「ベジタリアンレストラン」や「ヴィーガンカフェ」と聞くと、ごく限られた人のためのものというイメージがありませんか? ところがここ台湾では、その概念はまったく日本と異なるもので、台湾では多くの人に親しまれている食文化の1つです。
今回HereNowでは、台北の趣が異なる個性的な人気ベジタリアンレストラン3軒をご紹介。台湾流・楽しいベジタリアンの世界をぜひ体験してみてください。
※本記事は『HereNow』にて過去に掲載された記事です。
台北のベジタリアンレストランといえばココ!『御蓮齋』
台北のベジタリアンレストランのトップに君臨すると言っても過言ではないのが、南京三民駅のすぐ近くの『御蓮齋(ユーリェンジャイ)』。2017年3月にオーナーが変わりましたが、シェフや幹部を含めたスタッフは前身の『蓮香齋』とほぼ同じで、トータルすると20年以上の歴史があります。
『御蓮齋』は、ベジタリアンレストランで多く見られるブッフェスタイル。なんと言っても、ほかではお目にかかれないほどの高級食材がたっぷりと使用されていることが特徴です。店名に入っている「御蓮」とは、現オーナーのお母様のお名前で、「母親の名前を掲げたからには最高のものを提供する」というのが、絶対的なこだわりなのだそう。
ゆったりと広いフロアで展開されているメニューは、各国料理合わせて250種類にも及びます。毎月、2〜3種類ずつ各国料理のメニュー替えがあるとのこと。
「できるだけ素材そのものの味を活かすこと、化学調味料は使わないこと、そして油まで徹底してこだわること。これがメニュー作りにおける私たちのポリシーです」と教えてくれたのは、主席シェフの林さん。心臓に良いとされる紫蘇オイル、泌尿器科に良いとされるカボチャオイル、麺料理などにふんだんに使われていた黒ゴマオイルなど、どれも生産者から種を購入し、少量ずつコールドプレス抽出するというこだわりよう。防腐剤も不使用だから、1ヶ月しか持たないとてもフレッシュなオイルなのだそうです。
「私たちは、ベジタリアンではない方にも1ヶ月に1回くらいはたっぷりと良い食事を摂っていただきたいと思っているんです。みなさんが飽きないようメニューも月単位で変えているんですよ」と話すのは、広報の孫さん。
孫さんによれば、海のコラーゲンと呼ばれる高級食材「海珊瑚」や、非常に手間とコストがかけられているデザート類はなくなりやすいので、先にお皿に取ってから、ゆっくりとほかの食事を楽しむのがオススメだそう。中でも、「何首鳥」という高級な漢方のスープは、滋養強壮のほか、髪の毛を黒くツヤツヤにすると言われているため、このスープだけを買って帰りたいというファンも多数。そのリクエストに応えて、お持ち帰り用を販売しているほどの人気ぶりの、逃したくない一品です。
心づくしの高級料理をブッフェで堪能できるとあって、一度訪れるとすっかり魅了されるファンが多い『御蓮齋』。ブッフェにしては珍しく、ランチもディナーも同じメニューで価格だけが違います。昼にたっぷり食べて、夜は食事を取らないライフスタイルの年配のお客さんが多いということもあり、ランチのほうが混み合うのだそう。観光で訪れるなら、夜が狙い目かもしれません。
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御蓮齋
住所:台北市松山區南京東路五段188號B1
営業時間:ランチ11:30-14:00、ティータイム14:30-16:30、ディナー17:45-21:00
定休日:無休ブッフェ料金:ランチ NT$538、ティータイム NT$438、ディナー NT$638(別途10%のサービス料金がかかります)
電話番号:02-2761-1259
最寄り駅:MRT南京三民駅
その他:インターネットからの予約がおすすめ。
未体験の“野菜食”を求めるなら『果然匯』
続いてご紹介するのは、台湾で数々の人気飲食店をグループ手がける饗賓餐飲グループによる、ブッフェスタイルのベジタリアンレストラン『果然匯(グゥオランホイ)』。
2013年にオープンした『果然匯』は、カフェのように入りやすい雰囲気と食材へのこだわりが魅力。忠孝敦化駅近くのデパート「明曜百貨」内にオープン後、さらに3店舗の開店が決まっています。
「台湾で素食は、宗教上の理由がある人や、健康志向のお年寄りが食べるものというイメージで、油っぽい加工品が多いため、若者たちがとっつきづらいものだったんです。そんな台湾のベジタリアンのスタイルを変えたくて。だから私たちが提供しているのはベジタリアンを含む“野菜食”という、もっと広いカテゴリーの料理です」と話すのは、広報のIanさん。
