2019年夏の資生堂「アネッサ」のCM曲で話題となった小袋成彬、RIRI、KEIJUによるコラボレーション楽曲『Summertime』。このエレガントでポップなサマーチューンは台湾の歌姫、Julia Wuにもカバーされ、9月にはRIRI、KEIJUとともに台湾でのライブが実現することになった。
それに先立って行われた7月の台湾向けプレス発表の前夜、RIRIとJuliaによる台北街歩きが実現。いま注目の大稲埕(ダーダオチェン)エリアの迪化街(ディーホアジエ)や、『寧夏夜市』をグルメ散歩しながら、台北の街の魅力について語ってもらった。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
リノベーション文化が根づく大稲埕エリア、迪化街の台湾雑貨店『你好我好』
RIRIとJuliaが待ち合わせた場所は、台北市のほぼ中心、大稲埕(ダーダオチェン)エリアの迪化街(ディーホアジエ)にある台湾雑貨店『你好我好』。
『你好我好』は、台湾が大好きな日本人オーナー青木由香さんが経営する「台湾と日本の良いもの、良い人を紹介する」がコンセプトのセレクトショップ。二人の好みのグッズもたくさんありそうです。
ちなみに迪化街は、18世紀から20世紀にかけて台湾の貿易の拠点として栄えた街。いまでも当時の貿易商が建てたヨーロッパ様式の古い建築が残っています。
近年は若者たちが古い建物をリノベーションし、カフェやセレクトショップを出店。台湾の古き良き伝統と最先端のカルチャーが交差するおしゃれなエリアに変貌しつつあります。
青木:私は台湾の文化がとても大好きで、『你好我好』では台湾人の生活が垣間見えるローカルな商品を取り扱っています。
この小さなグラスは、台湾の飲食店でよく使われているビールグラス。日本のビールグラスは分厚くて大きなものが主流ですが、台湾のグラスってとても小さくて可愛いんですよね。
もともとは業務用で非売品だったグラスを『你好我好』でオリジナルデザインさせてもらいました。
RIRI:わー、ほんとだ! 可愛い!
Julia:ゆるめのタッチで描かれたクマとパンダのイラストがいい味を出していますね(笑)。
青木:日本人イラストレーターのyamyamさんにイラストをお願いしました。価格もお手頃ですし、このお店だけで1万個以上も売れている人気商品なんです。
青木:『你好我好』では服も取り扱っていて。こちらは台湾の70歳のデザイナー、鄭惠中(ヂェン・ホェヂョン / Cheng Hui-chung)さんがデザインした服です。
いま台湾だけでなく、日本でも人気が出はじめていて。素材は綿と麻だけで織り込まれていて肌なじみがよく、着心地がとても気持ちいいんですよ。
RIRI:すごく丁寧にしっかりつくられている感じがしますね。長く使えそう。
青木:台北の郊外に工房があるのですが、そこで一つひとつ丁寧につくられていて。見学に行かれるファンも多いみたいですよ。
同じ色でも微妙に風合いが異なっていて、飽きのこないデザインなので、老若男女関係なく一度着たらファンになる方が多いんです。
Julia:うん、おしゃれだけど、流行に左右されないとてもベーシックな美しさがありますよね。
青木:あと、これは今年大人気のミニ扇風機。台湾の老舗家電メーカー「大同」が販売しているものです。
このメーカーは「大同電鍋」というレトロデザインの炊飯器が有名で、台湾では一家に一台必ずあると言われているくらい。日本でもここ数年話題になっていますよね。
RIRI:あ、見たことあるかも! カラフルで可愛い炊飯器ですよね。
青木:そうです、そうです! この扇風機もレトロなデザインで、ハンドメイドでつくられています。USBをつかってパソコンなどに接続して使えるんですよ。ミントグリーンとブラックの2種類あります。
Julia:レトロなデザインが可愛すぎるよね。ところでいまから『寧夏夜市』にRIRIを連れて行くんですが、青木さんおすすめの屋台や食べ物はありますか?
青木:魯肉飯(ルーローファン)食べたことあります?
RIRI:ないです。じつは台湾に来たのは今日がはじめてで。
青木:豚の角煮を細かく刻んだものをご飯に乗せた、台湾の代表的な食べ物です。鶏肉をつかった雞肉飯(ジーロゥファン)も美味しいのでおすすめ。
あと豆花(トウファ)も美味しいですよ。豆腐をつかった台湾の代表的なスイーツですごく健康的。いろんなトッピングを選べるのでぜひ食べてみてください。
RIRI:へーおもしろーい! 美味しそう!
Julia:それでは夜市へ移動してたくさん食べちゃいましょう!
台北の『寧夏夜市』で、豆腐のデザート「豆花」に挑戦
『寧夏夜市』は、迪化街エリアからもすぐ近く。台北駅からも徒歩圏内の台北中心部にある夜市です。夕方になると仕事を終えたローカルの人々が夕涼みをするように集まりはじめ、連日大勢の人々で賑わいます。
RIRI:すごい熱気! 今日は何かのお祭りなの?
