京都で今宵もはしご酒。前回に引き続き、京都を拠点に様々なシーンで活躍するiroiroオーナー・サノワタルさんと共にハシゴ酒を楽しみます。前回は四条河原町を起点に木屋町エリアへと流れるコースでしたが、今回はサノさん一押し、今年の夏に三条河原町にオープンしたばかりの『Cinematik Saloon』からスタートです。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
Cinematik Saloon
三条河原町、バスが通る大通りに面したアクセスも便利な場所に今年の7月1日にオープンしたバー『Cinematik Saloon(シネマチックサルーン)』。大阪味園ビルの伝説のバー『Bar MUSZE』のオーナーである安田 秀典さんは心斎橋に『Cinematik Saloon』を作り、その場所が多くの人に愛されていながらも、縁もゆかりもない京都を新しい場所として選び、リニューアルオープン。遮るもののない広い空間の中に、バーカウンターが舞台を囲むようにぐるりと配置され、音楽とお酒を素晴らしい空間の中で堪能できるバーです。
ビルの中にこんな贅沢な空間があるとは! と驚いてキョロキョロと色んなところに目移りしてしまいながらも、サノさんの横に並び、ゆったりと時間が流れる独特の空気に馴染んでいきました。
澄礼「早速頼みますか! あれ、メニューはないんですか?」
安田「メニューはないんです。一押ししているのはロン・サカパっていうラム酒ですね」
サノ「僕はビールにしようかな」
まず一杯目は、『Cinematik Saloon』オススメのラム酒とバスペールエールで乾杯!
澄礼「同じビルにあるレコードショップ『JET SET KYOTO(ジェットセットキョート)』にはよく来ていたのに、こんな素敵なお店があるなんて知らなかった。ショックです!」
安田「このカウンター、クレーンで吊って窓から入れたんですよ」
サノ「単純にお店として、こっちの方が大阪のところよりも広いですよね。大阪の時もライブを定期的にやったり、音楽イベントもやったりしていて、京都でもどんなことをやってくれるのか楽しみです」
レコードの棚から安田さんがチョイスするのはルーツミュージックやジャズ。ライブの時はカウンターの中で演奏し、それをカウンター越しに楽しむことができるのだとか。お通しで出されたアーモンドを頬張り、「これ何度もお代わりしたくなる」とサノさん。
安田「ただの殻付きのアーモンドなんですが、これが好きなお客さん、多いですよ」
サノ「こないだもお代わりして、なのに他のみんなが食べないから、自然とポケットにアーモンドを入れて、それつまみながら次の場所に移動してました(笑)」
澄礼「私まだ一つも食べてないのに、サノさんが全部食べちゃった! お代わりお願いします(笑)」
ポリポリとアーモンドをつまみながら、お店のスタッフの方に移転の経緯を聞いたり、会話は流れている音楽のようにスムーズに進んでいきます。
サノ「スタッフの人数やお客さんの人数で、お店の見え方が変わりそうで面白い。じっくりと話ができるのもいいよね」
澄礼「一人あたりのスペースがあって、それが凄く居心地がいいですね」
どこを切り取っても画になり、そしてムーディーな『Cinematik Saloon』を後にし、次に向かうのはこちらも京都のニュースポットとして注目を集めるスタンドバー『Before9』へ。歩いて10分、地下鉄で一駅、タクシーだと数分、その時の気分で移動手段を決めるのも楽しい。
Before9
烏丸御池から少し上がると『Before9』のスマートな看板が見えてきます。
クラフトビールを取り扱うお店は京都でも増えていて、自著『New Kyoto』で紹介している『BUNGALOW』もそうですが、それぞれ独自のスタイルがあるのが面白いところ。ここ『Before9』にも内装やメニューのセレクトに並々ならぬこだわりを感じます。
『国際マンガミュージアム』の向かいという好ロケーション、古民家の雰囲気を残しながらもシンプルでクリーンな印象に加え、キャッシュオン形式でブリティッシュパブみたいにビールを日常の中で楽しめるこのお店。おつまみも「九条ネギとグリュイエールチーズのだし巻き卵」や「小芋揚げ」など定番+αなメニューにビールがグイグイ進みます。
ビールタップの取手も左から右に向かって長くなっていく面白いデザイン、どの角度からお店の写真を撮ってもフォトジェニック!
澄礼「1階のスタンディングだけかと思ったら2階もあるんですね」
サノ「今はノルウェーのビールフェアやってるんだね〜」
澄礼「うーん、どれにしよう。飲んだことないやつばかりだから味が想像できない」
サノさんは4番のSaison(セゾン)を、私は8番のMorgenstemning Coffee Stout(モーンステムニング コーヒースタウト)をチョイス。私が選んだのはコーヒー・スタウトで黒ビールのような見た目。カウンター側の縦長のスリムなテーブルに陣取り、早速乾杯。
澄礼「1杯目にラムを飲んだせいか、すでに少し酔っぱらってるかも。立ち飲みって深酔いを防げていいですよね」
サノ「つまみの量もちょうどいいね。ここを一軒目にハシゴする人は多そう」
澄礼「一軒目が決まると、その後のコースが自然と決まってきますよね。ここら辺はサノさんのほうが圧倒的に詳しい気がする」
サノ「次のところは僕が最近すごく気に入ってるところだからお楽しみに」
きつね色に揚がった小芋をつまみながら、喉越しのいいビールをグイッと。口の中で爽やかにアロマが香ります。『Before9』ではビールだけではなく、日本酒にも力を入れていて、その両方が楽しめるのもいいところ。まだ酔いも浅いので、インダストリアルなシンプルな机を挟んでちょっと真面目な話も。
澄礼「最近はどんな仕事がメインですか? すごく忙しそうだけど、サノさんはクールにやり遂げているイメージがある」
サノ「やっぱりデザインの仕事がメインだよ。前以上に京都での仕事の幅が増えたように感じる。澄礼ちゃんもいつも忙しそうなイメージだよ。ラジオはどれくらいやっていたの?」
澄礼「KBSの番組はちょうど1年続いて、メッセージとかハガキが届いてリスナーの方々のリアクションをもらうのはとっても新鮮な気持ちになりましたね。でも同時に、新しいところを毎週紹介しなきゃ! ってプレッシャーもあって」
サノ「何事も継続するのは簡単なことじゃないよね」
外国からの観光客やオシャレに敏感な若者たちが夜な夜な集まる『Before 9』を後にし、少し南に下がって西へ。サノさんが私に紹介したいと意気込んでくれた『SUMIYA PINN』に向かいます。
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