今、ネット発のソウルのファッションシーンが熱い。MAISON KITSUNÉとのコラボレーションが記憶に新しいADER ERRORや、原宿にも店舗を構えるSTYLE NANDAなど、日本でも大人気のブランドは、元を辿ればオンラインで生まれたものだった。韓国では、オンラインマーケットから人気が出て、実際に店舗を持つようになるような成功ルートがよく見られる。SNSを介して自分自身がブランドのアイコンとなって情報発信し、世界中からファンを集めているのだ。 このように新しい現代のブランドの在り方を提示している韓国で、今回はその中でも今若者から人気を博している6つのファッションブランドを、そのブランドのアイコンとなる人物と共に紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
1.OPEN THE DOOR
イ・ヒョジンがディレクターを務めるブランド「OPEN THE DOOR」。自身もDJ、モデルとして活躍する他、InstagramやYoutubeで自身のファッションスタイルを発信し、日本でも雑誌に登場するなど、その独特なスタイルが多くの若者に支持されています。ウィットに富んだデザインが目を引く「OPEN THE DOOR」のアイテムは、唯一無二の存在感。中でも、「OPEN THE DOOR」のACIDITYラインのブーツは、ソウルキッズであれば一足はゲットしておきたいアイテムの1つです。
ブランドディレクター イ・ヒョジンへの6つの質問
1.「OPEN THE DOOR」を始めたきっかけは?
私の挑戦だと思って始めました。
2.「OPEN THE DOOR」をはじめたのはいつ?
2017年冬からスタートして、1年6ヶ月ほど経ったところです。
3.ブランド、もしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
Instagramは、自分の感性を多様な形で発信することで、韓国だけではなく、世界中のバイヤーとも繋がることができる、ワールドワイドなSNSチャンネルだと考えています。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
写真、またはスタイリングなどにおいて、私だけの感性を大切にして多く発信すること。
5.自分のブランドの個性とは何ですか?
他の人には真似できないような、私の感性からのみ滲み出るもの。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
最近だと、合井(ハプチョン)と上水(サンス)エリア周辺かな。
2.ODD ONE OUT
日本でも韓国ブランドをチェックしている人であれば、ご存知であろう、人気のモードブランド、「CRES. E DIM.(クレス エ ディム)/ DIM.E.CRES(ディム エ クレス)」のカリスマデザイナー、パク・イェジが立ち上げた、韓国のユース層に絶大な支持を得ているブランド「ODD ONE OUT」。ソウルのトレンドセッターであるパク・イェジのスタイルをフォローする若者は絶えず、2018年には、カフェを併設したリアルショップが梨泰院(イテウォン)に登場。間違い探しをするように、平凡な日常生活の中にある、どこか少し変わったものをテーマに、カジュアルでありながらウィットの富んだアイテムを展開します。
ブランドディレクター パク・イェジへの6つの質問
1.「ODD ONE OUT」を始めたきっかけは?
もともとファッションを専攻していて、学校を卒業してから、国内のデザイナーブランドのデザイナーとして服を作っていましたが、いつの間にか自然と、自分のブランド製作を始めるようになっていました。
2.「ODD ONE OUT」をはじめたのはいつ?
2017年にスタートして、現在で1年と少しの時間が経ちましたね。
3.ブランド、もしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
ブランドの立場としては、ブランドが追求する感性を表現することができて、お客と直接コミュニケーションができる空間。個人の立場としては、私がデザインした服を、私自身が着て、スタイリングを楽しむのを共有することができて、私がデザイナーとしてどんな仕事をしているのかなどをお見せする事ができる、興味深い空間だと思っています。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
毎シーズンごとに作るルックブックについては、うまくコンセプトが伝わるように、神経を使いますね。中でも、Instagramは、文章よりも、まず写真に触れるので、より感覚的で多様な見せ方が重要だと考えています。「ODD ONE OUT」だけの感性が盛り込まれたヴィジュアルに、コンセプトを表現するテキストが自然に伝わるようにと、いつも気を使ってますね。
5.自分のブランドの個性とは何ですか?
毎シーズンごとに、トレンディーなスタイリングを追求しながらも、スタンダードで日常使いもできるカラー展開やディテール、そしてシルエットが特徴的な「ODD ONE OUT」。それが、私達のブランドの個性だと思います。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
梨泰院(イテウォン)は、常にソウルのホットスポットの1つであると思いますが、実は私のショップも今年、梨泰院にできたんです! ショップにはオフィス併設していて、私が毎日出勤している場所も梨泰院なんですよ。
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ODD ONE OUT
URL:http://www.oddoneout.co.kr
URL:https://www.instagram.com/oddoneout.kr/
パク・イェジ
URL:https://www.instagram.com/yejiyejiyejiyeji
3. 23&24
立ち上げて半年も経たないうちにSHINeeの衣装として使用され、俳優のチョン・ジョンアンが着用しファッション雑誌にも掲載されるなど、驚異的なスピードで世の中にその名を知らしめているブランド「23&24」。ハイクオリティなルックブックと映像を通して、その独自の世界観をアーティスティックに表現しています。デザイナーのチョン・ミンホは、自身のインスタグラムで彼女との調和の取れたペアルックを披露し、男女関係なくユニセックスな着こなしを紹介し、多くの支持を得ています。
ブランドデザイナー チョン・ミンホへの6つの質問
1.「23&24」を始めたきっかけは?
