走りながらその土地を巡ってみると、今まで知らなかった景色やお店に思いがけず出会うこともしばしば。車での移動だったら通り過ぎてしまう風景もランニング中なら気の向くまま立ち止まってみることが可能です。旅するランはとにかく自由なのです! 前回の那覇編につづき、今回ご紹介するのは沖縄北部〜中部の3つのコース。地元の方にはお馴染みかもしれませんが、特に「海を感じながら走ってみたい」という観光客ランナーの方々にもオススメしたい場所を紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
年中暑い沖縄のランニングは、11月からがベストシーズン!?
沖縄の夏を過ごしてみて思ったのは、灼熱の体感気温が走る気力を削ぎ落としまくってくれるということ。11月に入りようやく暴力的だった暑さが影を潜め、いよいよ本格的なランニングシーズンが到来し、やる気がみなぎるという方も多いことでしょう。
12月にはNAHAマラソン、1月には石垣島マラソン、2月にはおきなわマラソンと大きなレースも目白押しです。ぜひ、高まるモチベーションの赴くまま、古宇利島、北谷エリア、海中道路という3コースを走ってみてください。旅する気分で走れば、沖縄らしい美しい風景に出会えること必至です。
1.古宇利島一周8kmコース
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古宇利島(こうりじま)は、沖縄本島北部にある島で2005年に屋我地島(やがじしま)との間をつなぐ古宇利大橋が開通したことにより車で渡ることができるようになりました。那覇空港から1時間半ほどで行けるということもあって、近年では国内外の観光客からも人気の絶景スポットのひとつです。その魅力は何と言ってもエメラルドグリーンの海に車でアクセスできるという点。島をつなぐ古宇利大橋から美しい海を一望することができます。
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いかがでしょうか? この絶景。そんな古宇利大橋を屋我地島側から渡って、島を一周してみようというのが今回のコース。まずは遠く前方に島影を見据えながら全長約2kmの橋を渡ります。眼下に見える海の美しさに魅了されつつ、わりと強めの海風が容赦なく吹き付けてくることがあるので、ウインドブレーカーなどを用意しておくと安心です。
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古宇利島に到着したら反時計周りのコースをとります。島の入り口にはカフェがあったり、ガーリックシュリンプをワゴン車で販売していたりとそこはかとないハワイ感にチルアウト。いやはや、まったりしている場合ではなく、走り出してみるとまずは古宇利オーシャンタワーに向けて登り坂がつづき、いきなり心が折れそうになるのでふんばりましょう。
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島の北側へ向けては周回道が伸びているのでひたすら進みます。畑、海、畑、海、畑――これでもかと目に入ってくる景色は次第に単調なように思えてくるかもしれませんが、旅ランの醍醐味を忘れてはいけません。走りながら目を凝らしてみるとマダラチョウの仲間が飛んでいたりと、普段なら見過ごしてしまいそうな自然のワンシーンを目撃できるはずです。
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島の北側にあるティーヌ浜にはハートロックと呼ばれる奇岩があり、多くの観光客で賑わっています。もちろん徒歩でアクセスできるので、ランニングのついでに浜まで降りてみるのもいいでしょう。このハートロックはその名の通りハート型に見えることから恋を成就させるパワースポットとしても有名です。心当たりのある方は神頼みも忘れずに。
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再び周回コースを走り続けて南側に抜けると渡ってきた古宇利大橋が再び姿を現します。これまでなかなかアップダウンのあるタフなコースだったので、ほんのり安堵感も湧き上がりながら、島の入り口にたどり着き、そこでゴールです。
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2.宮城海岸〜北谷エリア4.5kmコース
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沖縄県中部の北谷町にある宮城海岸はシュノーケリングやダイビングのメッカ。海岸防波堤をウォーキングやジョギングしている方も多く、さらに夕暮れには美しいサンセットを眺めることができる場所としても人気のスポットです。
その宮城海岸の北の端からスタートしてひたすら海沿いを走り、アメリカンビレッジを横目にサンセットビーチ、北谷公園陸上競技場まで渡る約4.5kmのコースです。
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防波堤を走りながら陽の光を受けて輝く海面を眺めていると、波間にダイビングをしている人たちの姿が。ウミガメも訪れる場所なので、海の中はさぞかし透き通っていることでしょう。ほんわか竜宮城の妄想が掻き立てられそうになりながら、足取りしっかり走ります。
