MACHI caféとの特製タンブラーは小さな「船の街」
今後もますますの活躍が期待される本城さん。その最新の挑戦のひとつが、ローソンのカフェサービス・MACHI caféとのコラボレーションによる、アーティスト特製タンブラーです。撮影場所は、奇しくも先ほど教えてもらった「転機の地」北欧スウェーデンです。
本城:このタンブラーには、スウェーデン南部の街・マルメを訪れたときにヘリコプターから空撮した1枚を使っています。平野に小さな家がたくさん並んでいるように見えますが、実はこれボートハウスといって、いわば「船の家」。可愛いらしい建物が整然とならぶ様子は、まさにおもちゃの小さな街のようです。「あなたのマチが、どこでもカフェになる」というMACHI caféのキャッチフレーズにも響き合うかなと思って、選んでみました。
この日は、完成したばかりのタンブラーにMACHI caféのコーヒーを注ぎ、本城さんに味わっていただきました。実際に手にしての感想はどんなものでしょう?
本城:この円筒状のタンブラーに収められると、クルッと手で回しながら写真の風景を眺めることになります。つまり同時にすべては見られなくて、それは街がもともと持つ奥行きや広がりにもつながるんだと気付きました。そうしたことを改めて感じさせてくれたのが面白かったです。
ご自身がコーヒーを飲みたくなるのは「やっぱり、リラックスしたいとき」とのこと。「だからみなさんもこのタンブラーを眺めながらホッとしたり、心地良い気分に浸ったりしながら、好きな場所でコーヒーを楽しんでくれたら嬉しいです」と語ってくれました。
今後は、まだまだ街を撮ってみたいという本城さん。そう話す表情は少年のようです。
本城:撮影してみたい場所ですか? そうですね……海外なら、エジプトのような古代から人間の営みがあった場所にも行ってみたいです。ほかにも色々ありますが、どこに行っても、自分の感じたその街を写真で切り取れたらと思います。街って社会そのものをあらわす存在でもあるし、たとえばジオラマのような写真で眺めることで初めて「こういう都市なんだ」と気づくこともあるはずだから。
そんな本城さんは、人間をすぐ近くで撮るよりも、こうした街や風景を眺める視点のほうが、写真家としての自分の距離感にも合っていると感じるそうです。
本城:親しい人を撮るときや、祖父母と暮らしていたこともあってご老人が相手だと、近くでも緊張せず撮れるんですけど。友人たちにはよく「本城は写真家になれて本当よかった。のんびりしてるし、協調性はないし、ふつうの会社員にはなれないから」って冗談で笑われます。自分ではそんなことないと思ってますよ(笑)。ただ、大学進学前に志した映画のように大勢で物語をつくっていく仕事より、自分には写真が向いているとは思います。写真は撮る者がコントロールできるところと、できないところ、両方のせめぎ合いで常に成り立っている。だからこそ僕はそこで、自分の感じた「街」や「風景」を、まだまだたくさん撮ってみたいんです。
取材に訪れた本城さんの個展会場は、生まれ故郷の東京を中心に、関東各地の都市や住宅街を写した作品で統一されていました。会場の「写大ギャラリー」は、実は母校の東京工芸大の施設。場所も作品も原点を再確認するようなこの個展は、写真家・本城直季のこれからに向け、ひとつの区切りとなるかもしれません。本城さんの写真の旅は、すでに次の目的地へと動き出しています。
本城直季 写真展『diorama』
2012年6月5日(火)〜8月5日(日)
会場:東京都 写大ギャラリー(東京工芸大学・中野キャンパス内)
時間:10:00〜19:00
休廊日:会期中無休
料金:無料
東京工芸大学 本城直季 写真展『diorama』
[当選数] | 10名様 |
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[応募方法] | CINRA.NETのtwitterアカウントをフォローの上、コチラの発言をRT(リツイート)した時点で応募が完了いたします。 |
[応募〆切] | 2012年7月16日(月) |
[注意事項] | ご当選者のみ7月17日(火)にDirect messagesにてご連絡を差し上げますので、「お名前・ご連絡先」をご返信ください。 |
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