日々目まぐるしく変化し続ける大都市、台北。今回は、都市の中でも若者の拠り所として存在している、「音楽と生活の融合」にこだわりを持つお店をご紹介。台湾の「今」の音楽シーンについて知りたいのなら、おすすめのディープスポットです。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
バンド・透明雑誌がオーナーの店『WAITING ROOM』
『WAITING ROOM』は台北の人気ロックバンド透明雑誌のメンバーが経営するアパレル&ギャラリー&レコードショップ。店内にある商品は、オーナーやスタッフが音楽や芸術を通して知り合った、バンドのオフィシャルグッズやアートブックを取り扱っています。
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台湾を始め世界各国のインディーズバンドのCDも多数揃う『WAITING ROOM』では、ここでしか手に入らないレアなCDやレコードもあり、台湾人アーティストのアートブックも扱っています。
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スタッフのABLUE(アブルー)さんに、今の台湾の音楽シーンをどのように感じているのか伺うと、「昔に比べると、音楽をやる側の環境は格段に良くなっている」といいます。台北は、東京をはじめ世界の大都市と比べると、ライブハウスなどの生演奏を披露できる場所は多くありません。しかし最近の若手ミュージシャンはインターネットを駆使して、自分の作品を積極的に発表しているそう。
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そして台湾のロックバンドについて伺うと「台湾のバンドは、技術は荒削りだけど、自分の感情をストレートに音楽に乗せて表現していると思う」といいます。魂の叫びとも言える熱い台湾のインディーズ音楽を紹介しつつ、オシャレな洋服やアイテムも取り揃えた個性ある品揃え。台湾インディーズ音楽シーンを知りたいのなら、台北駅から徒歩5分、白い外観が目印の『WAITING ROOM』は外せません。
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WAITING ROOM
住所:台北市長安西路40巷10弄1號
営業時間:14:00~21:00
定休日: 月曜日
電話番号:02-2523-6937
最寄り駅:地下鉄台北駅 2番出口から徒歩5分
URL:https://www.facebook.com/waitingroomtw/
個性派のローカルDJとこだわりの音響システムが楽しめる『Double Check』
美味しいお酒とともに、ゆっくりと音楽を楽しみたいという人におすすめのラウンジバーが『Double Check』。ファウンダーは台湾の音楽シーンの発展に熱い想いを持つKenさん。最高の環境で最高の音楽を楽しんで欲しいとの想いがこのラウンジバーでは随所に感じられえるスポットです。
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「今の台湾には、耳と心を満足させられる場所がまだ少ない。どこのバーやクラブでも同じような音楽が流れ、目的がお酒を飲んで騒ぐ、またはナンパになってしまっている。そうじゃなくて音楽が主役になれる場所を作りたかったんだ」とKenさんは話します。
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最高の音楽を楽しむためにKenさんがこだわったのは「音の環境」。フランスの高級スピーカーFOCALを5台設置し、どこからでもDJが流す音楽を一番良い状態で楽しむことができます。そしてこのラウンジ、なんと土足厳禁。靴を脱いでから店内に入ります。まるで家にいるかのようなリラックスした気分こそが、音楽を楽しむ上では欠かせないとのことです。
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取材当日は台湾人の女性DJが音楽を担当していました。大きなフロアがあるわけでなくても、ユニークな存在感を放つ『Double Check』には、毎日のように台湾国内で活動しているDJから出演したいというオファーが届くそう。
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DJプレイは毎日だいたい夜10時ころから深夜まで。上質な音楽を素晴らしい環境の中で、台湾人のDJプレイを心ゆくまで楽しみたいなら、オススメのラウンジバーが『Double Check』です。
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Double Check
住所:台北市大安區復興南路一段107巷5弄16號1F
営業時間:日〜木 17:00〜24:00 / 金、土 17:00〜25:00
定休日: 不定休
電話番号:02-2778-3385
最寄り駅:地下鉄忠孝復興駅 2番出口から徒歩5分
URL:https://www.facebook.com/doublecheck.tw/
おいしいビールとカッコイイ音楽を楽しめるライブハウス『Revolver』
「ライブハウス」といってもそのスタイル・種類は様々。台北のライブハウスはお酒を思う存分楽しみながら、台湾そしてアジアの最先端の音楽に触れることができます。この『Revolver』もそんなライブハウスの一つです。
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『Revolver』のブッキングマネージャーとしてライブハウスの運営をしながら、自身のレコード・レーベルを持ちバンドマンとしても活躍している阿丹(アダン)さんに台湾の音楽シーンの状況について聞いたところ、「もちろん日本や韓国に比べると人口が少ないので、音楽自体のバリエーションは多くはない。だけど、台湾はお客さんのノリが良く、若手アーティストであっても、観客みんなが優しく受け入れ応援するような環境があると思うよ」と話します。
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取材当日は平日でしたが、お客はビール片手にリラックスして体を揺らしながら音楽を楽しんでいました。週末は満員御礼の日も多いので、ライブが始まる前にお店に行くのが良いかも知れません。
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阿丹さんに、『Revolver』の出演バンドの基準は何かと伺うと「かっこよければ、なんでもいい」といいます。ロックでもテクノでも、アコースティックでも毎日届くオファーの中からカッコいいと思ったアーティストのみをブッキングしているのだそう。
