Chara×不破大輔(渋さ知らズ)対談

例年にない晴天に恵まれ、大成功に終わった今年の『FUJI ROCK FESTIVAL '12』。最終日のヘッドライナー・RADIOHEADがグリーンステージで演奏する一方で、オレンジコートではある「事件」が起きていた。オレンジコートの大トリを務めた渋さ知らズオーケストラのアンコールに、なんとCharaが飛び入りし、あのYEN TOWN BANDの名曲“Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜”を歌ったのだ。この機会に幸運にも居合わせたオーディエンスにとっては、きっと今年の『フジロック』の中でも特に思い出深いシーンのひとつとなったことだろう。

あの真夏の夜の夢から約3か月半、“Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜”も収録された渋さ知らズのカバーアルバム『渋彩歌謡大全』のリリースに合わせ、渋さ知らズのダンドリスト(指揮者)にしてベーシストの不破大輔と、同じく新作『Cocoon』をリリースしたばかりのCharaによる対談が実現した。実際に共演するまでは面識がなかったそうだが、そこは長いキャリアの中でオーバーグラウンドとアンダーグラウンドを行き来し、音を楽しみ続けている両者。すっかり意気投合して、ファンキーかつサイケデリックな、素敵なグルーヴを生んでくれた。

「マジで? 怒られない?」とか思いながらも、楽しそうだから出ちゃいました。(Chara)

―今年の『フジロック』での共演は大きな話題になりましたね。

Chara:『フジロック』は普通にお客さんとして見に行ってたんですよ。渋さのメンバーにKenKenがいて、私のアルバムにも参加してもらってる友達なんですけど、「“あいのうた”やるんだよ」って聞いて、「マジで!」って思って(笑)。じゃあ、見に行こうと。

―不破さんとの面識はなかったんですよね?

Chara:そうなんですよ。他のメンバーの方もちゃんと存じ上げてる人はそんなにいなくて。渋さ自体を生で見たのも初めてだったんですけど、見てたら本編で“あいのうた”のインストバージョンをやってて「おっ!」って思ったり、いろんなパフォーマンスも素敵だったし、お客さんもすごい盛り上がってて、最後まであっという間でした。

左から:不破大輔(渋さ知らズ)、Chara
左から:不破大輔(渋さ知らズ)、Chara

―3日目のオレンジコートの大トリですもんね。お客さんも「遊び尽くすぞ!」って感じだったでしょうからね。

不破:RADIOHEADがやってるグリーンステージに行かないで、あそこにいたんだもんね。

―オレンジコートにはかなりの猛者が集まってたでしょうね(笑)。

Chara:それで、ライブが終わったから挨拶をしに楽屋へ行ったら、まだ盛り上がってて、「あれ? まだ終わってないんだ」って。ああいうフェスでアンコールがあるって思ってなくて。

―フェスではなかなかないですよね。

Chara:そうしたら楽屋で、「歌いましょう!」って手を引っ張られて……。

不破:すいません、強奪してしまいました(笑)。

Chara:私ホント普通の格好で、短パンに山登るブーツだったし、火傷した後だったからおでこに絆創膏とか貼ってたし(笑)。だから、「マジで? 怒られない?」とか思いながらも、楽しそうだから出ちゃいました。いつも歌うときは緊張するんだけど、少しお酒が入ってたのがよかったのかな。いい感じに力が抜けてて、モニターとか何でもいいやって感じで(笑)。

左から:不破大輔(渋さ知らズ)、Chara

―じゃあ、ホントにアクシデント的に「出ちゃおう!」だったんですね。不破さんは当日のことは覚えていますか?

不破:いや、もう泥酔してたのであんまり……。自分が楽器を弾くときは飲めないんですけど、そのときはいい具合になってて、アンコールで「あ、Charaがいた!」って(笑)。お客さんも「本物だ!」みたいになってて面白かったですよ(笑)。

Chara:私が来てるのは知ってたんですか?