もともと洋服が大好きで、ファッションの専門学校に入学しました。卒業後に、自分が持っているスタイル・自分が着たい服をより多くの人々に共有したくて、「23&24」を立ち上げました。
2.「23&24」をはじめたのはいつ?
私たちのブランドは、今年(2018年)の4月からスタートしたばかりです。
3.ブランドもしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
私たちのブランドにとってInstagramとは、一種の「影」のような存在です。SNSが与える影響力をよく理解していますし、Instagramを通して多くの若者が私達のブランドを知ってくれています。自分たちがブランドの広告塔としても機能しているし、Instagramは私達のブランドと共に存在する「影」だとも思います。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
「23&24」は、まだまだ新生ブランドなので、今はより多くの人に私達のブランドを知ってもらえるよう、広報に集中しているところです。今は、「MUSINSA STORE(韓国の様々なブランドを取り扱うセレクトショップ)」に取り扱われていますが、今後はより多くのセレクトショップに取り扱って頂けるように準備しています。
5.「23&24」の個性は何ですか?
シンプルでありながらも興味を引くデザイン、そして様々な素材を活用することで、私達のブランドだけの世界観(=ミニマリズム)を表現しています。今後もブランドが成長できるように、「23&24」だけの独特の世界を共有していきたいです。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
梨泰院(イテウォン)です。様々な人種の人に会うことができて、たくさんの美味しいお店やセレクトショップがあります。若さを象徴するような活力に満ち溢れた場所でもあり、私のお気に入りの場所です。
4.MCNCHIPS
元々グラフィックデザイナーとしてキャリアを積んでいたイ・イェスルが立ち上げた「MCNCHIPS」。グラフィックセンスの光るファッションアイテムだけでなく、文房具から雑貨まで取扱アイテムは多岐に渡ります。まるでアートブックを見ているかのようなアイテム写真は見ているだけでワクワクするようなものばかり。シンプルながらもコーディネートのポイントになるTシャツは、Instagramを通して男女問わず人気を集めます。
ブランドデザイナー イ・イェスルに聞く、6つの質問
1.「MCNCHIPS」を始めたきっかけは?
グラフィックデザイナーとしてずっと活動してきた中で、細々と作ってきた面白いものを発表したくて、このブランドを始めました。
2.「MCNCHIPS」をはじめたのはいつ?
2015年4月からです。
3.ブランドもしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
「MCNCHIPS」のInstagramは、単に新しい情報を見せる媒体というよりは、お客さんとコミュニケーションする為の、まるで糸電話の紙コップのような存在だと思う。一人で話すのではなく、一緒に聞いて分かち合うことができるように、互いに努力するような。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
私が伝えたい部分を身近に感じることができて、そしてそれが正確に伝わるようにと努力しています。細かいディテールに面白い要素を隠しておけば、見ている人達が些細な部分までキャッチしてくれたりもします。そういう風に、互いに多くの意思疎通することができるという点が良いことで、それが一番大事な部分でもあります。
5.「MCNCHIPS」の個性とは何ですか?
毎シーズンごとに新作を作るブランドと違って、突然、ふと思い浮かぶアイデアから、アイテム展開することが多いのが「MCNCHIPS」。また販売する数量も少ないので、希少価値がはっきりしているとも思います。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
双門洞(サンムンドン)! 現在、私のブランドのショールームがある場所でもあります。最近は個性が際立った、素敵なカフェやレストランも増えてきました。まだ多くの人が訪れる場所ではないので、懐かしい雰囲気もあると思う。是非、遊びに来てね!
5.TANGER
日本ではまだ馴染みのない言葉として、韓国には「ブログマーケット」というものがあります。いわゆるオンラインショップという形式でもなく、ブログを介して自身が買い付けたアイテムを少量で販売するという形のWEBショップ。そのブログマーケットの形式で一際センスの光る「TANGER」は、オーナーのキム・ユジンが蚤の市などで見つけたビンテージアイテムを扱うブログマーケットです。フェミニンでセクシー、それでいてビンテージアイテムならではの風合いが楽しめるアイテムを取り揃え、その独自のセレクトセンスが若い女性を中心に支持を集めています。
「TANGER」オーナー キム・ユジンに聞く、6つの質問
1.「TANGER」を始めたきっかけは?
