現地のクリエイターが、バンコク最大のウィークエンドマーケット『チャトチャック・ウィークエンドマーケット』で、タイメイドのアイテムを選ぶなら? 今回は、今タイのユースを中心に人気の水着ブランド「April Pool Day(エイプリル・プール・デー)」のデザイナー兼ファウンダーのLilanan Ronakiat(リラナン・ロナキアット)、通称・Min(ミン)に案内を依頼。ここでしか出会えない、タイメイドのアイテムがきっと見つかるはず。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
バンコク最大のウィークエンドマーケット『チャトチャック・ウィークエンドマーケット』とは?
『チャトチャック・ウィークエンドマーケット』は、その名の通り週末限定で開催されるマーケット。バンコク北部チャトチャック地区に1981年に設営された公設市場で、タイ最大規模である1.13㎢(東京ドームの約2.5倍)の敷地には衣類、食器、アンティーク、インテリア、美術品、ペット、ガーデニング用品、飲食店など、15,000店舗以上の小さな店舗がぎっしりと軒を連ね、地元民はもちろん、世界各地からやってくるアパレルや雑貨のバイヤーから、観光客まで、毎週末20万人の来場者で賑わいます。
市場の南側にはMRTカンペンペット駅、北東側にはBTSモーチット駅が隣接。一日で全てを見て回るのは不可能な広さで、中は似た通りが続き、まるで迷宮のよう! 市場は、1〜29のSectionに分かれていて、Section毎に屋根がある半屋外のようなつくり。土産物やTシャツなどはどこでも売られているものの、全体としては大雑把なジャンルごとにお店が集まっているため、至る所にある看板で自分の位置を把握しながら、目当てのSectionを絞って歩き回ることになります。
地元では「JJ(ジェー・ジェー)」の愛称で親しまれるマーケット。「もともとチャトゥチャックは、タイ人若手デザイナーの登竜門のようなところ」と話す、今バンコクで人気の水着ブランド「April Pool Day(エイプリル・プール・デー)」のデザイナー・Min(ミン)がご案内します。
デザイン会社が手がけるライフスタイルショップ『co-incidence(コ・インシデンス)』
まず最初に訪れたのが、マーケット最寄りの地下鉄カンペンペット駅(MRT)から出たところに広がるSection2。その一角にある一軒家ショップ『co-incidence(コ・インシデンス)』は、まだオープンして1ヶ月あまりという、ライフスタイル雑貨店。タイ発のデザイン会社が手がけたこのお店は、白を基調としたクリーンな店内に、自社でデザインしているというアイテムが並びます。
一番の売れ筋は、ロゴ入りトートバッグとボディソープ&ウォッシュ。その他、ノートやクリップ、ペンなどの文房具もそろいます。毎月ひとつずつ新商品を増やしているので、訪れるたびに新しい発見があること嬉しいところ。感度の高いタイ人や外国人客に人気のショップです。
ミン:私は、ライフスタイル雑貨全般に興味があるんだけれど、特にインテリアリア雑貨と文房具が好き。ここには機能性と美しさの両方を兼ねそろえた幅広いアイテムがそろっているし、ディスプレイも見やすくてきれい。中でも人気商品でもあるボディソープは、パッケージがおしゃれなだけじゃなく、香りも自社で作っているのがユニークです。それに、全デザインを自社で手がけて、毎月アイテムを増やしていけるのって、結構大変だと思います。それでいてどの商品も安く設定しているし。同じビジネスパーソンとしては、運営システムにも興味がありますね(笑)。
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co-incidence
住所:Section 2, Soi 38/2, Gate 29
営業時間:土日 9:00〜18:30
定休日:月〜金
Facebook:http://www.facebook.com/coincidence.bangkok
Instagram:http://www.instagram.com/coincidence.bangkok
注意:2019年5月現在閉店。2019年7月以降にスクンビットエリアで新店舗オープン予定。
ハンドメイドのアパレルアイテムが手に入る『CONTEMPORARY_STORE BANGKOK(コンテンポラリー・ストア・バンコク)』
今も昔もタイ発の若手アパレルブランドがこぞって店を構えるのが、MRTカンペンペット駅2番出口からGate 3あたりまでのSection2〜3のエリア。その中程にある石畳で舗装された小道がこのエリアの表通り的存在で、最新ファッションを求めて訪れる若いタイ女性で賑わい、タイファッションのトレンドを見たいなら、真っ先に訪れたい場所です。
ちなみに、『チャトチャック・ウィークエンド・マーケット』内で家賃も最も高いと言われるこのエリア。そんな場所に店を構えるのが、カップルで経営するショップ『CONTEMPORARY_STORE BANGKOK(コンテンポラリー・ストア・バンコク)』。先ほどの『co-incidence(コ・インシデンス)』からも東に2分ほど歩いたところにあります。
細長い店の奥でせっせと服を縫っているのは、オーナーカップルのマプランさんとコックさん。店内には、レディース、メンズ両方の取り扱いがあり、ボタニカル柄やテキスタイル柄のファブリックを使用したアイテムが揃います。トロピカルかつシックなファッションを楽しみたい方にオススメのショップです。また、ここでは彼らの作った服だけでなく、友人のバッグブランド「girls talk(ガールズトーク)」もセレクト。公式インスタグラムでもアイテムの購入ができるので、ぜひチェックを。
ミン:ここのお店は、オーナーの2人が、自分たちがデザインした洋服をちゃんと身につけてるのがすごくチャーミングだと思う。ここの洋服も好きなんだけど、気に入ってるのは彼らの友だちが作っている「girls talk(ガールズトーク)」のニットバッグ。実を言うと、毛糸編みのバッグって、最近だと結構どこでも見つけられるんだけど、「girls talk」のアイテムは特別。このバッグはすごく丁寧で繊細な作りだし、使っている毛糸の色も他ではあまり見かけません。選んでいるモチーフはイチゴとかハンバーガーとか割と普通なものなんだけど、ディティールの細かさがすごい! それに、全部手作りっていうのが、一番のポイントかも!
