをファンだって仰ってくださったじゃないですか。BiSを知って下さったきっかけはなんですか?
うすた:音楽関係の動画を見てる時に、たまたま”nerve”のPVか何かを見て、いいなって思って。で、色々見てたら、ももクロを追っかけしてたやつがありましたよね。
ヒラノ:突撃しましたね。
うすた:みんなコスプレして。サザエさんです、孫悟空ですって。のんちゃんなんだっけ?
ヒラノ:草間彌生。
うすた:そうそう、草間彌生ですっていうのを見た時に「これはすごい」と思って(笑)。草間彌生って別にコスプレの対象にならない人だから、すごいアイドルがいるなと思って、そこから色々見始めたんです。で”primal.”で曲が好きになって、いつのまにかCD買ってて。
―色々アイドルがいる中で、BiSのどんなところがよかったですか?
うすた:もともとアイドルってあまり見たことがなくて、Perfumeが好きなくらいだったんですけど、Perfumeはそんなにアイドルっぽくないじゃないですか。アイドル見てみようかなって漁ってた時期があったんですけど、その時は音楽にあまり食いつけなくて。でもBiSは音楽的にはアイドルっぽくない曲なので、入りやすかったですね。
ヒラノ:ありがとうございます。
―ありがとうございますの一言だけ(笑)。
うすた:おれしか喋ってないことになっちゃう(笑)。
ヒラノ:じゃあ、それまでうすたさんはアイドルさんにはあんまり興味のないまま、バンドさんとかを聴いてらっしゃったんですか?
うすた:うん、だいたい邦楽のロック系のバンドばっかり聴いてて。で、若干洋楽に行ったりしたんですけどちょっと飽きて、いまアイドルばっかり聴いてる。最近はハロプロばっかり。BiSきっかけでハロプロに行きついたんですよ(笑)。
ヒラノ:すごい! 嬉しいですね。
うすた:ハロプロ聴くと、なんでも聴けますね。もう全アイドルの曲を聴けるようになっちゃって。東京女子流とかもそうだし、ももクロも好きです。
ヒラノ:すごい、たくさん聴いてらっしゃるんですね。
うすた:のんちゃんの草間彌生きっかけでこんなことになって(笑)。
ヒラノ:今って楽曲が良いアイドルさんたち増えてますもんね。
うすた:そうですよね。とは言っても、やっぱ普通にアイドルを聴いてない人たちからすると多分、ハードルがあると思う。BiSは丁度その中間ぐらいだったから、BiSが好きになるまではやっぱり壁は感じてましたよね。
ヒラノ:おー。本当に取り払えたら嬉しいですよね。
うすた:そうですよ、取り払える存在だと思いますよ。
ヒラノ:嬉しいです。あの、私ってこんなキャラクターですけど、私とお付き合いしたいなと思って下さったことありますか?
―いきなりすごい質問(笑)。
うすた:いやいや、それはみんなそうなんじゃないんですか?(笑)
ヒラノ:ほんとですか?
うすた:いや、全然、可愛いと思いますよ。
―その辺がのんちゃんの悩みだったりするんです。
うすた:え、そうなんですか?
ヒラノ:はい。最近BiSは新メンバーを加えて5人組になったんですけど、Twitterとかでファンの人たちがそっちに流れようとしていて…。
うすた:新メンバーに行っちゃうと。
ヒラノ:「推し変」っていうのがBiSでも行われるようになってきてるんです。
―例えばTwitterを見てると、プロフィールに「ヒラノノゾミ推し」って書いていたファンが、いつの間にか新メンバーに流れてたりとか。それを今ちょっと気にしてるんです。
うすた:そうなんですか。でもそういうもんじゃないの? アイドルファンって。結構フラフラするでしょ?(笑) おれもフラフラするし(笑)。
―今はみんな誰でも好きって状態ですよね。でもやっぱり本人からしてみると、それは。
うすた:嫌だと。
ヒラノ:前に優しくしてくれてた人が、新メンバーのアイコンにして、名前も変えて、私へのリプライがそっけなくなって。あーそういうことなんだなって。
うすた:そっかー、それはショックだろうねぇ。漫画家だとそういうことをいちいち報告してくれる人もいないですからね。だから、気づかないうちに離れていってるんだね、おれらの場合は。だからあんま気にならないんだけど、そういうの露骨に見ちゃうとたしかに気にするかもしれないですね。
ヒラノ:そうですねぇ。
うすた:でも、『ONE PIECE』の尾田栄一郎さんも、ファンっていうのは常に入れ替わっていくものだと言ってましたよ。新しく再生されていくもんだから、新規のファンがどんどん増えてくれればいいわけだし。
ヒラノ:新規獲得できますかね?
うすた:いや、できるでしょ(笑)。でも人数増えちゃったもんね。選択肢が増えちゃった。
―逆に、どうして流れていっちゃったんだと思います?
ヒラノ:やっぱり、オタの人もがっつくじゃないですか。リプライちょうだい、どういう子か知りたいから教えてーみたいな。それで新メンバーの子も頑張るんですよね、最初は、Twitterのリプライを。やっぱりリプライもらえるのってすごく嬉しくて重要なことなんだろうなって思いましたね。
うすた:でも、どうにもできないよね。いいんだよ、そういう人はそういう人で、また戻ってくるかもしれないし。色々だと思うんだよ、その時その時で。それこそ最近ハロプロのMV見てると、それぞれのソロバージョンとかあるでしょ? 一個一個見てると、そのとき見てる人のことが好きになるから、やっぱり(笑)。
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