今、韓国の若者の間でホットスポットとなっているエリアが、聖水洞(ソンスドン)。旅行者にとってはあまり聞き馴染みのない名前かもしれませんが、聖水洞は、もともと靴工場や小さな町工場が立ち並ぶエリアでした。しかし近年、若手アーティストやデザイナーが古い建物をリノベーションして独特なカフェやレストランが登場し、今ではソウルのブルックリンとまで呼ばれています。そんな話題のエリア、聖水洞の紹介です。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
どこを切り取ってもフォトジェニックなエリア・聖水洞(ソンスドン)
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聖水洞散策ということで、聖水駅の周りを少し歩いてみると、ハンドメイドシューズのお店や、見たこともないようなヒールを専門に製作しているお店などがちらほら。このエリアがこれまでメーカーや工場が多かったことが伺えます。
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街のあちこちにグラフィティが。なんともフォトジェニックで、思わず写真を撮りたくなるエリア。Instagramで最近話題なのもうなずけます。
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Cafe ONION
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まずは聖水洞の代表的なスポット『Cafe ONION』から。
2016年9月にオープンしたばかりにも関わらず、外観は見ての通りボロボロのレンガ造り、さびた鉄門、古いタイルなど、すぐに崩れてもおかしくない古い廃墟のよう。というのも、ここは1970年代に建てられ、つい最近まで「新日金属」という金属部品工場だったそうです。当時の起伏のある地面や、壁についたステッカー、汚れもそのままに残し、工場の面影や建物の歴史を感じることができる造りになっています。
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『Cafe ONION』を運営しているデザイングループFabrikrは、床に付着した塗料跡、重ねられたレンガ一つ一つが歳月を感じられる素晴らしい素材だからこそ、すべての痕跡を生かし、過去の空間を再生することに焦点をあててデザインしたといいます。その結果、独特なインダストリアルインテリアが誕生し、そこにおいしいパンとコーヒーが加わって、若者の人気スポットとして生まれ変わりました。
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二棟にわたるこの建物の外観は、特殊な構造と無機質な雰囲気から、映画のセットを彷彿とさせます。そして建物の間には、無造作に育った草が茂る中庭があり、そこから屋上に上がると、ごつごつとしたコンクリートの床とラフに置かれたいくつかの席が。天気の良い日には、聖水の景色を眺めながら屋上でコーヒーを飲むのも良いかもしれません。
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さらに屋上にはベーカリーもあり、ここで作られた出来立てのパンを食べることもできます。
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なかでも一番の人気メニューは、シュガーパウダーがたっぷり盛られたイタリアのデザート「パンドール」。その見た目からSNSでも投稿率No.1とのこと。そのほか、カリカリに焼いたチャバッタにあんことアンカーバターの入った「あんバター」、済州のニンジンを100%搾汁した「ニンジンジュース」もオススメです。
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古い建物ならではの独特な風情を感じながら、美味しいパンとコーヒーを味わえる『Cafe ONION』は、聖水洞に来たら、是非立ち寄ってほしいスポットです。
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Cafe ONION
新住所:ソウル特別市 城東区 峨嵯山路9キル 8
旧住所:ソウル特別市 城東区 聖水洞2街 277-13
営業時間:月-金 8:00~22:00、土・日 10:00~22:00
電話番号:070-7816-2710
最寄り駅:聖水駅
Instagram:http://www.instagram.com/cafe.onion/
大林倉庫 / 대림창고
『Cafe ONION』から駅の反対側にほんの数分進むと、ひときわ大きな建物が見えてきます。ここもまた、聖水洞に来たら、必ず訪れたいカフェ『大林倉庫(대림창고)』です。
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この大きな建物は、1970年初めには精米所として、1990年代には工場副資材倉庫などとして使用されていたのだそう。赤レンガの外観や、工場であった頃に描かれたペンキの文字など風合いをそのままに残し、現在は6つの倉庫の内3つの倉庫を合わせて、カフェや文化空間として再構築したギャラリーカフェとなっています。
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大きな扉を開くと、高い天井に広く開けた空間が現れ、思わず「うわあ」と声を上げてしまうほど。
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既存の倉庫の枠組みをそのまま使用した大林倉庫は、半透明の天井材を使用することで、自然光が広く差すつくりになっており、その明るさは室内でも木が育てられるほど。訪れれば誰もがこの空間のファンになるはず。
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門を開けてすぐの空間はカフェスペースとなっており、ここではコーヒーや紅茶、ビールなどを楽しむことができます。
寒い日には、今では珍しい薪を使ったストーブを前に暖かいレモンティーを飲むのがオススメ。
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ドンフイさんが古い倉庫から感じられる歴史をそのまま活かして作ったというこの空間は、ユニークでどこか洗練された雰囲気を漂わせており、シャネルやバーバリーなどの高級ブランドがここでプレゼンテーションやローンチングショーを行うほどです。
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『大林倉庫』は、代表のドンフイさんだけでなく、他の作家の作品を展示するギャラリーの役割も果たしています。その為、週末は入場料がかかりますが、1万ウォン(約1000円)を払えば、作品を楽しみながら飲み物一杯を飲むことも可能です。
隣接した隣の倉庫はレストランスペースとなっていて、ここでは手作りパスタやピザを提供。
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特に人気なのが、見た目も珍しい星の形をした「セウピザ(エビのピザ)」。友達と分け合って食べるのにもピッタリで、オリーヴの風味と分厚いミミに入った濃厚なチーズが最高に美味しい。他にも魚介をふんだんに使ったメニューが数多くあり、暖かな自然光を感じながらランチをするのにもってこいのカフェです。
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大林倉庫(대림창고)
新住所:ソウル特別市 城東区 聖水2路 78
旧住所:ソウル特別市 城東区 聖水洞2街 322-32
営業時間:11:00~23:00
電話番号:02-499-9669
最寄り駅:聖水駅
Instagram:http://www.instagram.com/column2016/
Facebook:http://www.facebook.com/column2016/
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