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1階はパブになっていて、階段で2階に上がるとライブハウス。数え切れない程のアルコールを提供しているので、まずは好きなお酒を1階で買い、2階に行って思う存分にライブを楽しみましょう。
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Revolver
住所:台北市中正區羅斯福路一段1-2號
営業時間:月-木 18:30~3:00、金・土 18:30~4:00、日 18:30~1:00
定休日: なし
電話番号:02-3393-1678
最寄り駅:地下鉄中正紀念堂駅 4番出口からすぐ
URL:http://www.revolver.tw/
Facebook:https://www.facebook.com/RevolverTW/
毎週様々な催しが開催される、緑に囲まれた書店『閱樂(ユエユエ)書店』
あまり知られていないかもしれませんが、台北は個性的な本屋が多くある、本好きにはたまらない街です。中でも特に台北在住の読書家に人気なのが『閱樂書店』。読書家を唸らせる品揃えの理由は、本好きのスタッフによる厳選された選書です。本について質問すると、スタッフの方は熱く自分の宝物を紹介するように話してくれます。
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本だけでなく、スタッフがセレクトした台湾と香港のインディーズCDも販売。台北で扱っているのは『閱樂書店』だけという作品も多いそうです。
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音楽ジャンルのセレクトを担当している林(リン)さんは、「ここは本屋ではなく、いろんなジャンルの文化や人が交わる場所。台湾のまだあまり知られていない素晴らしいモノやヒトを紹介する事にやりがいを感じている」と話します。そんな『閱樂書店』では、アコースティックライブや展示など、毎週様々な催しが行われているのです。
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また最近の台湾の音楽シーンについて伺うと「まだまだ足りない部分は多いけど、10年前に比べると格段に進歩している。でも、サブカルチャーや新しい取り組みが若者だけのものになっているから、もっと幅広い年齢のヒトに向けて発信していきたい」と林さんは話します。
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店内にはカフェスペースも併設されており、美味しい淹れたてのコーヒーを飲みながら、ゆっくりと本を読むことも可能。時間がゆったりと流れる、素敵な書店です。
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閱樂(ユエユエ)書店
住所:台北市信義區光復南路133號
営業時間:9:00~21:00
定休日: なし
電話番号:02−2749−1527
最寄り駅:地下鉄國父記念館駅 5番出口から歩いて5分
URL: https://www.facebook.com/yueyue.company/
台湾の優しいオーガニックフードとクロスカルチャーパーティを楽しむなら『別所 Shelter』
最後に紹介するのが、台北駅から3駅北上した民權西路駅近くにある『別所 Shelter』。台湾はここ数年、こだわりのカフェの出店が相次ぎ、素敵なカフェで溢れています。しかしこの『別所 Shelter』が特別なカフェである理由は、店長のBosco(ボスコ)さんが音楽と映画について人並みならぬ情熱を持っているからからかもしれません。
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広々とした店内に入ると目に入ってくるのが、レコードプレイヤーと展示されたレコードの数々。Boscoさんの私物とお客さんからの贈り物もあるのだそうです。
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『別所 Shelter』の名前の由来は「避難所」から。日々の煩わしさから抜け出し、多くの人が新しいものを発見し、自分を見つめ直すことが出来る避難所のような場所になりたいとBoscoさんはいいます。そんな想いから毎週数回ここでは、特別なパーティが開かれています。それは台湾で活動するDJのプレイだったり、アーティストの展示会、または映画や演劇の鑑賞会など、内容は多岐に渡ります。
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「単にパフォーマンスを披露する場と言うより、お客さんとアーティスト、そしてアーティスト同士が交流して新しいものが生まれる場所にしたい」と話すBoscoさん。どのパーティも予約不要で誰でも入場OKなので、来店の際は事前にフェイスブックをチェックしてから訪れるのがよいかもしれません。
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『別所 Shelter』では台湾の小さな農家を支援したいとの思いから、提供するフードメニューも台湾産の有機食材を使ったもの。こだわりのコーヒーも自慢の逸品です。優しい思いに溢れているこのカフェで、おいしいコーヒーとケーキと共に、台湾の新しい文化が生まれる瞬間を目撃できるかもしれません。
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別所 Shelter
住所:台北市大同區承德路三段51巷18號
営業時間:11:00~23:00
定休日: なし
電話番号:02−2599−1811
最寄り駅:地下鉄民權西路駅 5番出口から歩いて3分
URL:https://www.facebook.com/shelterCafeandFood/
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Double Check
住所 : 台北市大安區復興南路一段107巷5弄16號1F
営業時間 : 日~木 16:00〜24:00
金・土 16::00〜25:00
定休日 : 不定休
電話番号 : 02-2778-3385
Webサイト : https://www.facebook.com/doublecheck.tw/
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別所Shelter
住所 : 台北市大同區承德路三段51巷18號
営業時間 : 11:00~23:00
定休日 : なし
電話番号 : 02-2599-1811
最寄り駅 : 民権西路駅
Webサイト : https://www.facebook.com/shelterCafeandFood/
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