山口真人さんのヒミツ道具をご紹介!
屋根裏部屋のようなロフトスタジオとヒミツ道具たち
山口さんのアトリエは、自身が経営するデザインスタジオ「IDEASKETCH」の中にあります。都心の静かな住宅街に立つ瀟洒なマンションの一室。真白い壁に囲まれ、螺旋階段を登ったロフト風の2階部分がアトリエです。ホワイトでまとめられた室内は、とてもシンプル。まるでオシャレなカフェのような山口さんのヒミツ基地で、クリエイティブに欠かせないヒミツ道具を見せていただきました。
アクリルの円柱
山口さんの作品シリーズ「Plastic Painting」に欠かせない基本素材となるのが、アクリルでできた円柱。これは2010年より、専門の業者に制作を依頼している特注品。もともと長方形のアクリル塊を、山口さんが注文したサイズに円柱状に加工、研磨してもらっているそうです。
山口:既製品のように見えますが、違うんです(笑)。今手元に置いてあるのはサンプルで、この円柱をいろんな形状に並べてみて、最終的な作品の形を決めていきます。そしてこのシリーズでは円柱と円柱の間にグラフィックを挟んで圧着させて色彩を表現するのですが、圧着はほんの少しの気泡が入っても駄目。業者さんと共にいろいろ検証した結果、アクリルと同じ素材の接着剤を使い、貼り付けるというよりは融合させるようにしました。こればかりは、専門業者にやってもらわないと不可能です。
Canon EOS 5D
写真を趣味とするアーティストは多いですが、山口さんはプライベートで写真を撮ることはまずないのだとか。では何故、アトリエにデジタル一眼レフが?
山口:これは作品を撮影するために、三脚に固定したまま使っています。どうも僕はいくら作品が肉眼で美しく見えても、写真に撮って美しくなければ、完成とは思えないんです。なので、制作途中で何度も写真を撮り、作品がどう見えているのかをチェックします。作り手の主観だけでなく、どこか客観的な視点が欲しいのかも知れませんね。
VOX APACHE-II
VOXの個性的なトラベルギター。ボディのフォルムは1960年代に人気を博したPhantomを再現し、ギターアンプとスピーカー、リズム機能を内蔵しているので、これ1台でどこでも演奏が可能です。
山口:昔から同じVOXのPhantomギターが欲しかったんですが、オリジナルは値段もかなり高いので、1年くらい前にこれを購入しました。ビンテージっぽいデザインがいいですよね。制作に悩んだときに曲を弾いて気分転換すると、すぐ元気になれるんですよ。
液晶ペンタブレット「Cintiq 24HD Touch」
山口さんの作品作りには液晶ペンタブレットが必需品。リミックスアートのモチーフとなる原画のトレースだけでなく、通常作業用のPCモニターとしても使っているようです。
山口:購入したのは今年の始めです。それまではトレースの速度向上のために板型ペンタブレットを使っていたのですが、画面上に直接ペンで描ける液晶ペンタブレットがより便利だと思って買い替えました。なぞるように直接パスを取っていけるので、スピードは格段にアップしましたし、タブレットのように液晶画面をタッチで操作できる機能は、普段ブラウジングをするときにもすごく便利です。メールやインターネット、作品制作まで大画面モニター1枚に集約できて、机の上もスッキリ。おかげで作業に集中できますね。
液晶ペンタブレットでトレースし、アクリル円柱を静かに並べ、写真に撮って熟考する山口さんの姿も目に浮かぶ、ヒミツ道具たち。その創作に向かう気持ちを裏で支えているのが、ギターだというのも、音楽好きの山口さんらしいチョイスですね。
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