―先日、アルバム『We are 東京カランコロン』の非売品特典グッズとして「東京カランコロン×カランコロン京都 コラボレーションまめ手ぬぐい」を作っていましたね。
いやぁ……、感動でしたね。憧れのバンドと対バンできたときの感動に近いものがありました。
ありがとうございます!
名前の由来がカランコロン京都だってこともずっと隠してたし、それまではバレたらあかんって言ってたから……(笑)。
そうそう。ちょっとした罪悪感をずっと持ちながらやってたので。
まだインディーズの頃に、うちのスタッフが「東京カランコロンっていうバンドがあります」って教えてくれたんですよ。そのときみんなで「頑張ってくれはって、メジャーになったらいいのにな」って話をしてて。そしたらある日「エイベックスさんからお電話です」って言われて、最初は「なんでうちにエイベックスさんから電話がかかってくるんやろ?」と思ったんですけど(笑)。
―伊藤社長は、去年の12月のリキッドルームで東京カランコロンのライブを初めて見たんですよね?
はい、すごく良かったです。ジャケットやファッションを見て、本質的な部分でうちのことを好きだと言ってくれてることもわかって。だから自然と音楽が入ってきたし、観てすぐに「すっごいいいわー」って言ってました。
ありがとうございます!
―特典のデザインはどういうところから作っていったのですか?
デザインは今日同席している彼女がしたんですけど……。
5つの音符で桜の花弁を表現しているんです。実は音符って昔から着物に使われる柄なので、メンバー五人の音を桜で表現しようと思いました。桜のように日本全国、桜前線のような感じで広がっていきますように、という願いが込められた柄です。
ツアーやインストアイベントで全部その話を喋ってます(笑)。
それだけ大事に作って下さったものやからこそ、私らがお客さんにちゃんと伝えるべきやと思うし、それを知った上で、もう1回見て欲しいなと思う。
僕も棚に飾ってますけどね、なんだか惜しくて。
―こうやってじっくり語り合う機会はなかなかないと思うので、お互いに訊いておきたいことはありますか?
自分たちの表現活動とビジネスとしての、売れる・売れないというバランスをどうとってるのか? という話は訊いてみたいですね。
―カランコロン京都さんはどういうスタンスなのでしょう?
僕たちは、できるだけ市場的な感覚を取り入れながらも、自分たちの表現は崩さずにやってます。東京カランコロンは、そういうところでの悩みはありますか? たとえばインディーズとメジャーの違いとか。
関わってくる人が増えるので、その全員に納得してもらえる答えを常に持ってないといけないなっていうのはありますね。インディーズだったら、五人が納得すれば何でもできるんですよ。でも、メジャーになると、事務所やレーベル、プロモーターやラジオなど、いろんな人が納得しないと先に進めない。もちろん市場感覚を取り入れるってことでもあるんですけど、それより「結局なんでこうなの?」って訊かれたときに確実に答えられるようにしとかなきゃいけないというのが大きいですね。
―なるほど。
誰も納得しないものって結局売れないものだと思うんで。でも、東京カランコロンって、メンバー五人の音楽の趣味がバラバラなんですよ。だけどその上で、五人がこう決めましたっていう答えを常に持ってやってきたんです。
アルバムも、曲によって幅がありますよね? そういうところもすごくいいなって思うんですけど。
一辺倒なことをしてるバンドの良さもわかるけど、アルバム1枚に落とし込んだときに、聴き飽きちゃうんですよね。
メンバーみんなそういうタイプだよね。
一本筋でやってるバンドは「これはやらない」って部分がハッキリしてると思うんです。でも、僕らの場合はそうじゃなくて、これもやってみよう、あれもやってみようって、チャレンジしたい。そこをおもしろがれるバンドなんです。それは音楽に限らずアートワークもそう。だからこそ、メジャーに行く意味があったし、今回のこういうコラボが実現したのも、メジャーにきたおかげだと思います。
―いちろーさんから伊藤社長に訊きたいことはありますか?
今、いろんなブランドを立ち上げて、店舗も増やしてますよね。最終的にはどういう目的があるんでしょう? 僕は自分たちの曲を聴いてもらうために、他のバンドやソロとかをやろうとは思わないんです。
世の中との接点を増やしている感覚ですね。自分たちがいいと思うものはより多くの人に知ってほしいし、できることなら共感してほしい。もちろん、無理に接点を作るんじゃなくて、自然と広がるように手助けをするというか。
違うバンドを組むというよりは、いろんなところにCDを置いてみたり、いろんな場所でライブをしてみたり、という感じに近いんですかね?
そうかもしれないですね。うちの会社も東京カランコロンと一緒で、いろんなことやりたいって思う、欲張りな方なんです。
―いろんなタイプの曲をやってる東京カランコロンと共通してるところもある、と。
コアなコンセプトだけを貫こうとすると、削ぎ落とす作業が必要なんですけど、うちはやりたい要素を加えていきながら、全体で共通してるものが伝わればいいやっていうやり方なんです。あんまり戦略的にやり過ぎない。
僕らのアルバムって、突然、全部打ち込みの曲が入ってたりするじゃないですか? それと似てるなと思うことがあって。カランコロン京都にかりんとうが売ってるんですけど、中身をカランコロン京都が作ってるわけじゃないですよね。外装だけですよね?
そうです(笑)。
でもあれ、美味しくて、いつも買っちゃうんです。ああいうところに、すごく共感します。
作ってる人間の気持ちが込められていれば、出口がいろんなところに広がったとしても絶対伝わるはずだと思うんです。なので、あまり狭めすぎないようにチャレンジしてるんです。
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