ROY (THE BAWDIES)
音楽を深く味わうための4つのリスニング方法
では「音楽を掘り下げる」ことの楽しみ、奥深さを体現するROYさんのリスニングスタイルは、どのようなものでしょうか。移動中にもたくさん音楽を聴くというROYさんのお気に入りのメディアプレイヤーは、ポータブルCDプレイヤー。さらに、音楽を掘り下げていった結果、「今聴き込んでいるのがディープソウルのシングルレコード」。ゆえに自宅ではアナログ盤もよく聴くそうです。これまでROYさんが音楽を掘り下げていくなかで体感してきた、「聴く」楽しみを深める方法をほんの少し伝授してもらいましょう。
ヘッドホンとCDプレイヤーを持ち運ぼう
移動中はヘッドホンとCDプレイヤーを使って音楽を聴いているROYさん。その日の気分によってCDを入れ替え、移動時間が長くなるときには10~15枚ほどのCDを持ち歩いているそう。
ROY:他の音が入ってきちゃうと集中して音が聴こえないので、ヘッドホンをいつも使っています。ヘッドホンで爆音で聴くと、新しい発見もありますしね。パソコンのスピーカーから音楽を流していると、一つひとつの音が聴こえてこなくて、自分たちが演奏したものですら聴き取れないこともあります。いいもので音楽を聴くと、音楽の楽しみ方も増えますし、音楽の聴き方も変わると思うんですよね。
メディアによる音の違いを感じてみよう
同じ曲でも、アナログ盤、CD、配信音源など、メディアによって音が違うという話をよく聞きます。ROYさんも音楽を聴くシチュエーションによって、メディアは使い分けているそうですが、やはり一番好きなのはアナログ盤の音なのだとか。ROYさんはこの取材のために、お気に入りのアナログ盤として、The Sonics『HERE ARE THE SONICS!!!』、エタ・ジェイムズ『Etta James Rocks The House』、SWAMP RATS『Louie Louie』を持ってきてくれました。
ROY:アナログ盤の音には温かみがあるとよく言われますが、実際に同じ曲をCDと配信音源とアナログで聴き比べると、確かにそうだと納得できると思います。僕がよく聴く音楽は海外の古いアーティストが多いので、必然的にアナログ盤が多くなってしまいますが、レコードをかけられるのは自宅にいるときだけ。外でも聴きたい曲やアーティストは、CDとアナログの両方を買いますよ。
同じ曲をいろいろなアーティストで聴き比べてみよう
ROYさん自身、初めて1950年代、1960年代のロックンロールを聴き始めたとき、実際にやっていたのがカバー曲の聴き比べでした。ROYさんがお薦めする音楽掘り下げのファーストステップは、同じ曲をいろいろなアーティストで聴いてみること。
ROY:例えばThe BeatlesやThe Rolling Stonesもそうですが、海外のアーティストは、リスペクトする人や曲をカバーしていることが多いんです。なので、人気のある曲は、何組ものアーティストにカバーされています。人によって、同じ曲でも全く表現方法が違っていて面白いですし、いろいろなアーティストを知るいいきっかけになると思います。アルバムにカバー曲が入っていたら、同じ曲を他に誰かやっていないか探してみると面白いですし、時代を超えたカバーを聴くのも楽しいですよ。
シングルレコード(アナログ盤のシングル曲)を聴いてみよう
ROYさんがアナログ盤をコレクションしている中で、特にこだわっているのが、シングルレコードを集めること。1950年代、1960年代に発売されたアナログ盤の中でも、シングルとアルバムにはどういった違いがあるのでしょうか?
ROY:当時のアーティストは、シングルのリリースを重ねて、いいシングルが集まったベスト盤としてアルバムを出していたので、アルバムを出せているアーティストというのは、人気があった人たちなんです。だから、器用で頭もいいんですよ。でもその一方で、シングルを1枚だけを残して消えていったアーティストが星の数ほどいるんですよね。そういう人たちは、不器用だし、「このシングル1枚で人生変えてやりたい」っていう振り切った熱量が込められていて、1曲1曲がとても濃いんですよ。
英詞のロックンロールで人間性を伝えるために
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