パン好き必見! 『青山パン祭り』で出会ったパン5選

全国からこだわりのパン屋さんが集う『青山パン祭り』は、2013年から青山の国連大学前のファーマーズマーケットで年4回開催されています。日本のパンのクオリティーを高める「パンのフェスティバル」として、幅広くさまざまなパンが紹介されるイベントです。

HereNow TOKYOのキュレーターでもあるベン・デイビスが、『第八回青山パン祭り』で出会ったパンを紹介します。

※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。

青山ファーマーズマーケットは、季節の果物やカジュアルフード、軽く楽しめる一杯などが楽しめる、私が好きなスポットの一つです。特に、定期的に開催され、パン好きには有名な『青山パン祭り』は、東京を中心とした日本中のパンを食べ比べられるチャンスでもあります。

『第八回青山パン祭り』は穏やかな天気の中、2016年3月下旬の週末に開催されました。開場の1時間以上も前から行列ができていて、会場内の出店ブースをどう巡るか計画を立てている人もちらほら。私は、まだあまり知られていないパン屋さんや、普段中々見られない食材で作られているパンを見てまわりました。『第八回青山パン祭り』の二日目に出店した50店舗以上の中で、気に入ったパンのいくつかをご紹介します。

Go muffins go

『Go muffins go』は、パステルカラーのお店の看板と可愛らしいマフィンが並べられている、私が一番最初に訪れたブースでした。100%ビーガン食材(動物性の食材を一切使わない)を使用した様々な種類のマフィンがあり、私の隣の人も3、4個ずつに手に取っていました。ベジタリアンだった私としては、どうしてもビーガンやベジタリアンにやさしい店に目がいきます。

最近では東京でもビーガンのお店は少しずつ増えていますが、海外に比べるとそれらの数はまだまだ少ない方です。『Go muffins go』は、ビーガンシェフである雨宮麻衣子さんが東京で始められたお店です。雨宮さんはニューヨークの調理学校を卒業後、ニューヨーク、ロンドン、イスタンブールのビーガンレストランで働いた経験を持ち、現在東京を拠点として様々な活動を通してビーガン料理の普及に携わっています。

「抹茶、そば茶、有機甘栗」や「リンゴチャイ」、「レモン・ビターチョコレート」など、どれを選ぶかすごく迷ったのですが、結局「レモン・ビターチョコレート」を選びました。優しい香りのレモンと小さいチョコの粒は、まさに淡い風味の甘さで私の好みにぴったり。今度、西荻窪にある店舗に直接マフィンを買いに行って、家で温めてから食べてみようと思います。

Go muffins go
住所: 東京都杉並区桃井4-2-3小川ビル2階
営業時間: 木:12:00~17:00、日:11:00~17:00
定休日: 月・火・水・金・土
URL: http://gomuffinsgo.com/

アフィダメント ベーグル

『アフィダメント ベーグル』は、東京都の多摩市永山にお店を構え、青山ファーマーズマーケットや都内のイベントにもよく出店しているベーグル屋さんです。今回のイベントの中で、最もカラフルな出店ブースだったと思います。「ココナッツ ホワイトチョコレート」や「シナモン ダブルレーズン」など、約20種類の個性的なベーグルのラインナップが印象的でした。

色とりどりのベーグルの中から、オススメされたのは新鮮なほうれん草が使われている「フレッシュスピナッチ」。全てのベーグルと同様に天然酵母を使用し、そこに100%の北海道産小麦、食塩、ほうれん草、麦芽シロップを加えるだけというシンプルなレシピで作られています。家に持ち帰って温めて食べてみたら、薄い緑色の柔らかいベーグルは、その名の通りフレッシュで、少し甘い味。いわゆる青っぽいほうれん草の風味とはまた違う美味しさです。

アフィダメント ベーグル
住所: 東京都多摩市山王下1-12-12福満ビル2F
営業時間: 火~日:9:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日: 月曜日
URL: http://affidamento.jp/

