シンプルでクセのある仕事道具
三浦さんの制作スペースは、つい最近引っ越したばかりという都心の閑静なエリアにある一軒家。窓が二重サッシになっていて遮音性が高いのが決め手になったそうです。「機材に対するこだわりはあまりなくて、あるもので作っている」と語る三浦さんが制作に使用する機材は、シンプルながらにクセのあるセレクト。この部屋で三浦さんは曲作りからレコーディング、ボーカル録りまでを行っています。
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KORG「microKORG XL」(限定カラーモデル)
2002年に初代機が登場して以降、コンパクトなルックスにボコーダー機能も搭載した本格的なアナログモデリングシンセサイザーとして、プロ / アマチュアを問わず人気の「microKORG」シリーズ。三浦さんが所有するのは「microKORG XL」という、エレピやオルガンなど、キーボード機能を充実させた限定カラーモデル。現在は生産終了となり、後継機の「microKORG XL+」が販売されています。
三浦:これは2010年くらいから使っていて『CD』(2011年)っていうアルバムの制作でよく使いました。じつはそれまでシンセサイザーを1つも持っていなかったので、初めてのシンセでもあります。いわゆるアナログシンセっぽい音がほしいとき、中でもシンセベースの音が欲しいときによく使っています。
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littleBits「Synth Kit」
littleBits「Synth Kit」は、アナログシンセサイザーに内蔵される各モジュールがバラバラのパーツになっていて、それらを組み替えることでさまざまな電子音を奏でられる電子工作キットです。スピーカーモジュールも用意されており、手軽に生々しいアナログシンセサウンドを発振できるとあって、プロミュージシャンからの注目も集めています。
三浦:これはデザインもいいですし、やっぱりちゃんとシンセの回路を見た目と身体で理解できるっていうのが一番大きいですよね。ツマミやスイッチだけでなく、各モジュールが磁石で繋がっているので、それをくっつけたり離したりすることでも音をリアルタイムにコントロールできます。そういったアナログシンセでは絶対不可能な、思いもよらない演奏法が試せるのは楽しいですね。
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AUDIO CITY「3207」
マスタリングエンジニアとして活躍した故・北村秀治さんが手掛けていた音響機器ブランド「AUDIO CITY」。機材に詳しい人なら知る人ぞ知る、憧れのブランドです。□□□の諸作のミックスやマスタリングを担当した北村さんは、三浦さんとも親交が深かったそう。この「3207」は2チャンネル仕様のマイクプリアンプで、三浦さんのレコーディングには欠かせない仕事道具です。
三浦:commmonsと初めて契約した頃に、このスタジオにあるPro Toolsシステムやモニタースピーカーを北村さんに組んでいただいたんです。僕は人から音楽の制作を学んだりすることはなかったんですが、唯一、音のことについていろいろと教えてもらった北村さんは師匠のような存在だったので、このマイクプリアンプは形見として大切に使っていこうと思っています。
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KAWAI「MP5」
カワイの88鍵仕様のデジタルステージピアノ「MP5」。グランドピアノのタッチ感を再現しつつ、エレクトリックピアノやフェンダーローズやシンセなどの音源を内蔵したライブ向けのモデルです。三浦さんが導入したのは2009年で現在では作曲のメイン機として使用しているモデルです。
三浦:ソフトシンセなども使っていないので、僕にとって鍵盤と言えばまずこれです。MP5の前にもカワイのエレクトリックピアノを使っていました。エレピはローランドやヤマハなども発売していますが、「カワイのエレピって誰も使ってなくない?」って気づいたのが導入のきっかけです(笑)。かなりいろんな曲で、このサウンドを使っていますよ(と言いながら、おもむろに“00:00:00”のイントロを弾き始める)。
ヒネクレた独自のポップセンス、既存の枠やジャンルにとらわれない編集感覚……。三浦さんが培ってきた音楽性は、音楽家でありながらも音楽だけには執着しないという、非常に俯瞰的な視点に支えられています。「音楽にしがみつない」新世代の職業音楽家として、これからもさまざま場所で三浦さんの音楽に出会えることを楽しみにしています。
- コンピューター
- Apple「Power Mac G4」
- DAWソフト
- DIGIDESIGN「Pro Tools|24Mix」
- オーディオインターフェース
- DIGIDESIGN「888」
- DIGIDESIGN「003Rack」
