今、東京では、旅行客の増加に伴い、新しい宿泊施設がどんどん増えています。そのスタイルも既存のモデルを見習うだけでなく、それぞれ新しく、ユニークな旅をしたい旅行者に向けた魅力的ものばかりです。今回は、旅行者はもちろん、都内在住者でも楽しめる、2015年下旬より2016年5月までに東京で新たにオープンした宿泊施設5つを紹介します。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
アート作品の中に泊まれるホテル『BnA Hotel Koenji』
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『BnA Hotel Koenji』は、"泊まれるアート"をコンセプトにしたアート作品に囲まれながら泊まれるインディペンデントなホテル。若者の街・高円寺の3階建てのビルを改装し、2016年3月にオープンしました。
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高円寺駅北口からすぐ近くにある『BnA Hotel Koenji』の独自性は、アーティストがプロデュースし制作するゲストルームを街中に点在させることに加え、地下にはDJブースがあるギャラリーを併設。チェックインカウンターでありフロントデスクとしても機能する1階は、バー&カフェでもあり、地元のコミュニティーや世界中のゲストが交わるハブにもなっています。
「『泊まれるアート作品』である私たちのホテルの1階は、あらゆる人へ開かれたbar。アーティスト・国内外からの旅行者・そして高円寺ローカルに住む人々の交流地です。高円寺駅を降りたら、徒歩30秒。まずはBnA HOTELに立ち寄っていただければと思います!」と話すのは、ホテル共同代表の大黒さん。
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クリエイティブコミュニティーと強い関係性を持ち、宿泊だけではなく、バーやカフェ・レストラン、そして展示会などを企画する『BnA Hotel Koenji』。今後は、高円寺エリアにどんどん部屋が増える予定とのこと。アートとカルチャー、そしてコミュニティーを通して、高円寺の新たな魅力に出会える場所です。
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神楽坂のスタイリッシュなホステル・ラウンジ『UNPLAN Kagurazaka』
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2016年4月にオープンした『UNPLAN Kagurazaka』は、東京ホステルシーンの新たな一員。神楽坂駅から3分、カフェ・ラウンジ・ホステルをあしらった3階建てのビルは、豊かな歴史がある神楽坂の一角で、昼も夜も気楽に足を運べるスポットです。
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神楽坂エリアは、昔ながらの趣のある町並みが残っていつつ、生活感を感じられる場所。周辺には歴史ある能楽堂や料亭、レストランなど、多くの飲食店のほか、最近では、出版社の倉庫を改築した商業施設『la kagu』ができるなど、街歩きにも適したエリアです。
「『UNPLAN Kagurazaka』の周りには、ミシュランを獲得したレストランや料亭が数多く存在します。ディナーを楽しまれた後にUNPLANのラウンジで、5つ星ホテルで活躍したバーテンダーが作るカクテルを夜の終わりにお楽しみください。そのままお帰りいただいても良いですし、ホステルに宿泊していただく事も可能です。泊まれるバーとして、気軽にお酒と旅をお楽しみくださいませ」と話すのは、『UNPLAN Kagurazaka』のホワイトさん。
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心地よさとセキュリティに配慮したドミトリーをはじめ、一流ホテルと同等のアメニティを完備し、快適な時間を過ごせるプライベートルームは少人数のグループや家族にオススメ。その丁寧なアプローチは1Fのラウンジまで届いていて、日中のカフェタイムにはスペシャルティコーヒー、夜のバータイムにはこだわりのカクテルが提供されています。
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スタイリッシュなデザインと丁寧なアプローチで、神楽坂をよりワクワクさせる新しいホステル・ラウンジです。
心地よすぎる、泊まれる本屋『BOOK AND BED TOKYO』
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『BOOK AND BED TOKYO』は、ユニークなホステルや本好きがハマりそうな隠れ家。2015年11月にオープンした池袋の「泊まれる本屋」は、『Shibuya Publishing & Booksellers』がセレクトされた日本内外の本や漫画をベッドでゆったりと読んで楽しめる宿泊施設です。
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池袋駅西口から徒歩1分にある『BOOK AND BED TOKYO』は、もともと芳林堂書店が入っていた建物の7階にあります。
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「ふかふかなマットレスも低反発の枕も無ければ、軽く暖かな羽毛の布団も無い。最高な寝心地は、ここにはありません」という『BOOK AND BED TOKYO』。ミニマルにデザインされた空間でリラックスして、本と一緒に特別な時間を過ごしたい方におすすめです。