Soil by Houtou Bakery

奥の方で多くの人が集まっていたのでその流れが気になり、一緒に列に並んでみました。横須賀市から出店した『Soil by Houtou Bakery』は、2016年1月にシェフ兼ブーランジェ(パン職人)の小森俊幸さんがオープンしたベーカリー。横須賀産の野菜を中心に、国産小麦と「野菜は名前だけの生産者ではなく、ちゃんと話ができる生産者」から仕入れています。

私が行列を並び終えた時には完売になっているものも多かったのですが、トマトとチーズクリームのクロワッサンを選びました。普段は、こういう組み合わせのパンはあまり食べないのですが、食べてみると驚くくらいバランスのよいマッチングでした。サクサクとしたペイストリーをベースに、豊かなチーズクリームとジューシーなトマトの甘い酸味が抜群のコンビネーション。あまりの人気で、その後すぐにパンは完売。空っぽになった棚には、地元の野菜や食材が並んでいました。

Soil by Houtou Bakery
住所: 神奈川県横須賀市安浦町2-29-1
営業時間: 月~土:9:00~19:00定休日: 日・祝
電話: 046-874-6622
URL: http://soil-hb.com/

pour-kur

会場の入り口すぐ隣にあった『pour-kur』は、幅広いパンの品揃えから、一人ひとりに合ったパンを提供したいという気持ちが伝わってくる出店ブースでした。代々木の人気スポット「代々木VILLAGE」内にお店を構える『pour-kur』は、湘南にある石窯ピザのベーカリー「POURQUOI?(プルクワ)」と都内で展開する「kurkku」の共同プロジェクトで自家製酵母を使用することでも知られています。

プレーンのパンから、甘いパン、素朴なパン、小さいパンなど、とにかくたくさんのパンが揃っていて、お客さんからも注目の的。またまた迷った私は、タルトの箱についつい目がいってしまいました。子供の頃大好きだったスイーツだったタルトはとても懐かしく、朝に食べるのには少し豪華な一品でしたが、タルトの上に乗った6つのチェリーやアーモンドクリームから、カリカリとした甘い生地まで、甘さがギュッと詰まっていて、すごく美味しかったです。

pour-kur
営業時間: 火~日:8:00~19:00
定休日: 月曜日
電話: 03-6300-5390
URL: http://www.yoyogi-village.jp/food/food_pour.php

ヒグマドーナッツ

隣の「メガネコーヒー」の甘い香りのせいなのか、マーケット広場に流れているアップビートな音楽のせいなのか、最後は揚げたてのドーナツとコーヒーが無性に食べたくなりました。そんな私が見透かされたかのように現れたのが、ドーナッツを食べているヒグマのロゴ。『ヒグマドーナッツ』は、お店ではなく、様々なイベントに出店する北海道産の食材にこだわるドーナッツメーカー。そのシンプルなアプローチに惹かれ、結局ヒグマのプレーン、シュガー、シナモンシュガーの3つ全部を注文していました。

オーダーしてから、カウンター越しのスタッフが一個一個を丁寧に揚げているのを観察。出来上がってから、熱いうちにシュガーをかけて、出来立てをすぐに渡されました。外はパリパリの揚げたて、中は柔らかく重くないさっぱりとした味わい。コーヒーと一緒に食べるドーナッツは、私のパン祭りを締めくくる最高のチョイスでした。

ヒグマドーナッツ
営業時間: イベント出店のみ。
最新情報をFacebookにご覧ください。
URL: https://www.facebook.com/higuma.doughnuts/
青山パン祭り
全国からこだわりのパン屋さんが集う『青山パン祭り』は、2013年から青山の国連大学前のファーマーズマーケットで年4回開催。日本のパンのクオリティーを高める「パンのフェスティバル」として、幅広くさまざまなパンが紹介されるイベント。次の青山パン祭りは、「懐かしい日本のパン」をテーマに、5月28,29日に開催予定。 https://www.facebook.com/aoyamapanmatsuri/
プロフィール
ベン・デイビス

オーストラリア出身の編集者。2010年より東京を拠点に活動。ローカルな視点から都市を紹介するオンラインマガジン「The Thousands」東京版の編集者としての経験をした後、2015年にCINRAに入社。ANAの訪日外国人向けサイト「Is Japan Cool?」にコラムを寄せるなど、地域の魅力を伝えている。



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