Julia:いや、年中ずっとこんな感じなの(笑)。台北市にはこういった夜市が20以上、台湾全体だと200以上あるんだって。とりあえず行ってみようか!
人混みのなかをぐいぐいと突き進んでいく二人。『寧夏夜市』にはもちろん観光客の方も集まっていますが、その多くはローカルな人々。
夜市の入り口あたりには、子ども向けの遊び場やゲームを提供する屋台が並ぶなど、子どもたちを遊ばせながら団らんする家族連れの様子もたくさん伺えます。
Julia:台湾の人って、夜ご飯は自炊せず、夜市で食べたり、テイクアウトしたりする人が多いの。特に独身の人はだいたいそう。自炊するより夜市のほうがリーズナブルで美味しいし。
私も2年前、オーストラリアから台湾に引っ越してきたときは驚いたけど、いまでは夜市やアパートの下にあるお店で適当に見繕って食べてる(笑)。
RIRI:だから、平日なのにこんなにもたくさんの人がいるんだ……! お祭りの日みたいですごく驚いた(笑)。でもみんなリラックスしていて楽しそうだな。
Julia:台北は夜食文化が充実していて、深夜でもたいていのものは食べられるから、私のような夜型人間にはぴったり。さらに早朝から開いているお店も多いから朝になっても問題ないし(笑)。
台北は朝食文化も充実していて、『永和豆漿』という台湾式の朝食を取り揃えたチェーン店も本当に美味しいよ。
RIRI:へー、そうなんだ! 私、夜は弱いけど、朝は強いから今度来たときは台北の朝ごはんにも行ってみたいな。
そんな話をしながら『寧夏夜市』を端から端まで歩きつつ、気になった屋台に次々と挑戦していく二人。「焼麻糬(揚げたお餅にゴマやピーナッツの粉、氷を被せたもの)」や、『鳥蛋達人』という屋台で購入した「うずら卵の串」が特に気に入った様子でした。
最後に訪れたのは、南北に伸びる『寧夏夜市』の北側を抜けたすぐのところにある『古早味豆花』。ここは日本の人気テレビ番組『孤独のグルメ』でも紹介された人気店です。
Julia :ここは青木さんが教えてくれた豆腐のデザート「豆花」の老舗だよ。RIRIはどれを食べてみたい?
RIRI:マンゴー豆花(夏季限定メニュー)が美味しそう……! 7月ってマンゴーの季節なんだよね? いろんなところでマンゴー見かけた気がする。
Julia:今日一日ずっと「マンゴー、マンゴー」って言ってたもんね(笑)。私もマンゴー大好き。豆花を食べた日本人の感想ってどんなんだろう……?
RIRI:んー美味しい! 甘いね!
Julia:豆腐なのに甘いでしょ!? なんか不思議な感じだよね。私もはじめて食べたときは「なんで豆腐なのに甘いの!?」って驚いたよ。
RIRI:あっさりしたナチュラルな甘さでいいよね。砂糖を加えてないのにすっごく美味しい! 今日はとても暑かったし、豆花を食べるとクールダウンする感じ。
台湾の夜市みたいに、お祭りみたいな空間が毎日ある台湾って素敵だな。日本では見たことのない美味しい食べ物がいっぱいあって、本当に刺激的でした。
RIRIとJuliaが語り合う、台湾と日本のカルチャーの違い
『寧夏夜市』をたっぷり楽しんだ二人は、ひと休みも兼ねて近くのカフェ&バー『串稻』に移動。二人の会話は、一日を振り返りつつ、台湾カルチャーの話題になりました。
Julia:RIRIは台湾に来る前、どんな国だと思ってた?
RIRI:んー、何だろう? 歴史のある建物や街並みのイメージ。日本とのカルチャーの違いもたくさんあって面白そうだなって思ってた。
Julia:なるほどー、私も東京と大阪に2、3回行ったことがあるんだけど、そのときと似てるかも。似たような国だと思っていたけど、台湾より静かで整然としていたり、カルチャーが全然違ってて驚いた。RIRIが今回の台湾で特に印象に残ったのは?
RIRI:飛行機で台北松山空港に着陸するとき、窓を覗いたらすぐ近くにビルが建っていて。その街並みもInstagramで見ていたような歴史ある雰囲気で、違う国に来たんだーって気分になったときかな(笑)。
日本の夏もすごく暑いから、過ごしやすさはあまり変わらないけど、また冬にも来てみたいかも。台湾は冬も暖かいんだよね?