- APOGEE「Symphony I/O」
- モニタースピーカー
- AUDIO CITY
- FOCAL「CMS40」
- ターンテーブル
- TECHNICS「SL-1200 MKIII-D」
- 他、おもちゃの楽器など多数
- ミキサー
- VESTAX「PMC-06 Pro A」
- MACKIE「1402-VLZ PRO」
- サンプラー
- AKAI PROFESSIONAL「MPC 4000」
- シンセ
- KORG「microKORG XL」(限定カラーモデル)
- KORG「volca」(volca keys、volca bass、volca beats)
- KORG「KAOSSILATOR PRO」
- littleBits「Synth Kit」
- キーボード
- KAWAI「MP5」
- マイク
- RODE「NT1-A」
- マイクプリアンプ
- AUDIO CITY「3207」
- ギター
- TAKAMINE
- SEYMOUR DUNCAN「Traditional」
- ベース
- IBANEZ
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三浦康嗣(□□□)/ Various Artists
『WORK』(2CD)
2014年3月12日(水)発売
価格:3,240円(税込)
RZCM-59532/3
[収録楽曲]
[DISC1]
1. Piece of Creation / RYO the SKYWALKER
2. 夏飴(feat. □□□) / AIRA MITSUKI
3. トゥイギー・トゥイギー / 野宮真貴
4. ハッピーバースデー / 環ROY
5. Picture Perfect Love -□□□remix- / m-flo loves MONKEY MAJIK
6. サブマリン -三浦康嗣(□□□)mix / SUBMARINE
7. Break Boy in the Dream feat. 七尾旅人 / 環ROY
8. 雨とやさしい矢 / 坂本美雨
9. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ♪with □□□ / bird
10. 世界で一番君が好き? Funknown mix / 平井堅
11. Style(new born mix) remixed by □□□ / 土屋アンナ
12. Kids / 環ROY
13. WEAR I AM / MEG
[DISC2]
1. Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語 / □□□
2. ラバーガール公演「エマ」オープニングテーマ
3. fantastic DEMO
4. 森永製菓「ウイダーinゼリー」TVCM
5. SPACE SHOWER TV「スペチャ!-SPACE SHOWER MUSIC CHART SHOW-」
6. PSYCHO(FM802「Around the MARK'E SONIC STYLE」テーマ曲) / □□□
7. 森ビル 六本木ヒルズ10th Anniversary 「TOKYO CITY SYMPHONY」ウェブサイト
8. J-WAVE 開局20周年記念 ジングル
9. 宝くじ / □□□×環ROY
10. AEON「トップバリュの自転車」TVCM
11. Tonight (instrumental) / □□□
12. 友達の友達(Performed by ふじきみつ彦、佐藤貴史、大政知己、内田慈)
13. SAMSUNG 「OMNIA POP」TVCM
14. SPACE SHOWER TV「CANVAS」シリーズ
15. natalie interview music / □□□
16. 夙川アトム公演「HIGHLIGHT」オープニングテーマ / 夙川アトム
17. Untitled #1
18. Corona Extra「Corona Music Coaster」ウェブサイト #1
19. 西松屋チェーンTVCM
20. JINGLE BELLS (SAMSUNG「GALAXY X'MAS HUGS」)(Performed by コトリンゴ、五味岳久(LOSTAGE)、ゴンドウトモヒコ、坂本美雨、環ROY、三浦康嗣、村田シゲ)
21. Untitled #2
22. SPACE SHOWER TV「SPACE SHOWER MUSIC UPDATE」オープニングテーマ
23. Corona Extra「Corona Music Coaster」ウェブサイト #2
24. SPACE SHOWER TV「SPACE SHOWER MUSIC UPDATE」エンディングテーマ
25. すみだがわパレード#2
26. 森ビル「考えよう。六本木ヒルズ」ウェブサイト
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