
単語と単語の間にスペースがある英語と違い、日本語は切れ目が無く、文字で埋め尽くされています。それではなぜ、文字で埋め尽くされたページを長時間読み続けることができるのか。そこには、文字情報を人に伝達するために生まれた「組版」のノウハウが詰まっています。切れ目無く並んでいる文字を気持ちよく読者に読ませること、そしてその文章が読者に理解され、また自然に読者の中にイメージが湧き立つよに導くために組版は重要な役割を担っています。


文字は情報を伝達するために、ルール通りに並べられて初めて意味を成します。そして文字をどんなルールに基づいて並べるかによって、相手に伝わる情報やイメージはまったく違うものになります。そのルール作りともいえる「組版」は、どんなことを決めていくのでしょうか。決める主な要素は、書籍、雑誌、チラシなど制作物によって異なります。今回は文字組みの代表格と言える「書籍」の例を次の図で紹介します。

判型(仕上がりサイズ)に対して、版面の占める割合、すなわち「天」「地」「のど」「小口」の空き量が重要です。文字中心の書籍は、判型に対する版面の比率は60%ぐらいが一般的ですが、同じ内容の本でもこの余白の取り方だけで印象は大きく異なります。また、版面、すなわち本文の文字組みも、どんなフォントを使うか、文字サイズ、行長、行送りなどをどの程度にすれば読み易いかを考え、決めていくことも重要です。これらの一つでもバランスが取れていないと何か読み辛いと感じる本になってしまいます。

子どもの頃、升目が並んだ原稿用紙に作文を書いた記憶がある方も多いでしょう。実はこの升目が、組版を考える上でとても重要な要素になっています。日本語のフォントはこの升目に合わせてデザインされており、文章として文字が並んだ際に美しく見えるようバランスを整えられています。
日本語の組版はとても特殊で、「ひらがな/カタカナ/漢字/数字/欧文/約物・印物」など役割の異なる文字が混在しています。これらをうまく組む方法として、まずは升目に一文字づつ、規則正しく並べる「ベタ組」が基本になります。一行に並べる文字数がひらがなが多い行も漢字か多い行も同じに組ことにより、1文字1文字を目で追うことなく、リズム良く読みことができます。
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