秘密ロッカーのヒミツ大捜索

秘密ロッカーのヒミツ大捜索 第4話:不法侵入中に、HIROKIさん(Dragon Ash)へインタビュー

不法侵入中に、HIROKIさん(Dragon Ash)へインタビュー

秘密ロッカーを(Dragon Ashの)オープニングに出したいって話したときに、やっぱりどよめきはありましたよ。

「30代の10年はほとんど休みがなかった」というHIROKI氏。当時と比べれば全然時間があるとは言うものの、現在もワーカホリックっぷりは相変わらず。4組の新人アーティストのプロデュースを手がけ、作曲チーム「CELL No.9」で関ジャニ∞やアイドリング!!!、hitomiなどといったアーティストに楽曲提供もしているという。そしてその中で、ひときわ力を入れているのが本連載の主役である秘密ロッカーだ。

タナカ

―もともと秘密ロッカーとの付き合いは、Dragon Ashのツアーでオープニングをやるバンドを募集したところから始まってるんですよね?

HIROKI

HIROKI:うん。あのとき、関東だけで400くらい応募があったんだけど、そこからYouTubeに映像をアップして、投票してもらって。その中から何組かに、客も入れたライブハウスで演奏してもらって、そこにDragon Ashのメンバーもお忍びで見に行ったの。そのときに通路でおどろおどろしいメイクしたライオン丸みたいなヤツが寝っ転がってたんだけど、それがアッキー(野村有希:ドラム)だったんだよね(笑)

タナカ

―それが秘密ロッカーとの最初の出会い?

HIROKI
HIROKI

HIROKI:そうだね。「いまどきこんなヤツらいるんだ?」って。けっこうライブハウスは行くほうなんだけど、みんな流行りを追いかけてる感じばっかりでしょ。だけど、「コイツらはどこでこんな音楽をひたすらやり続けていたんだろう?」って。化石のような感じもしつつ、真新しさもあって。一番印象的だったのが、そういうのにあんまり興味のないBOTS(Dragon Ash)が客席でノリノリだったんだよね。こういう人にもちゃんと刺さるんだなぁと思って。で、案の定、最終選考してるときに、俺とBOTSが秘密ロッカーをゴリ押しして。

タナカ

―他はどんなバンドが多かったんですか?

HIROKI

HIROKI:普通にミクスチャーのバンドとかもいたし、DJとMCのユニットもいたし。モデルさんがやってる小洒落たロックバンドとかも。いろいろだったね。

タナカ

―そんなライバルたちの中で秘密が優勝した。

HIROKI

HIROKI:秘密をオープニングに出したいって話したときに、やっぱりどよめきはありましたよ。「確かによかったけど、果たしてオープニングに使っていいのか!?」って。でも、そういうバンドをピックアップするのが趣旨だったから、例えお客さんにドン引きされても、それが経験になればOKっていう結論になったんだよね。

いやぁ、頑固だよ。俺の意見もけっこう却下されてるから(笑)。

見事、オーディションを勝ち抜いた秘密ロッカーは、「タモが俺のエフェクター踏むんじゃないかってくらいブチ切れてた」とHIROKI氏が苦笑するほどの激しいパフォーマンスで、2011年1月にSHIBUYA-AXで行われたDragon Ashのライブのオープニングアクトという大役をこなし、改めてその評価を確たるものにする。そしてそれから約1年後の2012年2月、HIROKI氏プロデュースのもと、初めてのCDをリリースするのだが、レコーディング現場はHIROKI氏も驚かされることの連続だったそうだ。

タナカ

―HIROKIさんがプロデュースすることになったのは、どういう経緯で?

秘密ロッカー
HIROKI

HIROKI:俺と桜井くんとかで「中野会」という安くておいしい店で酒を飲む会を月1くらいでやってるんだけど、西荻窪でやったときに「そういえば秘密ロッカー、この辺だよな?」って話になって、スタッフに連絡してもらって彼らを呼んだんだよ。そしたらタモとアッキーが来て、「今度CDを作ってみようと思うんです」って言うから、「じゃあ俺、手伝うよ」って。そこで連絡先を交換して、俺がリハーサルを見に行って。最初はよその人が入ってくるのをアッコが嫌がってたんだけど(笑)、一緒にアレンジを詰めていくうちに手応えを掴んだみたいで、受け入れてくれるようになって。

タナカ

―もうちょっと大人の事情的なものがあるのかと思ったら、そんな経緯だったんですね! レコーディングの際、アドバイスとかもされたんですか?

HIROKI

HIROKI:やっぱライブの感じを出したいねって。これは本人たちもずっと言ってたことだけど、「きれいに録れなくてもいいから、ライブの熱量を出したい」って。あとはほんとアドバイス程度だね。そもそもアイツら、アレンジ力が高いんだよね。技量がない分をアレンジで補ってる。アッキーはまともなパターンは叩きたくないっていうタイプだから、なんかおかしなことをやってることが多いんだけど、そこにおかしなフレーズを弾くタモがいて、そのおかしな二人の手綱を取っているのがミック。バランスがいいんだよね。全員が違う拍子をとってるみたいなときもあるんだけど、全体で聴くとちゃんとバランスが取れてて。その中で普通に歌えるアッコもすごいけどね。

タナカ

―メンバーは頑固そうなイメージがあるんですけど、その辺はどうなんですか?

HIROKI

HIROKI:いやぁ、頑固だよ。俺の意見もけっこう却下されてるから(笑)。「ここ、ちゃんとハモれば?」って言ったら、「ちゃんとハモるとポップになっちゃうから、ちょっと濁ってたほうがいいんです!」みたいな。確かにアイツらの場合、ちゃんとやりすぎるとつまらなくなるから、そういう部分を活かすようにはしてるかな。タモは面白いリフを考えるヤツだから、普通にコードを弾かせるよりも、なるべく「らしさ」を出すように言ったり。そうすると案の定面白いフレーズを考えてくるんだよ。だから、基本的に伸び伸びやらせてるね。

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