不破:KenKenが連れてきてるっていうのは知ってて、「しめた!」と思って(笑)。でも、ホントに普段はアンコールとかやらないんだけどね。

スタッフ:主催者に「やっていいんですか?」って聞いたら、Charaが行ったのを見て、「もうやっちゃってください」って。

―じゃあ、ホントにスペシャルだったんですね。

Chara:そういうところが『フジロック』はいい感じですよね。

ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラーのような方たちを模倣して構築していくのではなくて、自分たちの言葉やメロディーで音楽をやりたいと思ったんです。(不破)

―渋さ知らズの新作『渋彩歌謡大全』には、“あいのうた”のインストバージョンが収録されていますね。

Chara:実はそれも、「歌ってください」ってお話をいただいて、「いいですよ」って言ったんですけど、いろんな事情があって実現しなかったんですよね。

不破:それで結局、Charaの代わりにはならないんだけど、うちのトランぺッターが歌メロを吹いてるんです。

―“あいのうた”は昔からお好きだったんですか?

不破:すごい好きな曲で、もちろん映画(『スワロウテイル』)も見てました。大駱駝艦っていう暗黒舞踏の仲間たちが廃人役で出てたこともあって、吉祥寺のバウスシアターで2回見て、サントラ盤も買ってて。

―Charaさんは渋さに対して、どんな印象を持っていらっしゃいましたか?

Chara:語れるほど深くは知らなかったんですけど、アジアっぽいイメージがありました。最近になって私も日本語を含めた自分のオリジナリティーを築けているので、今こうやってご一緒できたのはタイミングがよかったなって。

Chara

―昔は洋楽への憧れが強かったということですか?

Chara:洋楽と邦楽が一緒に入ってきた世代なので、いいものは両方聴いてました。私が歌うようになったのは20歳過ぎなんですけど、シンプルで譜割りも細かくない日本語の歌詞の奥深さを理解できるようになったのは最近のことなんです。特に若いときはミステリアスになりたかったから、選択肢がふたつあったらわかりにくい方を選んでたんだけど、最近はシンプルなものを受け入れられるようになったというか、その魅力を発見できるようになって。

―今のお話は、渋さのアルバムタイトルにつけられた「歌謡」という言葉と関係してくるようにも思うのですが?

不破:「歌謡」っていうのは「歌謡曲」ではなくて、ホントに言葉とメロディーのことで。僕はフリージャズをずっとやってきて、ジャズは元々黒人の音楽であると。でも自分は黒人ではなく、アジアの端、ファーイーストに住んでる日本人で、自分たちの言葉のイントネーションや譜割りがあるから、そういうメロディーやリズムを演奏したくて。ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラーのような方たちを模倣して構築していくのではなくて、自分たちの言葉やメロディーで音楽をやりたいと思ったんです。


Chara:でもすごいファンクっていうか、ステージを見ると、何かを超越した人たちが集まってて、日本的だけど、ファンキーだし、サイケデリックですよね。

不破:これ(Charaの最新作『Cocoon』)を聴いたときもそう思った。グラムロックというか、きれいなグラムの感じに、ファンクもついてるなって。

Chara:ファンクは好きです。飛び越えたバカさっていうか、音楽って音を楽しむって書くし、(渋さを見て)やっぱり楽しんでる人たちが集まるとすごいんだなって思いました。

不破:僕もやっぱり歌謡曲からTHE BEATLESからロックから何でも同時に聴いていたんだけど、どうしても体に残ってるのはファンキーさだったり、Charaが言うような「飛び越えた」感じだった。実際にやってる音楽は違っても、そういう好みの部分では繋がっているのかもしれないですね。

不破大輔(渋さ知らズ)

Chara:そういう「楽しさ」って本当に大切ですよね。昔のダン池田とニューブリード(『夜のヒットスタジオ』の専属バンドとして活躍)みたいに、渋さが音楽テレビ番組の演奏を務めて、毎回違うミュージシャンが参加する、みたいのをやったらめっちゃ面白そう!(笑)

不破:ひどいことになるでしょうけどね(笑)。

Ki/oonは新しい旦那みたいなもので、今回いろんなタイプの曲を収録しているのも、新しい旦那に「私のことわかって」みたいな(笑)(Chara)

