また、そんな人生を揺るがすことになった重大な出来事は、もちろん音楽の制作自体にも影響として表れている。取材後に作られた未発表の“首飾り”という楽曲でも、自分が捕われていた鎖を首飾りに見立て、一編の寓話にのせて、凝り固まった価値観からの解放を歌っているという。
現在、Neat'sプロジェクトから4曲の楽曲が公開されているが、これらはまだ「取材前」に作られたものだ。取材後の自分を一言で言うならば、「欲の在り方が変わった」という新津。今後発表される楽曲は、もしかしたらそんな言葉以上に、彼女の変化を感じ取れるものかもしれない。
ちなみに、今のところ「全てを1人でやりきるという点に重要性を感じている」と語るNeat'sプロジェクトだが、このままずっと個人でのDIYな活動を続けていこうと思っているわけではない。彼女の視野は、もっと、もっと先にある。
Neat's:私がいま全部を1人でやろうとしているのは、何が可能で何が不可能か知っておくためなんです。アーティストのアイデアや妄想を実現させようとすると、どのくらいの労力やお金がかかるのか。限られた条件の中で、どこで折り合いをつけるのか。例えばスタッフと話をする時も、そういう視野を持ってみんなと同じ言語で話せたら、私の妄想をより透明度を持って伝えられるってことじゃないですか。
—全部完璧に1人でこなせるようになったとしても、チームは必要ですか?
Neat's:必要、絶対必要。最終的には、絶対繋がらなくちゃ意味がないから。
彼女は、10月から戸高賢史(ART-SCHOOL/Ropes)、林束紗(SCARLET)、tachibana(te')をメンバーに迎えたバンド編成でライブ活動をスタートさせた。
そして、次の連載が公開される頃には、鋭意製作中のアルバムに対する反応も徐々に聞こえてきているだろう。一度、まっさらになったNeat’sは、本当の自分を曝け出せるのか、そして人と、繋がることができるのだろうか。
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