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CONTEMPORARY_STORE BANGKOK
住所:Section 3, Soi 42/2, No.053
電話番号:090-973-3659
Instagram:https://www.facebook.com/mizuiroclub
LINE:@contemporary_store
モダンで手ごろな青白陶器なら『Thong Charoen Ceramic(トン・チャルン・セラミック)』
トレンドファッションが並ぶエリアから次に向かったのは、先ほどから徒歩3分ほどの所にある市場の中心にある時計台。そのすぐ裏にあるSection 15〜17はベンジャロン焼き、セラドン焼きといったタイの伝統的な陶器、木製雑貨、キッチン小物を扱う店が集まるエリア。そこの一角にあるタイ食器「青白陶器(ブルー&ホワイト)」を30Bほどから購入できるお店が『Thong Charoen Ceramic(トン・チャルン・セラミック)』です。
青白陶器は、白地に藍で色づけをした中国の青花磁器をルーツに持ち、どんなシーンにも合う万能な器。広々とした店内には、箸置きから茶器、各サイズのお皿、レンゲなど、ありとあらゆるものが積み上げられています。ちなみに値段は書かれていないので、お店のスタッフに確認しなければならないけど、簡単な英語で問題なし。日本では高額に取引されている商品だが、ここなら100円以下から手に入ります。「日本人のお客さんが多いよ!」と話すのは、この場所で20年以上お店を営んでいるオーナー。小さいものなら、お土産にも最適です。
ミン:ここのお店は、私たちが普段探しているような、デザイナーズショップのような雰囲気ではないけど、青白陶器はすっごいシンプルなデザインだし、絵柄にオリジナリティがあって好き。伝統的すぎないモダンな柄なので、普段使いに重宝します。同じ柄が多いので、どれが気に入るかはその形とか機能になりますね。私は、使い勝手もいいし、柄とすごくフィットしているように見えるから、トレイとポットが気に入っています。
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Thong Charoen Ceramic
住所:Section 17, Soi 8/1, No.003〜005
電話番号:02-429-1727, 02-429-1883
営業時間:金土日8:00〜18:00
定休日:月〜木
E-mail:tanapol356@gmail.com
美しい伝統工芸の竹かごが揃う『Bamboo House(バンブー・ハウス)』
『Thong Charoen Ceramic(トン・チャルン・セラミック)』から道なりに3分ほど北上したところにある『Bamboo House(バンブー・ハウス)』。「母の時代から合わせると、ここで35年ほど営業してるよ」と話すのは、2代目オーナーのポムさん。バンコク近郊のチョンブリー県で盛んな竹細工を取り扱っている、竹カゴ専門店です。タイで採れる竹を、タイ人の職人が手作りで仕上げていて、店の中は、編みかけのカゴや、完成したものなどがところせましと並びます。フランス人に人気だと言う照明用のカゴや、プレゼントの包装にも最適な小物入れ、食卓カバーなど、さまざまな商品が見つかるお店です。
周辺には、インテリア、美術品、アロマ製品の店舗が多く集まり、所々カフェや食堂があり、他のエリアと比べ、少し落ち着いた雰囲気なのも印象的です。
ミン:私にとって、「OTOP(※農村や山岳地帯などタイ全国で生産されている伝統工芸や食品の中から、確かな品質の「Made in Thailand」製品のみ獲得できる商標で、政府が販売・輸出の促進も行う、地域創生プロジェクト)」のハンドメイドプロダクツは特別です。イベント会社でもたまに仕事をすることがあるんですが、昨年タイ全国の「OTOP」製品を集めたイベントの仕事をした時は、こんな食卓カバーを壁にぎっしり貼り付けて展示したの。その時、タイの伝統工芸についてもたくさん勉強しました。ここのフレンドリーなオーナーは、お店の中をどうディスプレイしようかとは考えていないの。それでも、人を惹き付けるような魅力がこの店にはある。そしてインテリア雑貨としても、たくさんの使い道があると思うわ。
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Bamboo House
住所:Section 8, Soi 14/1-14/2, No.050,018
電話番号:081-827-0447, 081-812-3248, 086-505-2027
営業時間:金土日5:00〜18:00
定休日:月〜木
E-mail:bamboo1_house_@hotmail.com
LINE:@buchit_thong
姉妹による手描きキャンバスバッグ『The RATHA(ザ・ラサ)』
先述の『Thong Charoen Ceramic(トン・チャルン・セラミック)』から東へ2分ほど歩いた突き当りが、ビンテージの古着アイテムが山のように積み上がるSection5〜6。そこから4〜5分南下したSection4は、メンズとレディースのカバン、時計、アクセサリーなどのファッション小物が集まるエリア。