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そういえば、この場所は野良猫も多く、その人懐っこさに思わず足止めさせられてしまうことも。いやいや、とにかく乙姫やかわいい猫の幻惑を断ち切って、シリアスなランナーである自分の足元を見つめ直してください。
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宮城海岸を南の端まで走った後は内陸部に少し戻り、つづいて北谷エリアへ。ここは「沖縄・クラフトビール最前線! 北谷・美浜エリア編」でも紹介したエリア。
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ご褒美のクラフトビールを想像して喉が鳴りますが、まだまだ足を止める訳にはいきません(なんとも誘惑が多いコースです)。右手に東シナ海、左手にアメリカンビレッジを見ながら、さらに海岸線を南下し、サンセットビーチを越えたところでゴールです。
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ゴール後のお楽しみは、チョコレート専門店『TIMELESS CHOCOLATE』のチョコレートドリンク(500円)。疲れた身体を癒やしてくれるやさしい甘さはもちろんカカオはビタミンやミネラルも豊富で特に含まれるポリフェノールには高い抗酸化作用があるのでランニング後には最適の一杯と言えるでしょう。ぜひ特集記事「『TIMELESS CHOCOLATE』が、沖縄・北谷で「Bean to Bar」スタイルのチョコレートをつくるワケ」も合わせてチェックしてみてください。
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3.海中道路〜浜比嘉島7kmコース
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最後は場所を東海岸に移し、うるま市にある海中道路へ。本島側の勝連半島から平安座島(へんざじま)を結ぶ全長4.7Kmの道路。その名の通り、橋ではなく堤防上の道路として造られており、ドライブコースとしても人気のスポットです。
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海中道路の入り口から一路、右にも左にも海が広がる道を走っていきます。海中道路の途中には地元の物産品が売っている『海の駅あやはし館』があり、最初の休憩はこちらで。ちなみにこの海中道路を舞台にあやはし海中ロードレース大会というマラソン大会が毎年4月に開催されています(2017年は4月2日開催)。
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海中道路の後半は右手にこのコースの目的地である浜比嘉島(はまひがじま)が見えてきます。平安座島を経て、橋を渡り浜比嘉島へ。浜比嘉島は琉球の開祖を祀った聖地がある島としても知られており、近年ではパワースポットとして訪れる人も増えています。
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橋を渡ったら島を反時計回りするように右折し、港へ向かいます。今回のゴールは丸吉食品という食堂。ここの名物である天ぷらをご褒美としていただくことにします。
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天ぷらセット(小)はイカと魚、もずくの天ぷらがそれぞれ2つずつ入って400円。ふくらし粉が入り、ふんわり仕上がる沖縄のてんぷらはスナック感覚で味わえます。この日は注文してからお店のお母さんがその場で揚げてくれ、アツアツふんわり状態で堪能。こちらの衣にはニンニク風味が効いており、走った後の体力補給にもよし。走って消し去ったカロリーを帳消しして、余りある美味しさです(つまりプラスオン!)。
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以上、沖縄の海を存分に感じながら走れる3つのコースをご紹介しました。重ねてになりますが、時折吹く激しい海風に汗びえしないようにウェアの準備は万全に。また、こちらも前回同様の老婆心ですが、走っている最中に出会った地元の方にはぜひひとことご挨拶を、お店に入る時は汗を拭うなどのお気遣いもお忘れなく。
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Timeless Chocolate
住所 : 沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46 ディストーションシーサイドビル2F
営業時間 : 11:00~19:00
定休日 : 年中無休
電話番号 : 098-923-2880
駐車場 : あり
Webサイト : http://timelesschocolate.com
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