不破:(『Cocoon』の中で)KenKenと一緒にベース弾いてるよね? “Lita”かな? めちゃくちゃかっこよかった。

Chara:基本的に鍵盤畑なので、私が作るベースのフレーズは「ベーシストが弾くフレーズじゃない」って言われるんだけど、そこを何とかKenKenに弾いてもらって(笑)。逆にそういうフレーズの方が、新しいものになるのかなって。

―『Cocoon』はKi/oonへの移籍第1弾アルバムということもあり、リフレッシュしたような印象を受けました。

Chara:関わる人が変わったのが大きいんですよね。私はこれで2回目の移籍なんですけど、Ki/oonは新しい旦那みたいなもので、今回いろんなタイプの曲を収録しているのも、新しい旦那にいいとこを見せたいっていうか、「私のことわかって」みたいな(笑)。あと今回は担当ディレクターが新人の若い人だったんですよ。「育ててやってくれ」みたいに言われて、「えー!」っていう(笑)。でも、デモテープをまめに聴いてくれて、まだアカペラだったデモ曲を「これ気になります」って言うから、「じゃあ、もうちょっと作ってみる」って進めて行ったのが、移籍第1弾シングルになった“オルタナ・ガールフレンド”だったりして。

―じゃあ、そのディレクターさんの一言がなかったら生まれてなかったかもしれないんですね。

Chara:まあ自分の曲は全部好きだから、「どれが好き?」って聞いたんです。「何食べたいの?」って、お母さんがご飯作るみたいな(笑)。

―渋さの新作も初めて徳間ジャパンからのリリースですが、やっぱり人が重要でしたか?

不破:今回はずっと「やれるのかな……できるのかな……」って思いながらやってましたね(笑)。

―カバーだと権利関係とか色々ありますもんね。

不破:使用許可もあるし、歌手も曲ごとに違う方が来られましたしね。ただ、担当ディレクターの方は、僕がよく出る横浜のジャズクラブで昔アルバイトをされてたって話を聞いて、それからは急に距離が近くなって、なんか親戚みたいな気がしちゃって(笑)。マスタリングが終わったときはホントにホッとしましたね。

不破大輔(渋さ知らズ)

―じゃあ、やっぱり人ですね。

不破:もちろん、好きなこととかやりたいこといっぱいありますけど、それができるかできないかはやっぱり人ですよね。

Chara:レコーディングとか、人数多いんですよね?

不破:今回はそうでもない。16人ぐらい。

Chara:多いですよ(笑)。

不破:ライブは30人とかいたりするので、16人ぐらいだと「今日は人が少なくて寂しいな」って(笑)。

左から:不破大輔(渋さ知らズ)、Chara

―よく聞かれるかとは思うんですけど、そういう大人数を取り仕切るためのコツってはあるのでしょうか?

不破:取り仕切らないのがコツなんです。日によっていいとこも悪いとこもあるけど、その悪いところがないと逆によくならなかったりもするし。バランスはそのときそのときで変わるんですよね。

―ツルッときれいに揃えるんじゃなくて、デコボコの方がよさが出ると。

不破:いろんなときがありますからね。同じものをどっちか選べって言われても、気温とか天気とか、朝つまずいたかどうかとかで変わりますから。

Chara:渋さは「この曲(新曲)やるよ」っていうときに、デモテープをメンバーに聴かせるんですか?