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『BOOK AND BED TOKYO』は、デイタイムでの利用や宿泊も可能。東京に類を見ない、「泊まれる本屋さん」です。
下町エリア一帯がホテル? 谷中エリアの『hanare』
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『hanare』は谷中にある最小文化複合施設『HAGISO』が、2015年11月に立ち上げたホテル。ただしここは、一つの建物に完結したホテルではなく、谷中近辺にある飲食店、ショップ、文化施設などと共に、まち全体を一つの大きなホテルに見立てています。住むように暮らし、古くから続く日本の文化を生で体験したい旅行者にぴったりな場所です。
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谷中には、町並みをはじめ、霊園や商店街など多くの見所がありますが、谷中本来の魅力を味わうためには、実際に住んでみたり、泊まってみたりするのが一番。谷中の町を『hanare』は、こう伝えます。
「朝は早く、道を掃く僧侶が軒先で挨拶を交わす。昼は通りに人が賑わい、ひっそりとした路地では子供たちが猫とたわむれる。夕暮れはいくつもの鐘の音が響き、静けさとともに坂の家々は赤く照らされる。夜は小さな店がポツポツと暖簾をかかげ、すれ違う人は銭湯帰りの暖かなお湯の香りを運んでくる。」
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宿泊棟は谷中3丁目の閑静な住宅街にある築50年のアパートをリノベーションした建物で、5つの部屋(シャワー・トイレ共有)があります。そのすぐ近くにある『HAGISO』の2階がレセプションになっていて、各種ゲストサービスを提供、また1階のカフェでは朝食を提供します。『HAGISO』を拠点に、ローカルネットワークで繋がる銭湯に行ったり、周辺の谷根千エリアの寺社仏閣を巡ったり、レンタサイクルで探検したりと、このエリアならではの楽しみ方ができるでしょう。
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“現代の日本らしさ”を自然に感じられる、浅草『BUNKA HOSTEL TOKYO』
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浅草のランドマークである雷門から歩いてすぐのロケーションの『BUNKA HOSTEL TOKYO』は、2015年12月にオープンした清潔感溢れるホステル。現代の日本の感性を発信する新たなスポットです。
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写真クレジット:Shiori Kawamoto
小さいながらもプライバシーが保たれたバンクベッドや清潔感溢れる設備、そして縁側のように緩やかに外とつながった1階にある『居酒屋ブンカ』など、至る所から「現代の日本らしさ」が溢れ出ます。
「『BUNKA HOSTEL TOKYO』が位置する浅草六区は昔から大衆芸能が盛んで今でも周辺には劇場芝居やストリートパフォーマンスが並びます。ホステルから徒歩5分の浅草園芸ホールでは落語や漫才、手品などの芸能を楽しむことができます」とスタッフは話します。
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写真クレジット:Shiori Kawamoto
宿泊も2タイプのドミトリー(天井が高い1段ベッド・2段ベッドの2タイプ)を基本としながらも、4人まで泊まれるプライベートルームもあり幅広いニーズに応えます。居酒屋も、30種類以上の日本酒や日替わりの自家製おばんざい、一人用の鍋など、一人でも大人数でも気軽に食事を楽しめるスポットです。
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写真クレジット:Shiori Kawamoto
「現代の日本らしさ」が伝わってくる『BUNKA HOSTEL TOKYO』は、浅草に訪れた旅行者をいっそう楽しませてくれるはずです。
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BUNKA HOSTEL TOKYO
住所:台東区浅草1-13-5
TEL:03-5806-3444
値段:ドミトリーベッド 3,000円~(大人1名・1泊)
URL:http://www.bunkahostel.jp/
- プロフィール
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- ベン・デイビス
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オーストラリア出身の編集者。2010年より東京を拠点に活動。ローカルな視点から都市を紹介するオンラインマガジン「The Thousands」東京版の編集者としての経験をした後、2015年にCINRAに入社。ANAの訪日外国人向けサイト「Is Japan Cool?」にコラムを寄せるなど、地域の魅力を伝えている。
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