その一角にある『The RATHA(ザ・ラサ)』は、5年前に小さなお店からスタートしたという、ハンドメイドのバッグ専門店。お店の壁には大小さまざまなバッグがかけられており、商品が見やすく選びやすいのも特徴的。ここにあるのは、オーナー兼デザイナーのチョンプーさんと妹のプレーさんが、キャンバス地のバッグや小物入れにペイントして作る一点ものとのこと。お客さんの90%は日本人を含めた外国人だと言い、日本人バイヤーもよく訪れるそう。自分だけのオリジナルアイテムを探したい人にオススメしたいお店です。
チョンプーさんは、「ミニマルだけど、デザイン性があってハンドクラフトなところがウケてるんじゃないかな」と言います。ちなみに、ペイントには布用塗料を使っているので、洗ってにじんだり落ちる心配もないのも嬉しいところ。
ミン:お店のディスプレイがとってもユニーク。壁一面にかけられたバッグは、絶対にお客さんの目を引くと思う。それから、彼らが制作過程について語っているときが好きですね。本人たちがすごく楽しそうに実験的に作っているのがわかるから。同じデザイナーとしてとても共感できます。最近デザインしたというアニマルペイントのバッグは、彼らが実験を止めなかったからこそ行き着いたデザインってことだよね。そういう姿勢って、クリエイターとしてとても大切なことだと思います。
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The RATHA
住所:Section 4, Soi 49/1, No.139〜140
電話番号:08-6005-5005
営業時間:土日 10:30〜19:00
定休日:月〜金
E-mail:ratthanich@yahoo.com
Facebook:http://www.facebook.com/Ra-Tha-handmade-mini-market-133726096816268
Instagram:https://www.instagram.com/rathaminimarket/
『55 BOOK STALL(55ブック・ストール)』
『55 BOOK STALL』は、先ほどの『The RATHA(ザ・ラサ)』から西に3分ほど歩いた、Gate1の近くの古本や骨董品が集まる Section 29にあり、通路の両脇には美術、料理、小説などの英字の本をまとめた束が、何重にも積み上げられています。
ミン:カバーがどれも本当にかわいいから好きなの! これだけ山になってると、なんでも見つかるでしょ?(笑)。ここはスタイリストとかフォトグラファーにも人気。私の友人のクリエイターの子たちもよく利用している。事前にどういう本がほしいかをお店の人に電話しておくと、それっぽいものを準備しておいてくれるの。多くの同業者がプロップ(小道具)として使うから、「モノトーンの本」「カラフルな本」とか、見た目で注文するのもおもしろいよね(笑)。
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55ブック・ストール(55 BOOK STALL)
住所:Section 29, Soi 69/3, No.17〜20
電話番号:081-682-2490
営業時間:月〜金 11:00〜17:99、土日 10:00〜18:30
定休日:なし
Facebook:http://www.facebook.com/55-Bookstall-457998714387587
LINE:@cat_paru2520
- プロフィール
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- Lilanan Ronakiat(リラナン・ロナキアット) (リラナン・ロナキアット)
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1988年生まれ。バンコク出身。ニックネームはMin(ミン)。水着ブランド「エイプリル・プール・デー」のファウンダー&デザイナー。タマサート大学卒業後、イギリスのセントラル・セント・マーチンズに留学しクリエイティブ・シンキングを学ぶ。
- プロフィール
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- April Pool Day(エイプリル・プール・デー) (エイプリル・プール・デー)
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レトロでスタイリッシュなデザインと快適に泳げる機能性を備えた、日常はもちろん旅やホリデーのお供にしたい個性的な水着を提案するバンコク発の水着ブランド。ユース層を中心に影響力を持ち、そのSNSを活用したブランディング力はカルチャー雑誌「Happening」でも特集されるなど、多方面で注目を集める。毎年タイの夏である3〜4月にメインコレクションを発表。2018年はポロシャツをモチーフにしたもの。サトーンにフラッグシップショップを構えるほか、セレクトショップやオンラインで展開中。 画像 ©Rumpaporn vorasiha
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