『果然匯』には、サラダバー、西洋料理、中華料理、鍋料理、点心、デザートなど100種類以上のメニューが揃っています。世界各国の料理をベジタリアン向けにアレンジしたメニューはどれも新感覚でいただけるものばかり。およそ4ヶ月ごとにメニューが入れ替わるのだそうです。
食材はすべて生産履歴が管理されており、フレッシュなものを提供することにこだわっているそう。たとえば、サラダバーの野菜は有機野菜ブランド「緑藤生機」、台湾のソウルフード・麺線(細い麺を温かいとろみがあるダシが効いたスープで煮込んだもの)は「雙福伝統手工麺線」の手作り、麻婆豆腐のお豆腐は「名記豆腐」のもの。台湾を代表するハイレベルな生産者たちと提携し、良質な食材を調達しているのも興味深いところです。
そしてこちらに来た際に、ぜひ試してほしいのが、台湾でもなかなか見かけない野菜を使った料理。たとえば、下の写真の「猴頭菇」という大きなキノコ。名前は「猿の頭」という意味で、肉厚で食べ応えたっぷりなことから「ベジタリアン界のステーキ」と呼ばれている貴重な食材です。キノコは貴重なたんぱく質源として、ベジタリアンの中ではよく活用されるのだそう。
そんなキノコを始め、『果然匯』では、これまでに見たこともない未体験のベジタリアン料理に出会えるレストランです。
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果然匯 明曜店
住所:台北市忠孝東路四段200號12階(明曜百貨内)
営業時間:ランチ 11:30~14:00、ティータイム14:30~16:30、ディナー17:30~21:30
定休日:無休ブッフェ料金:ランチ NT$538、ティータイム NT$438、ディナー NT$638(別途10%のサービス料金がかかります)
電話番号:02-2771-8832
最寄り駅:地下鉄・忠孝敦化駅3番出口より徒歩1分
Webサイト:http://www.fruitfulfood.com.tw/
その他:インターネットからの予約がおすすめ。
体に染みるカフェ飯とスイーツが魅力の『元禾食堂 Flourish』
最後にご紹介するのは、小さなベジタリアン食堂『元禾食堂 Flourish』。台湾で今最も人気のベーカリーのひとつ『一禾堂』を手がける稻荷餐飲グループが、その『一禾堂』の隣に作った食堂です。忠孝敦化駅近くのおしゃれな裏路地に軒を連ね、平日の昼間でもひっきりなしにお客が訪れます。
『元禾食堂 Flourish』という店名の通り、定食や単品でベジタリアン料理を提供している食堂スタイルのお店ですが、「お客さんはあまりベジタリアンのレストランだと思ってお店に来ていないみたいで、メニューを見て初めて知る方も多いんですよ」と店長兼シェフの蕭さん。
『元禾食堂 Flourish』のこだわりは、卵やはちみつを使わず、四季の変化に合った野菜や果物を使用すること。そして、人間が本来摂るべき食事に近いスタイルを目指すため、無添加のものを提供し、加工品は使わないこと。また、この土地で食が循環していくよう、食材選びにもこだわっています。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、カフェ風のメニューを見ているとどれも現代のライフスタイルにすんなり溶け込むようなアレンジがされていて、初めてベジタリアン料理を食べる人にもやさしいものばかりです。
ランチからディナーまで通し営業なので、午後はスイーツを目当てに訪れるカフェ利用のお客さんも多い模様。もちろんスイーツ(写真下、右)も卵や牛乳不使用で、さらにそのほとんどがグルテンフリー。身体への負担が少ないと好評だそう。自家製の酵素ドリンク(写真下、左)と併せて、ごはん以外も楽しんでみてはいかがでしょうか?
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元禾食堂 Flourish
住所:台北市大安區敦化南路一段233巷32號
営業時間:11:30~21:30
定休日:無休
電話番号:02−2771-6115
最寄り駅:地下鉄・忠孝敦化駅
Webサイト:https://www.facebook.com/Flourishvegan/
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