台湾の宇宙人と日本のフレデリックに聞いた、今、国境越えて海外でライブをやる意味とは!?

台湾で最も勢いがあるバンドといわれる宇宙人(Cosmos People)と、日本で独自の世界観が人気を博しているバンド・フレデリックが、3月31日に台北のライブハウス『Legacy Taipei』で行われる『SPACE SHOWER列伝 ASIA TOUR2017』にて初共演を果たす。これまで日本を中心に海外でのライブを重ねてきた宇宙人と、まさに今から世界へ進出しようとしているフレデリック。そんな3月の公演に先駆け、台北で初のワンマンを行うフレデリックをキャッチし、宇宙人との対談を実施。両バンドの海外公演に対しての想いや抱負、そして台湾と日本の印象について伺った。
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※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

海外でライブをするときは、自分の国の代表になる

―はじめに簡単な自己紹介をお願いします。

三原健司(ボーカル・ギター、以下健司):日本のフレデリックという3ピースバンドです。僕とベースの康司(コウジ)は双子の兄弟で、そして同級生の赤頭がギターをつとめています。

方Q(ファンキュー:ベース):このPVは見たことある! ダンスが面白いよね。僕らは、台湾で活動する宇宙人です。今日は、ボーカルの小玉(シャウユウ)がいないけど、ベースの僕とギターの阿奎(アークェ)からなる3人バンドです。

―では、まずは日本と台湾でデビューを果たし、定期的に海外での公演を重ねている宇宙人のお二人に伺いたいのですが、海外公演をする時と台湾でライブをするのはどんな違いがありますか?

方Q(ファンキュー):逆に、海外公演の方がリラックスしているかな。台湾でライブをするときよりも、もっと伸び伸びしているかも(笑)。日本でライブをするのも本当に楽しいよ。

フレデリック一同:えー! 緊張しないんですか(笑)!?

阿奎(アークェ:ギター):私は少し緊張するかも(笑)。でも、海外でやるときって、どうしても台湾代表っていう気持ちになるので、自分の国を代表して恥ずかしくないパフォーマンスをしたいといつも思いますね。

―フレデリックの三人は明日(注:取材日は2月12日『THE WALL 台北』公演前日)、海外初の単独公演をここ台北で控えていますが、今どんな心境ですか?

健司:やはり見に来てくれた人を満足させたいという思いがあるので、言葉が通じにくい環境の中で、どれだけ台湾のお客さんを楽しませることが出来るか、という緊張感はあります。

三原康司(ベース・コーラス、以下康司):去年一度、台湾・高雄の野外フェスに出演した時に、バンド紹介欄で名前の後ろに(JP)ってついていたのが、僕は本当に嬉しくて。「あぁ、自分たちは日本代表なんだ」というか。だから、その名に恥じないパフォーマンスを見せたいという気持ちが凄く強いです。

健司:実際日本で全国ツアーをするときも、自分たちのことを「大阪から来ましたフレデリックです」って言うんです。今は東京に住んでいますが、自分たちが元々どこから来たのかという点には結構こだわりがあるのかもしれません。だから海外でライブをするときは、自分たちは日本を代表しているんだという意識になるんですよ。

リズムを正確に刻むのが日本!? ライブを自由に楽しむのが台湾!?

―宇宙人のお二人は日本でもよくライブをされますが、台湾でライブをする時と比べて一番大きな違いはなんですか?

阿奎(アークェ):日本のお客さんはすごいよ! 手拍子が本当に正確!

フレデリック一同:手拍子が正確!?

方Q(ファンキュー):そうそう(笑)。僕たちの曲の中には、リズムの取り方が結構難しい曲があるんですが、その時でも日本のお客さんはしっかりリズムを取ってくれる。そしてその手拍子が、ドラムとベースに完璧に合っているから感動すら覚えます。

阿奎(アークェ):台湾のお客さんは結構自分のペースで手拍子をするから、あまり正確じゃないんだよ(笑)。

―そういうノリ方ひとつでも国民性がでるんですかね!? では反対に、フレデリックの三人は去年の台湾公演時、日本とのお客さんの違いを感じましたか?

赤頭隆児(ギター、以下赤頭):台湾のお客さんは本当に自由。ステージの目の前で一人でモッシュをはじめたり、着ぐるみを着て踊っている人がいたり(笑)。でもそれが逆にすごい新鮮で面白かった。

健司:うんうん(笑)。みんながそれぞれ音楽を自分のペースで目一杯楽しんでいる感じ。それがすごくして、こっちまで楽しくなるというか。

―お客さんの反応の違いはステージの上からが一番良く分かりやすいですよね。お客さん以外に、ライブをする上で台湾と日本の違いはありますか?

阿奎(アークェ):日本はPAさんが本当に優秀だから、ステージに上がる時に何の心配もいらないよね。

方Q(ファンキュー):日本は裏方さんが本当にしっかりしている。ライブのタイムスケジュールも秒刻みで指示が出るのも台湾とは違うかな。台湾ではあまり指示は出ないから、基本的に自分たちが段取りする感じ。

―それは自由に自分の好きなように演奏できるということですか?

