数年前から沖縄にも到来した立ち飲みブーム。南国・沖縄の歴史的な背景や下町風情が色濃く残る那覇の市場の路地裏で沖縄らしいのどかな時間を過ごせる個性派のディープな「立ち飲み酒場」を紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
牧志公設市場周辺の立ち飲み酒場
国際通りから「市場本通り」に入ると、平行して「むつみ橋通り」と「平和通り」があり、どれもアーケードの商店街。市場本通り沿いにある第一牧志公設市場の周辺には、立ち飲み酒場が数店舗あります。市場周辺で働く地元の人たちを始め、国際通りが近いこともあって観光客も訪れる那覇の立ち飲み酒場は、全席が立ち飲み席というわけでなく、立ち飲みもできる大衆酒場として利用され、時短でサクッと飲める手軽さから人気を呼んでいます。
パラソル通りにある水上店舗! 京風おでんの『輪屋(わや)』
市場本通りとむつみ橋通りの下には川が流れ、この川の上に建てられた2階建ての建物のことを水上店舗といいます。むつみ橋通りを直進すると繋がるパラソル通り沿いに、2015年4月にオープンした立ち飲み酒場『輪屋』もまた水上店舗の一つです。
パラソル通りの店がシャッターを降ろし始める頃。周囲が静まり返る中、煌々と明かりを灯して開店準備を始める『輪屋』。17時からオープンしますが、この店が活気づくのは21時過ぎからと出足は少し遅め。京都出身の柄崎オーナーが煮込む京風おでんを名物に15種類ほどの具材を1品100円から提供しており、大根やはんぺんなどの一般的なおでんの具材の他に、トマトやエノキもあります。その他にも、串焼きやおつまみに合う1品料理もあり、おでんのダシをかけた「焼きおに茶漬け」は締めに打ってつけなオススメの1品です。
約2か月かけて手作りした屋台風の店構えは、ふらっと気軽に立ち寄れる親しみやすさがあり、オーナー夫婦も気さくな人たち。『輪屋』とは、この店を中心に人の「輪」ができ、ワヤワヤと賑やかな店になれたらといったことから名付けた店名なのだとか。ここではアレンジを効かせたモヒートも提供しており、2階建ての水上店舗の昭和レトロな光景のなかで、那覇の夜をゆるりと過ごしてみではいかがでしょう。
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輪屋
住所:沖縄県那覇市牧志3-3-1
営業時間:17:00~24:00
定休日: 火曜日
電話番号:080-6480-0800
駐車場:なし
栄町市場内の立ち飲み酒場
沖縄モノレールの「安里駅」から栄町市場まで徒歩1分。栄町市場といえば、昼夜問わずにシャッター商店街のごとく静まり返り、営業しているお店もまばら。しかし、場内の通路を奥に進むと八百屋やお肉屋、花屋や衣料品店などがポツポツと現れ、平日でも昼から飲める酒場も存在します。ここは地元に根づいた生活感溢れるディープな市場で、昭和レトロな佇まいの中、敷地内で生活している住民もいる、沖縄らしいのどかな光景も垣間見える場所です。
安里駅から徒歩2分! 女性店長がひとりで切り盛りする『栄町 西口商店』
栄町市場の西口を入るとすぐ目に飛び込んでくる『栄町 西口商店』の大きな赤提灯。2014年4月の開店当時は全席椅子席だった店内を、2016月2月から現在のスタイルになった立ち飲み居酒屋です。築60年以上の古民家を改築した木造の和風な店内では、大阪出身の女性店長がひとりで切り盛りし、1品1品作りたての料理を提供しています。
沖縄ではあまり見かけない珍しいお酒を用意していて、なかでも特に多いのが焼酎の種類。この店で人気の「茜霧島」や冬虫夏草酒の「金霧島」、チャーガ酒の「黒宝霧島」など、宮崎県の霧島酒造のお酒がカウンターに並び、秋田県の珍しい焼酎も。今後は日本酒も増やしていく予定だそうです。
おひとりでも気軽に入れる立ち飲みスタイルの利点を生かして、料理は1名食べきりサイズの小鉢料理が中心。この店自慢の「鶏の煮込み」は、箸を入れるとホロホロと煮崩れる柔らかい鶏肉にしっかりとダシが染み込みんだ手間暇かけた1品。そして注文が入ると焼き始める「だし巻き玉子」もオススメ。どれも1品300〜400円の料理とは思えない量と食べ応えにコストパフォーマンスの良さを感じます。店内は10名でほぼ満席になり、外の席も合わせると20名ほど入れる立ち飲み酒場。ときどき臨時休業する日があるので、行く前にお店のFacebookページを要チェックです。
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栄町 西口商店
住所:沖縄県那覇市安里385-9
営業時間:15:00~24:00
定休日: 水曜日
電話番号:なし
駐車場:なし
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/nisiguti/
ヒューガルデンの樽生限定のビアバー『SORIANO(ソリアーノ)』
西口商店の隣にある立ち飲みビアバーが『SORIANO(ソリアーノ)』。ここは入口に看板がなく、店に入ろうかどうしようかと一瞬戸惑う人が多いようですが、この店はベルギービールのヒューガルデンの樽生だけを販売する貴重な店。価格も1杯400円(税込み)とビール通を唸らせる低価格帯に、知る人ぞ知る穴場の立ち飲みビアバーとなっています。
店内は全てカウンター席で8名も入ると満席となり、週末や祝日ともなると終日、混雑が続く盛況ぶり。オーナーがひとりで営業するこの店では、カウンター越しにオーナーと向い合う近い距離感から自然と会話が生まれ、来店客同士でも会話が弾む和やかな雰囲気。看板のない入口や敷居が高そうに見えるバーですが、ひとりでも気軽に入れる安心感があります。
主に待ち合わせまでの隙間時間で利用する人が多く、フルーティーな味わいで女性にも飲みやすいヒューガルデンは、サクッと軽く1杯飲むのに適した食前酒に合うビール。だからこの店で長時間過ごすのでなく栄町市場で食べ歩きしてほしいと、料理は一切出さずにナッツ系のおつまみ程度の提供となっています。
立ち飲みスタイルの気軽さやヒューガルデンが手軽に飲めるお手頃さが人気を呼び、一度訪れるとリピーターになる人が多いそう。オーナー自らが好きだったからという理由で提供し始めたヒューガルンの樽生を15時から昼飲みできる『SORIANO(ソリアーノ)』で、昭和レトロな栄町市場でのひとときを楽しんでみてください。
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SORIANO
住所:沖縄県那覇市安里387-1
営業時間:15:00~24:00
定休日: 木曜日、日曜日
電話番号:098-886-5030
駐車場:なし
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