Julia:そうそう。私も2年前にオーストラリアから台北に移住したんだけど、台湾の気候にはいまだに適応中。冬はあまり寒くないから過ごしやすいよ。
RIRI:あと最初に待ち合わせた『你好我好』のあたりの街並みもおしゃれだったよね。歴史ある古い建物をリノベーションして、若い人たちが新しい文化をつくっている感じというか。
Julia:いいよね。ああいう風に若い人たちが歴史ある建物を再利用することで、建物の保存、維持にもつながるし、たくさんの人々の目に触れる機会も増える。すごく大切なことだなと思ってて。
RIRI:Juliaがいま注目している台北のエリアやスポットは?
Julia:どこだろう? 東區(ドンチュ)と呼ばれるエリアの近くにレコーディングスタジオがあって、そのあたりのカフェにはよく行ってたかな。
とくに『D.Maisie Cafe』は、『Weekenders Coffee』(京都)や、『Takamura Coffee Roasters』(大阪)、『猿田彦珈琲』(東京)、『引路咖啡』(台北)など、国内外から厳選した豆を取り寄せていて、コーヒーがすごく美味しい! しかも私が大学生のときにオーストラリアで出した昔の曲がたまにかかるの(笑)。
RIRI:それは聴きに行ってみたい!(笑) いま台湾ではどういう音楽が流行ってるの?
Julia:私の周りは音楽業界の人が多いんだけど、最近はヒップホップの話題が多いかなー。ラッパーだとØZI、熊仔、あと若い女性の歌手Kimberleyとか。ØZIは『金曲奨国際音楽祭2019』で6部門にノミネートされて、最優秀新人賞を受賞したの。RIRIの周りではどんな音楽が流行ってるの?
RIRI:自分の曲のためにいろんな音楽を聴いているんだけど、最近、ロックがなんか面白いなと思ってて。
Julia:へえー、意外! どんなロック?
RIRI:日本のアーティストだと、ONE OK ROCKさんとか。あとやっぱり映画を観てQueenにもインスピレーションを受けて。なので、次のアルバムとか、強い想いや決意を込めた曲にロックテイストを取り入れるのも面白いなと思っていて。
Julia:これまでのRIRIの曲のイメージとはまた違っていて楽しみだね。RIRIは台湾にはいつまでいるの?
RIRI:じつは明日までなの。そのあとは取材でロサンゼルスに行かないと。
Julia:Busy Girlだ! アメリカでも美味しいものたくさん食べて楽しんできてね。RIRIが9月のライブで台湾に来たとき、いろんなところ連れて行くよ。
RIRI:やった! 今度は朝ごはんにも連れていってね。Juliaが日本来たときは私が案内するね!
- プロフィール
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- RIRI (りり)
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1999年11月5日生まれの現在、最も注目されるR&B / Popシンガー 。2011年、ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンなどを手がけた名プロデューサー、デビッド・フォスターが主催した世界的次世代スターを発掘するオーディションに出場し、僅か11歳でファイナリストのひとりに選ばれる。2016年11月2日にリリースした初EP『I love to sing』はApple Music 「R&B / ソウルランキング」で1位を記録。2018年ソニーミュージック アソシエイテッドレコーズより、1st アルバム『RIRI』と2nd『NEO』をリリース。2019年5月22日には、最新EP『Summertime EP』をリリースした。
- Julia Wu (吳卓源 / じゅりあ うー)
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1994年10月6日生まれ。台湾で活動中の中国系オーストラリア人シンガー。オーストラリアのオーディション番組での出演より脚光を浴び、台湾の音楽配信サービスを手掛けるKKBOXが擁するレーベルKKFARMよりデビューを果たした新世代R&Bクイーン。ヒップホップとR&Bの要素を混ぜ合わせたトラックの上で心地よいメロディアスなフロウが特徴であり、リリックには韓国の注目シンガーHeizeのようなセンチメンタルな感触を残すものが多い。過去には、R&Bシンガー向井太一とのコラボ曲『FLY』『Rendezvous』をリリース。今後、日本での活躍も期待されるアーティスト。
- リリース情報
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RIRI 『Summertime EP』(CD)
2019年5月22日(水) 発売
価格:1,700円(税込)
AICL-3629
1. Summertime / RIRI, KEIJU, 小袋成彬
2. Better Days
3. luv luv feat. Junoflo
4. HONEY (BUNNY Remix)
5. Dilemma (Produced by DJ CHARI & DJ TATSUKI) / JP THE WAVY & RIRI
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Julia Wu 『Summertime (Julia Wu Mix)』(配信)
- イベント情報
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『ANESSA Presents”Summertime Live 2019”』
2019年9月7日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:台北 The Wall Live House
料金:NTD 800(オールスタンディング)
出演:Julia Wu(台湾)、 KEIJU(日本)、RIRI(日本)『PARA-』
2019年9月1日(日)OPEN / START 16:00
会場:東京 南青山 SHARE GREEN MINAMI AOYAMA
料金:自由4,000円(税込、1ドリンク別途要)
出演:Julia Wu(台湾)、 KEIJU(日本)、RIRI(日本)
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