方Q(ファンキュー):そう、ステージ上での自由度は台湾の方が高いかも。そのかわり自分たちがしっかり管理しないといけないけどね(笑)。

台湾でライブを成功させるには!?

—フレデリックの皆さんは、宇宙人に聞いてみたいことはありますか?

健司:そうですね。変な質問ですが、台湾でライブを成功させる秘訣などはありますか?

方Q(ファンキュー):これはとっておきなんですが、お客さんと一緒に盛り上がりたい時に使える言葉を教えます。
「大家一起跳舞吧!(ダージャーイーチーティアウーバ!) 一起唱歌吧!(イーチーチャンガーバ!)」
これは僕たちもライブでよく使うフレーズ。意味は「一緒に踊ろう、一緒に歌おう」です。

―台湾のお客さんは“一緒に”というフレーズが好きなんですね。

阿奎(アークェ):そうそう! ライブ中はもう昔からの友達みたいな感じ。一緒にこの瞬間を楽しむって感じかな。

フレデリック一同:「ダージャーイーチーティアウーバ!イーチーチャンガーバ!」

宇宙人一同:おお、すごくうまいです。中国語の発音もキレイ。

健司:これ明日、絶対に使います! 簡単な中国語をもっと覚えて、来てくれた人と少しでもコミュニケーションが取りたいな。

国や場所が変わっても、自分たちの音楽を届けること

―言葉や文化が違っても「音楽」でつながることができるというのは、本当にスゴイですよね。宇宙人とフレデリックは3月31日に『SPACE SHOWER列伝 ASIA TOUR2017』で初共演を控えています。当日は台湾代表として宇宙人、そして日本からはフレデリック、THE ORAL CIGARETTESそしてキュウソネコカミが台北に集結、一緒にライブを行いますね。

方Q(ファンキュー):もう共演するバンドのMVは全部見たよ。どのバンドも本当にかっこよかった! 最近は日本のバンドの曲をよく聞いていたから、実際にライブで共演出来るのが楽しみです。

阿奎(アークェ):共演バンドの音楽を聞いているだけでも、色々インスピレーションが湧いてきたんです。当日一緒にライブをしたらどんな新しい化学反応が起こるんだろうかとワクワクしています。

―3月の共演でフレデリックは台湾での3回目のライブになりますね。

康司:やはり言語が違う中でも、どんな環境でも「絶対に自分たちの音楽を届ける」ことだけは変わりません。当日もいつも通り全力で僕達の音楽をやるだけというか。

健司:そうだね。どんな場所でも自分たちがやるべきことっていうのは変わらないと思います。また宇宙人のライブを見るのも本当に楽しみです。

赤頭:台湾は本当に良い人が多いですね。今回も言葉が通じない中、お店のおばちゃんが一生懸命話してくれて、おまけをくれたんです。こんなあったかい環境でやれるのは幸せ。3月のライブで共演するTHE ORAL CIGARETTES、キュウソネコカミもめちゃめちゃかっこいいですよ。そしてめちゃいい人たち(笑)。本当にこの4組で台北でやれることが楽しみですね。

プロフィール
宇宙人(Cosmos People)

阿奎(アークェ/Guitar)、小玉(シャオユー/作詞作曲・Vocal & Keyboard)、方Q(ファンキュー/Bass)からなる、2009年にデビューした3人組バンド。本国・台湾ではCM/広告にも多数抜擢し、さらには香港や中国大陸、シンガポールでのライブ、USの世界的音楽フェス“SXSW”にも出演するなど、その実力・注目度は国を飛び越えて急上昇中。 ファンク、ディスコ、ソウルなどブラック・ミュージックからの影響を、抜群のセンスと演奏力を武器に、ダンサンブルでキャッチーなポップスに仕上げる彼らのサウンドは台湾ポップスの逸材。

フレデリック

三原健司(Vo./Gt.)・三原康司(Ba./Cho.)の双子の兄弟と、健司の同級生・赤頭隆児(Gt.)からなる神戸出身の3ピースバンド。独特なユーモア性、そして幅広い音楽的背景から生みだされる“忘れさせてくれない楽曲群”が話題となる。2014年にリリースしたミニアルバム『oddloop』のリードトラック「オドループ」はYouTube再生回数1,900万回を超えている。 楽曲のみならずグラフィックやミュージックビデオ、ライブパフォーマンスそしてグッズに至るまで、そして作品にはストレートな意志にリリシズムをまとわせて送り出す唯一無二の存在として活躍中。

SPACE SHOWER RETSUDEN ASIA TOUR 2017 powered by MCIP 台湾 台北公演
時間 : OPEN19:00 / START19:30
住所 : 台北市中正區八德路一段一號 華山1914創意文化園區/中5A館
会場 : Legacy Taipei
入場料 : 1500NT$
URL : http://www.spaceshowertv.com/retsuden/asia2017/jp/


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