もともとファッションに関心があったんですが、実はファッションを仕事にはしたくなかったんです。何だか恐ろしい気もするし、自分の性にも合わない気がして。それでも私のInstagramに写真をアップしていったところ、私のスタイリングに興味を持ってくれる人が少しずつ増え始めて。それで、一度挑戦してみよう! という気持ちで、姉と一緒に始動しました。
2. 「TANGER」をはじめたのはいつ?
もともと2015年からのお小遣い稼ぎの気持ちで始めた、ビンテージの服やノミの市で見つけたブログマーケットなんですが、4ヶ月ほど前から正式にスタートしました。
3.「TANGER」もしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
ブランドにおけるInstagramは、率直に言えば一番有難く、なくてはならない存在です。私を好んで見てくださる方々も、皆Instagramを通して知ってくれた方ですし、広報もインターネット上のオフィシャルアカウントも全てInstagramでしたからね。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
実は今、ちょっとした事情があって「TANGER」の運営を中断しています。残念ではありますが、より良いブランドになるために改装中です。今後はファッションだけでなく、健康や美容の方面でのアプローチを考えています(笑)。少し時間がかかると思いますが、引き続き暖かく見守っていてください。
5.「TANGER」の個性とは何ですか?
「TANGER」のスタイルは、トレーニングウェアをベースにセクシーでありながらもカジュアルな洋服が多いです。家の前のスーパーに行く時にも着れるし、逆にホテルやレストラン着回すことができる。そして誰が見ても「TANGER」の服だと分かる、そんなブランドです。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
あまり詳しくないんですが……、私が思うに鍾路(チョンノ)、乙支路(ウルチロ)のエリアが行く度に毎回人が増えてきているし、今後は、今の梨泰院(イテウォン)や弘大(ホンデ)のように、どんどん活性化していくように思います。中でも、私が一番よく行く場所は、鍾路3街(チョンノサムガ)から光化門(クァンファムン)のあたりですね!
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TANGER
サイト一時閉鎖中(2018年7月現在)
6.nyeong closet(녕이옷장)
最後に紹介するのは、韓国が人気を集めるオンラインショップ「nyeong closet」。奇抜なアイテムから、ナチュラルでキュートなアイテムまで、様々なアイテムを幅広く取り扱っています。ディレクターを務めるファン・ソンヨンがセレクトしたアイテムを、自身がモデルとなり、直接商品を紹介しているのが特徴の1つ。韓国のNAVERで検索すれば、多くのファン達による着用レビューが見られます。購入しやすい価格設定と豊富な着用イメージの配信によって口コミで広がり、韓国のオンラインマーケット市場で、異例の人気を誇っています。
「nyeong closet」ディレクター ファン・ソンヨンへの6つの質問
1.「nyeong closet」を始めたきっかけは?
大学生の時のブログを運営していたのですが、恋人が私のスタイルに合った服をブログで販売してみるのはどうか? と提案してくれました。軽い気持ちで始めたブログマーケットですが、アイテムを販売してみたら、だんだんと販売量が増え、規模が大きくなって、今のようなショッピングモールを運営するようになりました。
2. 「nyeong closet」をはじめたのはいつ?
2014年からはじめて、現在4年目です。
3.「nyeong closet」もしくはあなたにとって、Instagramはどのような存在?
Instagramは私自身とブランドアイテムをお見せできる空間です。フォロワー達は私がアップする写真や動画、文章だけで私とブランドを知って、購入までの判断をするので、1つの投稿にも慎重に行いますね。
4.SNSやオンラインショップを運営する上で、こだわっている点は?
(外見的に思われる)派手なイメージとは裏腹に、私は小心者ですし、恥ずかしがり屋です。だから、あちこちからくるオファーを断ったことも多く、他人とのコミュニケーションが上手い方ではありません。だからこそ、今は私とブランドを好きでいてくれるお客様やフォロワーの方々とのコミュニケーションを広げていこうと少しずつ努力しているところです。
5.自分のブランド(オンラインショップ)の個性とは何ですか?
私は、他人の視線を気にせず私が着たいように表現しているのですが、ご覧になっている人からは、「nyeong closetらしい」「nyeong closetみたいだ」このような言葉を沢山聞きますね。もちろん、自分のスタイルが普通(ノーマル)じゃないことは、私もよく知っているんですが。
6.今のソウルのオススメなスポットはどこ?
聖水洞(ソンスドン)の『S-FACTORY』。多様な文化芸術が集まることができる複合文化空間です。私は音楽フェスがとても好きなので、それを通じて知った場所なのですが、週末ごとにルーフトップで毎週新しいパーティーが開催されています。1階にはパーティーとは別の展示会が行われているんですが、行く度に新しさがあります。とてもトレンディでありながら、さまざまな文化に触れることができる場所です。
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nyeong closet(녕이옷장)
URL:http://nyeong-closet.com/
URL:https://www.instagram.com/nyeongcloset/
ファン・ソンヨン
URL:https://www.instagram.com/nyeong.e/
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