不破:譜面も渡さず、その場にいてもらって、適当に……。

Chara:私は一応渡すんですよ。ロックミュージシャンだと譜面が読めない人もいたりするので。でも人によってはデモテープのフレーズに捉われ過ぎちゃうから、聴かせない方がよかったりとかあるんですね。そういうことも含めて、私も自分のアルバムでは指揮というか監督をやってるから、コミュニケーションのことは考えるんですけど、くだらない話とかで盛り上がって、「さあ、やろっか」っていうのがいいんですよね。あんまり切羽詰ってやるよりも、その方が上手く行ったりするんで。

不破:それは分かる。ステージでもレコーディングでも、少なくとも僕らだけは気持ちよかったり、楽しかったりしていないといけない。そうじゃないと、音が外に向かって行かないですよね。そのためのコミュニケーションは大事で、そうじゃないとグチャグチャになって、自分の音すら聴こえなくなっちゃうんで(笑)。

自分の嫉妬とかネガティブなところから出てくる感情に捉われると、そこから動けなくなりますよね。(不破)

不破:でもホント、声がすごいですよね。

Chara:声量も大きくはないし、歌が上手い人は他にいっぱいいると思うんですけど、自分の曲は自分で歌うのがいいんですよ。

―個人的には、1曲目の“18”が印象的でした。ソウルフルで、ちょっとスモーキーな感じがすごくいいなって。

Chara:ありがとうございます。1曲目は一番最近の自分の声っぽい曲で始まりたかったんです。“Lita”とかテンポがいいので始まったら今どきのアメリカっぽいかもしれないけど、あえてそうはせずに。アルバムの真ん中あたりとか、ちょっと情けない詞なんだけど、シュッて火を点けて、ジワッて広がっていくアルバムにしたくて。表面的に燃えるんじゃなくて、ちゃんと燃えていくような。


不破:“Cocoon”もすごく好きですね。

Chara:ありがとうございます。あれ長いんですけど、toeのドラマー柏倉(隆史)くんと大西さんが一発でやってて、素晴らしかったですね。

不破:あれ、一緒に演奏したいと思ったもん。

Chara:じゃあ、そういった方でも(笑)。私はピアノ出身なので、さっきも言った通りベースのフレーズが鍵盤っぽくなっちゃう。それで今回、ちゃんとベースフレーズっていうのを知りたくて、今回は大西さんとKenKenと出会って……。

―そして、今日不破さんと出会ったと。不破さんがCharaさんのバックで弾くのも、Charaさんが渋さに入るのも見たいですね(笑)。

Chara:私が? 楽器はマズイよ。

不破:歌ってもらいたいですよ。身内が歌うときは乱暴な伴奏をすることも多々あるんですけど、ちゃんと来てくださった方のときはちゃんとやるんで(笑)。

Chara:やっぱりテレビ出ましょうよ! 子供とかも見てるような、そういう番組がいいですね。きっと「何だろう?」ってなりますよ。こうやって言い続けてると、何かありますから(笑)。

―(笑)。ひとつ改めてお聞きすると、“あいのうた”って、今回の渋さ以外にも、すごくいろんな人にカバーをされてるじゃないですか? 今のCharaさんにとって、この曲はどんな意味を持つ曲になっていますか?

Chara:あの当時はヒット曲になり過ぎちゃって、歌ったり歌わなかったりだったんですけど、最近は絶対歌ってるんですよ。ホントにやっと歌うのがいい感じになってきていて、元々は歌じゃなくて自分の曲を仕上げるのが好きで音楽をやってきたし、歌う人がいないから自分で歌った感じだったので、やっとそれが……20年以上かかっちゃったんだけど(笑)。

Chara

―曲を作ることと歌うことが合致してきたということですよね?

Chara:そうですね。(“あいのうた”を歌うときは)いつも歌に力が入っちゃって、「みんな好きな曲だから……」みたいなとこもあったんだけど、最近は精神的に成長できたんだと思います。この曲があったおかげで今があるっていうのも、何%か絶対あると思うし。

不破:ピントが合うときってありますよね、不思議と。

Chara:渋さで映画のサントラとかもいいですよね。

―不破さんは映画音楽をやってみたいとか思われます?

不破:あんまり考えてないですね。芝居の音楽はずっとやってたんですけど、多かったのはテントでやる野外劇とかで、でもそれは芝居の伴奏というよりライブになっちゃって、役者さんの声消しちゃうからダメだなって(笑)。そういうことがないように、最近は録音が多いんですけど、やっぱり現場は楽しいですね。

―途中のレコーディングでのコミュニケーションの話もそうですけど、やっぱりお二方ともすごく楽しんで音楽活動をされてますよね。

Chara:音楽を嫌いになりたくないですしね、その場をどう楽しむかっていうのは考えますね。

不破:今日みたいな対談とかだと、ここにいる人を好きになるっていうね。

Chara:そう、元々批判って美しくないじゃないですか? いいことを言い合ってる方が楽しいし、それは資質っていうか、習慣なんです。

不破:そうすると、いろんなとこが開いていくんで。

Chara:開いちゃってますよね(笑)。

左から:不破大輔(渋さ知らズ)、Chara

―それって、徐々に開いてきたんですか?

不破:今日に関しては最初っから開いてます(笑)。まあ経験的に言って、喧嘩もするし、ああだこうだもありますけど、振り返ってみると、自分の嫉妬とかネガティブなところから出てくる感情に捉われると、そこから動けなくなりますよね。それよりは開いて、「ああ、いいなあ」と思ってるときの方が、物事が楽しく動きますね。それで暴走しちゃってグチャグチャになるときもあるんだけど(笑)。

―でも、その暴走がなかったら『フジロック』での共演はなかったわけですもんね。

不破:突っ走っちゃったからなあ(笑)。「迷惑かけたかな?」と思いつつも、あれはホントに楽しかったですね。

リリース情報
渋さ知らズ
『渋彩歌謡大全』(CD)

2012年11月7日発売
価格:3,000円(税込)
TKCA-73836

1. 帰ろかな[Vo:泉邦宏](北島三郎)
2. 一週間[Vo:渡部真一](ロシア民謡)
3. 恋は夢いろ[Vo:渚ようこ](西田佐知子)
4. Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜(YEN TOWN BAN)
5. 黄昏のビギン[Vo:Sandii](水原弘)
6. RYDEEN(Yellow Magic Orchestra)
7. 夢は夜ひらく[Vo:遠藤ミチロウ](三上寛)
8. 渡[Vo:坂本美雨](渋さ知らズ)
9. 黒い花びら[Vo:三上寛](水原弘)
10. 悪漢[Vo:keyco](渋さ知らズ)
11. Ponta De Areia(Wayne Shorter)
12. 君は答えよ[Vo:渡部真一](J・A・シーザー / 東郷健)
※()内はオリジナルアーティスト

リリース情報
Chara
『Cocoon』初回仕様限定盤(CD+DVD)

2012年10月31日発売
価格:3,059円(税込)
KSCL-2142

1. 18
2. DADAAAN
3. オルタナ・ガールフレンド
4. Lita
5. 木枯らしと歌う
6. Waiting for You
7. プラネット
8. 蝶々結び
9. 糸し糸しと言う心
10. 特に
11. Cocoon
12. 甘えてよ(ボーナストラック)

プロフィール
Chara

1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。1992年の2ndアルバムでは日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996年には女優として出演した岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」が公開され、劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加して制作されたテーマソング「Swallowtail Butterfly〜あいのうた」が大ヒットとなる。この頃からライフスタイルをも含めた新しい女性像としての人気も獲得し、1997年のアルバム「Junior Sweet」は100万枚を超えるセールスを記録。デビュー20周年を迎えた2011年には、キューンレコードとの契約を発表。未だ制作意欲の衰えを見せる事なく、作品発表を続けている。

プロフィール
渋さ知らズ

1989年9月、不破大輔を中心に初ライブを行う。フリージャズをベースにした大所帯バンドだが、オーケストラ編成だけでなく、中編成や小編成でも活動する。演奏にはジャズ、ロック、フォーク、歌謡曲など様々な要素が混在し、ジャンル分けを拒む音楽である。また、芝居の音楽伴奏が出発点の一つとなったこともあり、演劇的感覚が強い。「テント渋さ」と呼び、自らテントを建てての公演も行っている。これは渋さ知らズがバンドであると同時に、「場」であることを示しており、芸能のラディカリズムを意識したものである。国内外の大型フェスティバルで高い評価を受け、数度の長期ヨーロッパツアーを行っている。



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